第39話 使者
ワトル伯爵邸へ向かう道で、ガイゼルはほとんど口を開かなかった。
先ほどまで市場で喧嘩を仲裁し、町民相手に大声を張っていた男とは思えない。
黒鉄の鎧を鳴らしながら歩く背中からは、街の者に向けていた雑な軽さが消えている。
呼び出しが、ただの用件ではない。
クランにも、それくらいは分かった。
リアも黙って歩いていた。
表情は穏やかなままだ。
だが、視線は時折、街道の方角へ向いている。
朝の市で聞こえた、荷が止まったという噂を思い出しているのかもしれない。
アリシアは白い帽子のつばを片手で押さえ、もう片方の手でクランの外套の端をつかんでいた。
街の朝はまだ続いている。
焼き立てのパンの匂い。
荷車の軋む音。
店先で交わされる声。
子どもが走る足音。
けれど、その上に薄い膜のようなものがかかっていた。
戦の気配は、戦場だけに留まらない。
それを、クランはもう知っていた。
ワトル伯爵邸に入ると、騎士が彼らを案内した。
通されたのは、客をもてなすための部屋ではなかった。
広げられた地図と、何枚もの報告書が置かれた執務室。
イグレート・ワトル伯爵は、すでに机の前に立っていた。
大きな窓から入る光は明るい。
だが、机の上に広げられた地図の上には、いくつもの駒と紙片が置かれている。
その明るさとは別の重さが、部屋全体に沈んでいた。
グレース渓谷。
大橋。
ルクレール領。
ベルダイル領。
そして、マルムへ続く街道。
地図上では、ただの線だ。
けれど、その線の先には、朝にパンを売っていた男がいる。
荷を気にしていた商人がいる。
リアに手を振っていた子どもがいる。
クランは、地図から目を離せなかった。
戦は、線を止める。
線が止まれば、人の暮らしが止まる。
それは、剣を振るう前から始まる戦いだった。
ワトル伯爵が顔を上げた。
「リア、きみも来たのか」
少しだけ、意外そうな声だった。
ガイゼルが肩をすくめる。
「ちょうど一緒にいたんでな。連れてきた。どうせなら一緒に聞かせておいた方が早いだろ?」
ワトル伯爵はリアを見た。
次に、クランとアリシアへ視線を移す。
アリシアは、クランの外套の端を握ったままだった。
白い帽子のつばを押さえる指に、少しだけ力が入っている。
伯爵は、その姿を一瞬だけ見つめた。
何かを問うことはしなかった。
「……そうだな。むやみに人を増やすより、そのまま聞かせた方が早い」
それは、ここにいることを認める言葉だった。
クランは一歩だけ後ろへ下がり、アリシアを自分の陰に置く。
リアは机の前へ進んだ。
部屋には側近らしい文官と、数名の騎士がいる。
誰も余計なことは言わない。
すでに、この場で話される内容の重さを理解している顔だった。
ワトル伯爵が、地図上の大橋を指で示した。
「グレース渓谷の大橋で、ルクレール軍とベルダイル軍が衝突した」
リアの表情が、わずかに硬くなる。
「橋は、ルクレールが押さえたようだ。だが、ベルダイルが崩れたわけではない」
ガイゼルが低く息を吐いた。
「退いただけか」
「おそらくな。報告では、列を保って後退したとある」
ワトル伯爵の指が、橋からマルムへ伸びる街道をなぞる。
「問題は勝敗だけではない。あの橋は交易路だ。あそこが止まれば、マルムの商隊も、食料も、薬も動きが鈍る」
文官が、机の端に置かれていた別の紙を差し出した。
薬草。
塩。
保存食。
馬の飼料。
それらの横に、細かな数字が並んでいる。
クランには、詳しい意味までは分からない。
だが、ワトル伯爵の目が、その数字をただの物資として見ていないことは分かった。
「戦は、戦場だけで終わらん。街の鍋の中身まで変える」
