4月7日(日):ダイスケside
明日は三回目の選抜試験。
今回は試験官としてカイル様が担当する事が事前に知らされた。
カイル様は魔法石の研究をされているから、魔法石の精製に関する試験があるのだろうというのがアニー様とマーティン様の予想だ。
魔法石の精製は、王室管理下の森にある御神木の近くでしかできないらしいので、事前練習は不可能なのが辛い。
とはいえ、やるべき事はたくさんあった。
魔法石がどういうものか全く知らないので基礎中の基礎から教えてもらう。
魔法石の種類は大きく分けて二種類。
浄化系と発生系だ。
浄化系なら『水・風・土』がメジャーで、地下から湧く瘴気や魔物から放たれる毒を浄化する効果がある。
発生系なら『火・水』がメジャー。こちらの世界にあるかまどや水道はこれらの魔法石を使った魔道具が用いられているらしい。
適度な大きさの石を手に持ち、御神木を経由して必要に応じた精霊(火なら火の精霊に)に加護を求めて祈りを捧げれば魔法石が精製される。
発生系の魔法石は魔力が高い者であれば誰でも精製できるけど、浄化系は聖女の力を持つ者じゃないと精製できないとのことなので、僕が明日作るのはおそらく浄化の魔法石なんだろう。
とはいえ男の僕が精霊に祈って加護をもらえるかどうかは不明だ。
なんたって前例が無さすぎる。
ユニコーンの試験の時のように上手くいくとは限らない。
それでも一日十五分勤務で悠々自適生活を手に入れるためには死ぬ気で頑張らなくては。
あぁ、胃が痛くなってきた……。
*****
「明日はユーリス様はいらっしゃらないみたいよ」
「あ、そうなんですね。……よかった……」
「なんですって!?
わたくしはユーリス様に会いたくて仕方ないというのにっ!」
「い、いやその……僕、ああいう距離感が近い陽キャっぽい人がちょっと苦手で……!」
「ようきゃ??」
「僕は陰キャ。つまり暗い奴ってことで、陽キャはその反対です」
「あー。そういう意味であればユーリス様は『ようきゃ』ね。
……確かにダイスケは苦手そうかも。
まっ、私はユーリス様が大好きですけどねっ!」
「アニー様はユーリス様のどんな所が好きなんですか?」
「んーーっと……えーっと……か、顔?」
「顔だけ!?」
「い、いいじゃないのよ。あの顔は国宝みたいなものなんだし」
「まぁ、顔だけじゃなく性格もいい方であるのは分かってるんですけどねぇ」
「じゃあカイル様この事はどう思ってるの?」
「カイル様は……ちょっと怖いかも……」
「どうしてよ。カイル様は顔は強面だけれどお優しいし頼りになるし気遣いができる素敵なお方じゃないの!」
「……あれ?それってユーリス様より褒めてません?」
「……あら?」
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