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ダラダラ生きればいいんじゃない  作者: 鈴木樹蘭


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第28章 疑心と正義

 この世界に、本当に悪い人間など少数だ。

 ただ、みんな怖いだけ・・・。


 何が怖いかだって、それは、あなたの心の奥底に潜む暗鬼だ。


 誰の心の中にも、疑心という名の暗鬼が棲んでいる。

 見えないもの、理解できない事柄、知りえない原理。それらが、人を妄想に誘う。


 疑心に支配されることほど悲しいことはない。

 「全ての人間、全ての魂、その根源はひとつ。」

 あなたの魂は、個人という器に封印されているだけに過ぎない。意識、思考は個別であったとしても、全ては宇宙の子供達である。


 暗鬼を胸の底に抱いて、人は生まれてくる。

 それは、防衛本能・・・・、いや、きっと、神様が人間を試しているのだ。

 あなたの精神が、そんな爆弾を使わないでも生きていけるか。

 暗鬼の暴走が連鎖する時、それは、人類滅亡の時である。

 そんな終わり方をするくらいなら、隕石でも落ちて終わった方がいい。


 人が越えなければいけないもの。


 虚飾の世界で生き続けるか?

 それとも、真実の世界を追い求めるか?


 この星に現存する人間は、苦難の時を越え、多くの戦いに勝ち抜き、生き残ってきた末裔だ。

 果てしない荒野に立ったあなたは、自分の周りに誰もいなくなるまで戦うのか?

 周囲の敵を殺しつくした時、気づくはずだ。

 殺したのは、敵ではなく仲間だったことに・・・。


 疑心という名の暴走。


 桜の花びらが散り果てれば、そこから、また、新たなステージが始まる。

 でも、散る前に、銃を置いて、青い空を見上げてみるのも悪くはないだろう。

 そう、恐れる必要なんてないのだ。

 鬼など、滅多にいるものではない。


 誰もあなたを陥れようなどとはしていない。

 疑って壊すくらいなら、信じて裏切られた方がいい。

 真相がわからないのであるなら、誰も悪者にしてはいけない。


 地球を離れて、遥か彼方から、人間という幻影を見つめてみよう。

 ・・・・。


 もっと、遠くから・・・。


 本当。

 実に馬鹿馬鹿しい世界だろう。

 疑心が敵を作り出し、正義という名のつるぎが人を切る。


 熱き血潮に身を焦がし、無数の嘆きと絶望の上に立ち、僅かな者だけが、その欲求を叶える世界。

 正義という旗印の元。勝利の雄叫びを上げる勇者の背後には、物言わぬ屍の山が鎮座する。


 疑心と正義、それは滅びを象徴する言葉に外ならない。

 良い子でいる必要はない。

 でも、見渡さなければいけない。

 この世界を・・・。

 この宇宙を・・・。

 生命全てを・・・。

 

 だから、疑心も正義も捨て、慧眼を持ちながら、ダラダラと暮らすが良かろう。


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