ワトル伯爵の声は静かだった。
静かな分だけ、言葉は重い。
リアが口を開く。
「ルクレール側は、何と?」
「王家への忠誠を貫く、と言っている。アランス侯爵と聖騎士は、ベルダイル侯爵が王を名乗ることを認めぬ構えだ」
王家への忠誠。
その言葉に、リアの指がかすかに動いた。
表情は変わらない。
だが、視線だけが一瞬、地図の中央へ落ちる。
ワトル伯爵はそれに気づいたようだったが、何も言わなかった。
伯爵の指が、次にベルダイル領を示す。
「一方で、ベルダイル侯爵は王の座を諦めていない。諸侯の中にも、彼の主張に耳を貸す者は出るだろう」
ガイゼルが腕を組んだまま低く言った。
「念のために、ひとつだけ確認しておきたい」
ワトル伯爵が顔を上げる。
「何だ」
「じじい。あんたは、どっちかに付くつもりなのか?」
部屋の空気が、わずかに張り詰めた。
文官が筆を止める。
騎士たちも、互いに顔を見合わせることはしなかった。
だが、その問いがこの場に必要なものだと、誰もが分かっていた。
リアもまた、静かにワトル伯爵を見ている。
問いの答えを待つ一人として。
そして、その答えがこの地の明日を左右することを知る者として。
ワトル伯爵は、すぐには答えなかった。
地図の上に置いた指を、静かに引く。
「今この場で、どちらかの旗の下に入るつもりはない」
ガイゼルの目が細くなる。
「中立ってやつか」
「都合のよい傍観ではない」
ワトル伯爵の声は低かった。
「私は、どちらが勝つかを見るのではない。この地の民が、これ以上戦の火に巻き込まれぬ道を探す」
リアは、小さく息を吸った。
何かを言おうとしたのかもしれない。
けれど、言葉にはしなかった。
ワトル伯爵は、地図を見下ろしたまま言った。
「これは、ただの領地争いではない。事実上の内乱だ」
その言葉に、アリシアがクランの外套を握る手に少し力を込めた。
クランは、彼女の方を見ない。
ただ、外套を引かれる感覚だけを受け止めた。
戦だの、内乱だの、王だの。
アリシアには分からなくてもいい言葉ばかりだ。
けれど、怖いことが起きているのは伝わっているのだろう。
クランは、ほんの少しだけ外套の端を持ちやすい位置へずらした。
アリシアの指が、そこを掴み直す。
ワトル伯爵は側近へ視線を向けた。
「ルクレールに使者を出す」
「はっ」
「事実上の内乱に至っていることへ、ワトル伯爵家として強い懸念を示す。加えて、交易路の通行と周辺民への影響についても説明を求める」
側近がすぐに控えの書面へ筆を走らせる。
伯爵は続けた。
「だが、アランス侯爵と聖騎士の言葉だけを聞いて判断はできん」
その声に、わずかな苦みが混じった。
「今なお王を名乗ろうとするベルダイル侯爵の腹も見なければならん」
ガイゼルが腕を組む。
「なら、ベルダイルにも使者を出すってことか」
「そうなる」
ワトル伯爵は、地図上に置かれた駒を一つ動かした。
「本来なら、私自身が赴くべきだ」
その言葉に、ガイゼルが即座に顔をしかめた。
「だめだ。あんたは残れ」
「ガイゼル」
「万が一にでも、あんたに何かあれば、この地の面倒を見るやつがいなくなる。ベルダイルに使者が必要なら、俺が行く」
ワトル伯爵は、すぐに首を横に振った。
「おまえを使者に出せば、門番と喧嘩を始める姿しか想像できん」
「そこまで短気じゃねえよ」
「短気ではない。雑なのだ」
部屋の空気が、ほんの少しだけ緩んだ。
だが、それは長く続かなかった。
ワトル伯爵は、すぐに真顔へ戻る。
「それに、ガイゼルをベルダイルへ出せば、マルムの守りが薄くなる。紋章魔物の件も終わったとは言い切れん。今、騎士団長を領地から離すわけにはいかん」
