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4月18日(木):選抜試験四回目①/ダイスケside

五話くらい続く予定なので、一気に読みたい方はしばらくお待ちください。

 昨日は第四回目の聖女選抜試験……のはずだったけど、なぜか朝帰り(正しくは夕帰りだけど)する羽目になってしまったので日記に書いておく。


 王城に到着するとユリ君(二人の時はそう呼べ、敬語は禁止としつこいので諦めた)が待つ図書館に案内された。

 図書館で遊ぶだなんて、ただお互いが読みたいものを隣同士で読むくらいなもんだろと思ってた僕の考えが甘かった。

 大きなテーブルには本屋の如く大量の本が並べられていた。

 なんでも、自分が好きな本ばかりセレクトして並べておいてくれたらしい。


「ただ本を読むのもいいけど、今日は聖力波長診断が目的だし、僕の好きな本を色々知ってもらえたらなーって」


 と、キラキラと眩しすぎる笑顔でユリ君は言った。陰キャの僕には辛い積極さだ。

 とはいえ誰かの本のレビューを読むのは好きな方だから、この申し出は正直ありがたかった。

 ここは大声で話しても怒られない私設図書館だ。二人別々で本を読むよりずっと有意義だろう。


 前に話を聞いていたユニコーンの本や、ユリ君が魔道具にハマるきっかけになった本、幼い頃に読んでいた子供向けの冒険活劇も用意されていた。

 彼のおすすめポイントを聞いていると不思議とどれも読みたくなってくる。ユリ君は名レビュアーだ。


 ユリ君が一番古い記憶の中で読んでいた絵本は、僕が読んでいた絵本と少し似ていた。

 二匹の猫が大きなパンケーキを作る話だ。

 「僕の世界では双子のネズミがカステラってお菓子を作る話だったけど、どこの世界でもこういうのってあるんだね」というと、ユリ君は「ダイちゃんの世界の本も読んでみたかったなぁ」と言った。


 ふと『自分の世界の本』を思い出した途端、突然雷が落ちたようなヒラメキが降りてきた。


 電子書籍。

 好きな作家がコラムを寄せていた雑誌に、スマホのワイヤレス充電についての解説が載ってたような気が……。

 あれなら電波が入らない世界でも読める!


 そう思って、ユリ君に僕のスマホを持ってきて貰うことにした。


*****

「それにしても凄い蔵書数だね」

「棚をスライドさせたら、後ろにも本棚があるよ」

「本好きには夢のような場所だなぁ」

「あと、秘密の本棚もあるんだ。

 お祖父様が作らせたカラクリ仕掛けの本棚でね……一冊の本しか入ってない」

「……なんだい、その不敵な笑みは」

「この本棚の飾りを押すと……ほら、出てきた」

「それ、絶対王族しか見ちゃいけないやつだろ」

「そう、かもね……?

 この本がなかったら父上も兄上も……もちろん僕も生まれてなかったかもしれない……」

「そ、そんな重要な本、僕に見せようとするなよっ!

 開くな! 開くんじゃありませんっ!」

「じゃ~~ん」

「わーーーーーっ!!

 って、え。……なに、これ。

 え!? まさか! わーーーー!」

「そんなに逃げなくてもいいのに。

 お祖父様秘蔵のただのえっちな本だよ」

「そういうのをほじくり出して赤の他人に見せるのは、おじさん良くないと思うよ!?

 しまおう! 先代国王の名誉のためにも!」

「ちえっ。はぁーい」

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