神様理論。概念と思考。
ユーファからの世界破壊宣言を受け、神鈴団はその破壊の対策をとることになる。しかし、「神」という異常な敵に対し良い対策案が思いつかず、帰りの車の中でも話がほとんどなかった。そして、神鈴団本部のあるビルの駐車場に着いた時、ようやくまともな会話が始まる。最初に口を開いたのは南だった。
「…あのユーファってやつなんなの?突然私達の討伐対象倒したりして。神とか世界破壊とか言われたってどう対応したらいいかわかんないじゃん。健師はどう思ってんの?」
「…あいつは厄介なことに上級神なんだよ。中級神の能力しかない俺にとっては不釣り合いなほど強い。」
「ソれってもう負け確宣言ジゃないか。ソもソもあいつはなんの神なんだ?」
歩きながら質問してくる帳之に対して、若干の時間をはさみ健師が回答する。
「…そうだな。多分あいつは『管理』の神だ。世界を破壊したりするのは神の中でも『破壊』『管理』の神だけなんだ。今は『破壊』の神は封印されて世代交代してるらしいから恐らく『管理』だな。」
「ていうかなんで神なんて排出しなきゃいけないのよ。神は一人がずーっとやってればいいじゃない。」
口を挟んできた南に対し健師は
「一人の神を信じるか何人もの神を信じるかは宗教によるだろ?それと同じで人ごとに神の信じ方は違うし概念も違う。その概念が無数に生まれることにより、神っていうのをひとつの存在として扱うのが難しくなるんだ。それで結果的にその中の一つの『神の概念』が全ての概念を統合して今の仕組みを作ったってわけさ。少なくともここ周辺の世界はその仕組みになってる。結局は誰かひとりのご都合に則っちまったって言うことだな。」
「…なによそれ。私たちは誰かの勝手な概念に苦しめられてるってこと?」
「そうだ。南も俺も、この世界を作り出した存在の概念によって誕生することが決められていたんだよ。」
「私達も概念上の存在ってこと?」
「大体のやつはな。神だって結局は概念だし、その神を作り出したやつもこの世界を作り出したやつも、結局は誰かの概念なのかもしれないんだよ。」
概念。そう概念。思考によって生まれるソレは全ての人に存在している。もしかしたら人以外の生物にも存在しているかもしれない。さらに、きっとこの文を読んでいるあなたにもあるだろう。そしてこの文は読む人によって違う世界が作られるだろうと思う。ここで、この「概念」という言葉に健師はヒントを貰った。口元がにやける。あの時のユーファのように。それに花音が突っ込む。
「…おにーちゃん。何考えてるの?まさか、こんな時なのに…」
「なんだその疑いしかないような顔は。攻略法が思いついたんだよ。これが効くかどうかは別としてよ。」
健師は紙を取りだし、何かを書き始める。
「まず、これを見てくれ。軽く書いた図なんだが、まず神って言うのは概念上の存在だ。単純にそれが具現化しているだけなんだよ。つまりな?今回のユーファがどれほど強いかは分からないが、自分自身をユーファと同じ強さ、ていうふうな概念をもてば、同じ概念である神にはかなり効くんじゃないかって思うんだよ。俺の神力もほとんど神の概念だからな。」
簡単にまとめると、神は概念なんだから、自分を別の強い存在、という概念に置くことで攻略できるんじゃないか、ということである。さあ、これからユーファ攻略が始まる。




