21-3
【悲報】無辜の民ワイ、石打ちの刑に処される
◇1:名無しの元引きこもり
国民全員がワイに向かって石投げてくる
助けて
2:名無しの転生者
草
3:名無しの転生者
日頃の行いやろ
4:名無しの転生者
無辜の民じゃないし当然だろ
5:名無しの転生者
というか状況が意味不明すぎるんだが
6:名無しの転生者
何でそんな事になってるんだよ
◇7:名無しの元引きこもり
いやマジで心当たりない
カジノで遊んでたら、精神支配された警備員が急にワイを襲ってきたんや
それで逃げ出したんだけど、王都の住民全員も支配されてて、
ワイを見た瞬間攻撃してくる。
8:名無しの転生者
それ普通にヤバい状況では
9:名無しの転生者
ついにラスボスが出てきたか
10:名無しの転生者
マジで展開が急すぎない?
心当たりとかないの?
◇11:名無しの元引きこもり
>>10
強いて言えばやけど
この前、人間を支配したい通りすがりのネズミに計画の相談されて、
世界征服の計画を完成させてあげたくらいやな。
12:名無しの転生者
どう考えてもそれやろ!!
13:名無しの転生者
そもそも人間を支配したいネズミって何だよ
14:名無しの転生者
そしてなぜ協力するのか
◇15:名無しの元引きこもり
>>12
ほんまや!
よく見たら今の状況ワイが教えた計画そのままやんけ!
なんで恩を仇で返されなあかんのや!
16:名無しの転生者
口封じでは?
17:名無しの転生者
そいつ自体が支配されてる可能性
◇18:名無しの元引きこもり
>>17
きっとそれや!
世界平和を考えてるあんないい奴がワイを殺そうとするはずない!
黒幕がいるに決まってる!
19:名無しの転生者
いい奴だったら世界征服なんかしないのでは
20:名無しの転生者
いい奴だから世界平和のためにイッチを殺そうとしてるんでしょ
21:名無しの転生者
じゃあなんの問題もないな!
◇22:名無しの元引きこもり
とにかくネズミ達を支配してる大元を成敗しに行くで!
逆探知したけど魔法学校にいるみたいやな
23:名無しの転生者
ファッ!?
24:名無しの転生者
つまり黒幕は学校関係者ってコト!?
25:名無しの転生者
つまりイッチが黒幕ってコト!?
◇26:名無しの元引きこもり
>>24
いや、学校を中心に支配した方が効率ええってワイがネズミくんにアドバイスしたからな
黒幕が学校におるのは当然や
27:名無しの転生者
身内を売るな
28:名無しの転生者
こいつの場合、二度も学校追い出されてるし身内ではないだろ
29:名無しの転生者
実質復讐だな
30:名無しの転生者
というか結局黒幕誰やねん
◇31:名無しの元引きこもり
まぁ魔法に長けた人物なのは間違いないやろな
32:名無しの転生者
じゃあお前やん
◇33:名無しの元引きこもり
あとその中でも精神呪文の知見が深い人物なのも間違いないな
34:名無しの転生者
やっぱりお前やん(二回目)
35:名無しの転生者
というかそもそもなんでイッチは支配されてないん?
36:名無しの転生者
わざと支配してないからちゃうんか?
黒幕はイッチのこと嫌いみたいやし、
自意識を奪わずに苦しめたいんちゃうんか
37:名無しの転生者
そのために王国全域支配して国民全員に襲わせるって
どんだけ嫌われてんだよ
38:名無しの転生者
嫌われてるってことはイッチが
その黒幕によっぽどひどいことしたんやろ?
心当たりとかないんか?
◇39:名無しの元引きこもり
善人のワイがそこまで人に嫌われるようなひどいことするわけ無いじゃん
40:名無しの転生者
善人じゃないだろ
41:名無しの転生者
ひどいことばっかりしてただろ
◇42:名無しの元引きこもり
ようやっと学校着いたで!
……って思ったらネズミの焦げた死体がそこら中にあるんやが
43:名無しの転生者
なにそれ怖い
44:名無しの転生者
世界征服ネズミの仲間やろ
黒幕に利用されたやつは大体殺される運命にある
◇45:名無しの元引きこもり
ちゅーことはネズミ殺したやつが黒幕やろな
こんな酷いことするなんて絶対許せへんわ
46:名無しの転生者
というか今更だけどイッチは無事なの?