ガイゼルは舌打ちしそうな顔をしたが、反論はしなかった。
それが正しいと分かっているのだろう。
側近の文官が、慎重に口を開く。
「伯爵閣下。文官のみで使者を出すこともできますが……ベルダイル侯爵が直接会うかどうかは分かりません」
「だろうな」
ワトル伯爵は低く答えた。
「書状を届けるだけなら足りる。だが、今必要なのは、それだけではない」
地図の上に沈黙が落ちる。
そこで、リアが一歩前へ出た。
「私が参ります」
ワトル伯爵の視線が、リアへ向く。
クランも、思わずそちらを見た。
リアは静かにワトル伯爵を見据えていた。
「おじさま。ベルダイル侯爵への使者なら、私が行きます」
部屋の中の数人が、わずかに息を呑んだ。
ガイゼルが眉を寄せる。
「嬢ちゃん」
「ガイゼル団長。私はグローリー家の名を預かる者です。ワトル伯爵家の使者として向かう名分はあります」
リアの声は穏やかだった。
だが、退く気配はなかった。
側近の文官が、様子を伺いながら頷く。
「たしかに、グローリー卿であれば、使者としての名分は立ちます」
クランは、その言葉を聞いてリアを見た。
グローリー。
ただの騎士の名ではないとは思っていた。
彼女が伯爵を「おじさま」と呼ぶ理由も、少し理解できた気がした。
文官は、クランたちにも分かるように言葉を選んだ。
「グローリー家は、伯爵閣下の母方に連なる旧家です。ワトルの名を直接掲げずとも、伯爵家に近い者として遇される。諸侯相手の使者として、軽すぎる名ではありません」
なるほど、とクランは思った。
ワトル伯爵の直系ではない。
だが、無関係でもない。
騎士として動ける名であり、伯爵家の意向を背負える名。
グローリーという姓は、ワトルの名を直接掲げずとも、伯爵家に近い者として相手の前へ立つための名なのだ。
ワトル伯爵だけが、わずかに目を細めた。
「だからこそ、軽々しく外交には使えない」
その言葉には、ただの政治上の重さ以上のものがあった。
「きみが、今の状況で動きたいと思う理由は分かるつもりだ」
伯爵は言った。
「分かるからこそ、簡単には頷けん」
リアは、まっすぐにワトル伯爵を見た。
「ルクレールの言葉だけでも、ベルダイルの言葉だけでもなく。何が起きているのか、私は実際にこの目で確かめたいのです」
声は穏やかだった。
「朝、市場で人々の顔を見ました。荷が止まるかもしれないと、皆が不安に思っていました。戦場の勝敗だけでなく、その先にいる人たちの暮らしまで見なければ、私たちは何を守るべきか見誤ります」
ワトル伯爵は、何も言わない。
「それができる立場と状況にあるのなら、私は行くべきだと思います」
部屋の中で、誰も口を挟まなかった。
クランは、リアの横顔を見ていた。
彼女は、命じられたから行くのではない。
名誉のためでもない。
知りたいのだ。
何を守るべきか。
誰の言葉を聞くべきか。
誰かに従う前に、自分で見ようとしている。
それは、クランが知っている騎士団の命令とは違っていた。
ワトル伯爵は、長くリアを見ていた。
やがて、深く息を吐く。
「……分かった」
リアの肩から、わずかに力が抜けた。
「ベルダイル侯爵への使者は、きみに任せる」
「ありがとうございます」
「だが、条件がある」
ワトル伯爵の声が、領主のものへ戻る。
「一つ。無茶はするな。使者として向かうのであって、戦いに行くのではない」
「承知しています」
「二つ。ワトル領を危険にさらす判断を、独断でしてはならない。何かを約束する時は、必ず私の名と責任の範囲を考えろ」
「はい」
「三つ」
ワトル伯爵は、クランへ視線を向けた。
「護衛をつける」
