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鮫族の昔話 参
鮫族が鮫尾の地に移り住んでから100年が経った頃、遂に戦乱の世が幕を開けてしまいました。 日が沈む方向へ徒歩半月ほどの両海地に本拠地を構える血気盛んな虎族が、列島各地に進出して略奪行為を始めていたのです。それに危機感を抱いた鮫族、狐族、蛇族、蛙族、兎族、熊族の代表者はちょうど各種族居住地の中間地点にあたる蛇族国の両河島の地で第一次列島会議を開きました。
その会議では、諸種族連合兵の結成及び虎族と連携している可能性のある鷹族と蛾族に対する経済制裁の強化などが決められました。蛾族は周りを全て鮫族側に領土を囲まれていたので、その気になれば滅ぼすこともできましたが、鮫族はそれを望まなかったので、蛾族討伐は見送られました。
会議の間にも虎族は東に次々と領土を広げており、会議終了翌日には兎族国の国境の峠で小競り合いが起きてしまっていました。翌年、予想だにしない事態が発生しました。西端にあった兎族国が、虎族によって領土の大部分を奪われてしまったのです。大量の兎族難民が会議国各地に流入し、社会は大混乱に陥りました。3ヶ月後に正式に虎族により開戦が宣言され、会議参加国対虎・蛾・鷹の戦争が始まりました。




