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4月21日(日):ダイスケside②

 「ベルリーナ嬢をエスコートして舞踏会に出るなら、その翌日は僕が遊びに付き合うと言ってみてください」と、カイル様の耳元で囁いた。

 カイル様からしたら、僕みたいなおじさんと遊ぶのが交換条件だなんて自惚れるなと思っただろうが、ユリ君ならこれで折れてくれると思った。


 カイル様がユリ君を別室に連れていって数分後、すまし顔のユリ君と、僕の方をすまなそうな目で見るカイル様が帰ってきた。

 ……これはきっと厄介な条件変更があったな、とすぐに勘づいた。

 でも今はそんなことよりベルリーナ嬢のエスコートの件だ。


 ユーリス様はベルリーナ嬢をエスコートし、カイル様がアニー様をエスコートすることに落ち着いたようだ。

 ベルリーナ嬢は「嬉しい」といってわざとらしく泣き出し、アニー様はほっとした面持ちでカイル様を見ていた。

 収まるべきところに収まった、という訳だ。

……僕以外は。


 魂送りの詳しい流れを説明するというので、関係のない僕は先に帰らせて貰うことにした。

 でもその前にカイル様に聞いておかなきゃいけないことがある。


 カイル様に時間をもらって真相を問い詰めた。

 ユリ君とカイル様の様子からして、僕が提示した条件を超えることをユリ君は求めてきたに違いない。


【僕の提示条件】

ベルリーナ嬢をエスコートして舞踏会に出る

翌日僕がユリ君と遊ぶ


【ユリ君の提示条件】

ベルリーナ嬢をエスコートして式典に参列し、ベルリーナ嬢とファーストダンスだけ踊ったら帰る

舞踏会から戻ったユリ君とお泊まり会。

翌日は夜まで遊び倒す。


「おとまりかいぃ?」


 思わず変な声が出てしまった。

 いい年した男二人がお泊まり会だなんて、小学生でもあるまいし!

 なんでも最初は小旅行を条件にしてきたらしいけど、聖女候補と旅行はさすがに許可できないということで『お泊まり会』になってしまったらしい。


 『夜まで遊び倒す』というのもなかなか辛い条件だ。

 ユリ君の事だからアクティビティなことはしないだろうけど、軟弱な僕の体力がもつかが心配だ。


 とはいえ、あのカオスな状況が治まってくれてよかった。

 舞踏会も無事に済んでくれるといいんだけど。


*****

「カイル様にエスコートしてもらえることになって良かったですね」

「そ、そうね!

 ……でもダイスケは本当に良かったの?」

「何がですか」

「ユーリス様と舞踏会で踊らなくて」

「は!?」

「だって、最近とても仲良しじゃない。

 本当はエスコートされたかったんじゃなくて?

 いつからか『ダイちゃん』なんて呼ばれちゃってるし」

「そ、それはユリ君が勝手に呼んでるだけでっ!」

「え。『ユリ君』!? ユーリス様のこと、ユリ君って呼んでるの!?」

「!……しまった」

「どうなの!?」

「……そう呼ばないと怒るので仕方なく……」

「まぁっ! ユーリス様がダイスケをエスコートするって言い出したのもやっぱり『そういうこと』だったのね!?」

「断じて違いますよっ、断じて!

 あー……アニー様ってもしかして腐女子かぁ……?」

「?」

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