リアも、クランを見る。
クランは何も言わなかった。
ワトル伯爵の視線は鋭い。
「クラン。おまえは元ルクレール騎士団の騎士だ。ベルダイル側が知れば、歓迎される身分ではないだろう」
「……分かっています」
爵位持ちを相手にする時の口調で、クランは短く答えた。
「だが、現場を知っている。エラール村を見た。ルクレールの中で何が起きていたのか、その一端を知っている」
ワトル伯爵は、まっすぐにクランを見ていた。
「そして、リアはきみを信じているようだ」
クランは、わずかに目を伏せた。
信じている。
その言葉は、まだ重かった。
簡単に受け取っていいものではない気がした。
リアが静かに言う。
「クラン。お願いできますか」
頼みだった。
命令ではない。
クランは、リアを見た。
そして、アリシアを見た。
アリシアは白い帽子のつばを押さえたまま、不安そうにこちらを見上げている。
ここに残せば安全か。
そう考える。
答えは、すぐには出なかった。
マルムは安全に見える。
ワトル伯爵も、ガイゼルもいる。
だが、クランは知っている。
安全そうに見える場所でも、突然壊れることがある。
村も。
倉庫も。
何も起きないはずの朝すらも。
「……リアが行くなら、行く」
クランは短く答えた。
リアは、少しだけ微笑んだ。
「ありがとうございます」
「ただし」
クランは続ける。
「アリシアを一人にはしない」
ワトル伯爵の視線が、アリシアへ向く。
「その子も連れていくのか」
「はい」
クランは答えた。
「ひとりにはしておけません」
アリシアの手が、クランの外套を強く握る。
リアも言う。
「私も、今は離すべきではないと思います。この子はクランから離れることを怖がります」
ワトル伯爵は、アリシアの白い帽子を見た。
小さな手が、帽子のつばを押さえている。
彼は少し沈黙した後、頷いた。
「ならば、目立たせるな」
声は厳しい。
だが、突き放すものではなかった。
「その子を守るためにも、街道ではただの子どもとして扱え。使者の場へ連れて入るかどうかは、現地の状況を見て判断しろ。無理だと思えば、近くで待機させる。よいな」
「はい」
リアが答える。
クランも、黙って頷いた。
「小僧」
ガイゼルの声が飛んだ。
「丸腰で嬢ちゃんの護衛をする気か」
クランは答えなかった。
腰に剣がないことは、言い返しようのない事実だった。
ガイゼルは部屋の隅に置かれていた細長い包みを取り上げ、クランへ差し出す。
クランは黙って受け取った。
布越しにも、重さが分かる。
「嬢ちゃんから頼まれてたやつだ。今朝、ちょうどここに届けさせておいた。ワトル騎士団の剣だ。悪い剣じゃない」
リアが、少しだけ目を伏せる。
「用意していただいたのですね」
「使者の護衛が丸腰じゃ格好がつかねえだろ」
ガイゼルはそう言った。
言い方は雑だった。
だが、差し出された剣の扱いは雑ではなかった。
クランは包みをほどく。
現れたのは、装飾の少ない実用剣だった。
以前にルクレールで使用していた剣ほど整った意匠はない。
だが、剣身はしっかり磨き上げられ、柄の革は新しく巻き直されている。
高価な儀礼剣ではない。
戦うための剣だった。
クランは柄を握った。
慣れた重さではない。
それでも、今のクランには必要なものだった。
「……すまない。助かる」
「謝るな。借りを感じるなら、生きて返せ」
ガイゼルは、クランを見る。
「とはいえ、折るなとは言わねえ。必要なら折れ。抜く時は迷うな」
「……分かった」
クランは慣れた手つきで、剣を腰に差す。
金具が小さく鳴った。
手に馴染んでいるわけではない。
だが、空だった腰に戻った重さは、不思議と邪魔にはならなかった。
