X-4 読者への挑戦状
親愛なる読者諸君へ。
ここに、とある謎が提示された。
グランド・マジェスティカの大ホールで起きた、黄金のカツラ盗難事件。
神出鬼没の怪盗ファントムによる犯行。
煙幕の中で消えた、まばゆい輝きを放つカツラ。
そして、手がかりを残さぬ完璧な逃走。
だが、完璧に見える犯罪にも、必ず綻びはある。
諸君は、この物語を最初から読んできた。
事件の一部始終を目撃してきた。
ならば、謎を解く権利がある。
いや、謎を解く義務があると言うべきか。
【三つの謎】
この事件には、三つの謎が存在する。
第一の謎:黄金のカツラは、なぜ外れたのか?
カルヴァン・ルミナスは宣言した。
「誰からも外されることはない」と。
【強固固着】の魔術であれば、カツラは頭皮と完全に一体化していたはずだ。
ならば、なぜ犯人はそれを外すことができたのか?
第二の謎:盗まれたカツラは、どこに隠されたのか?
出入り口は封鎖されている。
カツラは必ず、ホテルのどこかにある。
だが、徹底的な捜索にもかかわらず、見つからなかった。
ローブの集団も検査した。
持ち物も調べた。
【隠形看破】という魔法まで使った。
それでも、黄金のカツラは姿を消したままだ。
一体、どこに消えたのか?
第三の謎:どうやって犯人を見つけ出すのか?
犯人である怪盗ファントムは、この会場のどこかに潜んでいる。
だが、誰が犯人なのかは分からない。
それでも、グレアムは言った。
「犯人は見つかるはずだ」と。
では、怪盗ファントムを、どのようにして見つけ出すのか?
【前提条件】
この謎を解くにあたり、以下の事実を確認されたし。
・犯人は現場に残っている。出入り口は封鎖されており、誰も逃げていない。
・カツラも、完全な状態でホテル内に存在している。外部への持ち出しは行われていない。
・必要な手がかりは、すべて提示されている。隠された情報はない。
【挑戦】
諸君、推理したまえ。
三つの謎を解き明かし、犯人の正体と、そのトリックを看破したまえ。
グレアムが気づいた「可能性」とは何か。
彼の「予想」とは何か。
答えは、すでに諸君の目の前にある。
この挑戦を受けて立つか否かは、諸君の自由だ。
だが、もし受けて立つならば、解答編を読む前に、自らの推理を完成させることを推奨する。
さあ、知恵を絞り、論理を組み立て、真実へと辿り着いてほしい。




