第25章 破滅に向かってまっしぐら
人類の歴史を振り返ってみると・・・。
500万~600万年前に地球というステージに登場した人類は、何百万年という月日を得て、やっと、直接の祖先であるクロマニョン人に辿り着く。そして、農耕が始まったのは、僅か1万年前である。
人類という種は、ほとんどの間、狩猟を主として生き延びてきた野生動物と言って良いだろう。
そのちょっと賢い野生動物が、蒸気機関というエネルギー源を手にしたのは、300~400年前だ。電気の一般利用など、約150年の歴史しかない。
更に、人類は電子技術を発展させ、人間の計算能力を遥かに上回るコンピュータを作り上げ、大量殺人兵器まで完成させた。
欲にかられた人々は、狂たように競い合い、より便利なもの、より強大な兵器を造るゲームに興じたのである。
その結果、得たものは何か?
豊かな生活。
快適な生活。
苦痛のない生活。
安定した生活。
便利な生活。
そして、長寿。
一度得た甘いものを、人間は手放すことはできないだろう。
道具を持たない動物は、自らの牙と爪で敵を倒すしかない。
鉄の刀があれば、一度に多くの敵を殺せる。
ダイナマイトがあるなら、更に多くの敵を葬れるだろう。
アメリカでは銃を持った人間が、毎年、何人もの人を殺している。もし、彼らが、もっと強力な武器を手にしたなら、被害は更に拡大していくのは目に見えている。
テロリストは銃を使って人を殺す。
もし、彼らが核兵器を持っていたなら、人類は滅んでしまうかもしれない。
なのに、今日も人々は目の色を変えて興じている。
マネーゲームと開発争い、そして、威厳をかけた戦いと正義を貫くための復讐だ。
金の亡者と化した狂人の群れ。
疑心暗鬼に駆られた男達。
更には、打ちひしがれ、絶望の底で、遺恨を胸に立ちあがる人々が追い打ちをかける。
破滅に向かってまっしぐらだ。
この危うい均衡の中で、人々は安らぎと満足を得られるのだろうか?
いつも、一握りの人間の欲望のために、多くの人が犠牲になる。
それが、人の定めであろうか?
もっと、まったりと、生きようよ。
そんなに急いで、地獄の淵を覗いてどうする?
さあ、生活は機械任せにして、みんなでのんびりと、ダラダラ生きよう。
きっと、それが一番いい。