リアが、文官から書状を受け取る。
ワトル伯爵家の封蝋が押された、正式な書状だった。
「ベルダイル侯爵には、三つ伝える」
ワトル伯爵は言った。
「一つ、ワトル領は戦火の拡大を望まない」
「はい」
「二つ、グレース渓谷の大橋を巡る交戦により、周辺の交易と民の暮らしに影響が出ている。これ以上の拡大は看過できない」
「はい」
「三つ」
伯爵の声が、わずかに低くなる。
「ベルダイル侯爵が王を名乗ることを、私は認めていない。王位の主張を取り下げるよう求める」
部屋の空気が重くなった。
それは、ただの伝言ではない。
王を名乗ろうとする者へ、正面から異を唱える言葉だった。
リアは書状を丁寧に鞄に収め、静かに頭を下げた。
「必ず、お伝えします」
その姿勢は、ただの騎士のものではなかった。
少なくとも、クランにはそう見えた。
背負うものの重さを理解したうえで、それでも目を逸らさない者の姿勢。
守りたい──と感じさせる姿だった。
会議が終わり、リアとアリシアが先に廊下へ出る。
クランも、その後に続こうとしていた。
「クラン」
伯爵の声に、クランだけが足を止めた。
ワトル伯爵は机の前に立ったまま、クランを見ている。
「おまえを信用してよいのか、私はまだ測りかねている」
正直な言葉だった。
クランは何も言わなかった。
「おまえはルクレールを裏切った。命令に背き、騎士団から逃げた。それは事実だ」
「……はい」
「だが、民を殺せという命令に従わなかったことまで、私は否定するつもりはない」
クランの視線が、わずかに上がる。
ワトル伯爵の声は、厳しかった。
優しい慰めではない。
「騎士としては失格だ。だが、人としては、まだ測る余地がある」
クランは、何も返せなかった。
その言葉は、赦しではない。
だが、切り捨てでもなかった。
「リアを守れ、と命じるつもりはない」
ワトル伯爵は言った。
「命じたところで、おまえは命令で動く男ではないだろう」
クランは黙っている。
「だから、おまえ自身で選べ」
伯爵の視線は鋭い。
「その子を守るのか。リアの隣に立つのか。危険を前にして退くのか。おまえが選んだことなら、その結果も背負え」
クランは、しばらく言葉を探した。
うまい返事など出てこない。
ただ、廊下の先でアリシアが待っている。
リアも、何も言わずに待っている。
それだけは分かった。
「……選びます」
短い返答だった。
「逃げないとは、まだ言えません」
伯爵の目が、わずかに細くなる。
「けれど、置いてはいきません」
ワトル伯爵は、少しだけ沈黙した。
やがて、小さく頷く。
「それでいい」
クランは一礼し、部屋を出た。
廊下では、リアが書状の入った革筒を抱えて待っていた。
アリシアは、まだ白い帽子のつばを押さえている。
「クラン」
リアが呼ぶ。
「大丈夫ですか?」
「……ああ」
「では、準備をしましょう」
クランは頷いた。
腰の剣が、小さく鳴る。
マルムの朝は、まだ終わっていない。
けれど、もう買い物の続きをする時間ではなかった。
焼き立てのパンの匂いが残る街から、使者は出る。
誰かが王を名乗り、誰かがそれを認めず、誰かが戦場で剣を振るう。
その間にも、人は朝の食事を作り、荷を運び、子どもを叱る。
その暮らしを戦火から遠ざけるために、リア・グローリーは書状を抱えた。
クランはその半歩後ろに立つ。
アリシアは、彼の外套を握る。
ワトル伯爵邸の外では、街の声がまだ続いていた。
その声を背に、三人は出発の準備へ向かった。
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