石打ちの刑の執行中なんやろ?
◇47:名無しの元引きこもり
>>46
今もめっちゃ石投げられてるけど、
物理の飛び道具だから決闘の時みたいに【反応防壁】で対応できる。
でも、流石に完全には防げないからちょいちょい食らってる。
身体めっちゃ痛いわ。
こんなことになるなら麻酔の魔法を開発しとけばよかった。
48:名無しの転生者
石打ちされてる割には元気だなこいつ
49:名無しの転生者
というかそもそも人に恨まれるようなことするなよ
◇50:名無しの元引きこもり
あ、なんか攻撃止んだ。
黒幕もワイがこっち来てるのに気づいたみたいやな……
講堂にいる黒幕と直接対決や!
絶対とっちめたるから覚悟しとけや!
◆
講堂の扉が、開いた。
きしむ音が、静まり返った空間に響く。
入ってきたのは、エイン君だった。
「フレッド、何でここに……まさか、お前が……」
その姿を見て、僕は息を呑んだ。
懸念していた通り、襲われていたのだろう。
全身が傷だらけだった。服は裂け、顔には擦り傷があり、あちこちに血も滲んでいる。
それでも、大きな怪我はしていないようだった。
良かった。
「エイン君、無事だったんだね! よか──」
「お芝居はもういい、フレッド」
遮られた声は、冷え切っていた。
エイン君は、こちらを見るなり、信じられないものを見るような目をした。
その瞳には、はっきりとした失望が浮かんでいる。
「お前だろ?」
「えっと、何が?」
「お前が、すべての黒幕だろ?」
「だから、何の?」
「お前が、アルノンの計画を利用して、今回の事態を引き起こしたんだろ?」
「えっ」
思わず、声が漏れた。
「お前が、俺への憎悪を王国の人たちに植え付けて、俺を襲わせたんだろ?」
「何で僕がそんなこと──」
「そして、フレッド」
エイン君の声が、さらに冷たくなる。
「お前が、邪魔になったネズミたちを──アルノンを殺したんだな」
……あ。
心臓が、嫌な音を立てた。
「それは……」
言葉に詰まる。
違う。
違うはずだ。
でも、確かに僕がやった。
アルノンの知性を、消した。
「その態度……やっぱり本当だったんだな」
一応、事実関係としては合っている。
ただ、意味がまったく違う。
「俺は、お前のこと、大切な親友だと思ってたのに……」
説明すれば、きっと分かる。
分かってもらえる。
……分かって、もらえるよね?
「お前……」
エイン君の声が震えた。
その声には、怒りよりも、はっきりとした悲しみが混じっていた。
「俺のことが、そんなに嫌いだったのか?」
「こんな大それたことまでして、俺を殺したかったのか……?」
違う。
「ち、違う。そんなわけないじゃないか」
声が、思った以上に震えた。
「じゃあ、何で俺とお前だけが支配されなかったんだ!?」
エイン君が詰め寄ってくる。
その目にあるのは、疑念ではなかった。
裏切られた痛みだった。
「お前がわざと俺の自意識を奪わないで、苦しめるためだったんだろ!?」
……ああ、なるほど。
そう見えてしまうのか。
僕は、言葉に詰まった。
説明しようとした。
全部、話したかった。
でも──アルノンの最後の頼みが、脳裏をよぎる。
『今回のことは……エインには、伝えないでください』
どうする。
どうすればいい。
説明すれば、約束を破る。
黙れば、誤解は解けない。
頭が、全然回らない。
「フレッド、なんとか言えよ! なぁ!」
悲痛な声だった。
……ああ、もう。
「……あーもう、めんどくさい!」
気づいた時には、そう口にしていた。
考えるのを、やめた。
今日は、色々なことがありすぎた。
これ以上、頭を使うのも、説明するのも、全部嫌になった。
「【精神支配】!」
「ちょっ、おま──」
エイン君の目が、虚ろになる。
僕は、静かに命じた。
「エイン君。君は、誰にも襲われてなんていなかった」
「その傷は、ただすっ転んだだけだ」
「君は今からホテルに戻って、さっきまでのことを全部忘れるんだ」
エイン君は、虚ろな目でこちらを見る。
そして、何も言わずに講堂を出ていった。
僕は、その背中を見送った。
これも、君と僕の友情のためなんだ。
きっと君も分かってくれるだろう。
──そういうことにしておこう。
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