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ダラダラ生きればいいんじゃない  作者: 鈴木樹蘭


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第24章 人間が生きる意味

 朝から晩まで働き、子孫を残しながら、生命は延々とバトンを渡し続けてきた。

 苦しみ、悲しみ、辛さに、心折れた時もあるだろう。

 それでも、まだ、終わっていない。


 個人にとって、生きる意味などあまりないだろう。ほとんど、ゼロに近いと思う。

 でも、人類全体や宇宙全体にとっては、あると思う。


 太陽は日夜、新しい物質を生産し続けている。それが、太陽にとって意味があるのかと問われれば、あまりなさそうに思える。

 でも、宇宙にとっては、どうであろう。


 目を閉じて、想像してみよう。

 何億、何十億の人が思うがまま、自由に想像した世界は、どれだけ多様で、どれだけ面白いだろうか?更に、この全宇宙で、それと同じようなことが無数に展開されているとしたら、人間が想像した映画なんてゴミと思えるほどに、神秘と驚きに満ちた壮大なドラマがあるのではないだろうか。


 「人が想像したものは、必ず現実となる。」と言ったオッチャンがいたよね。

 いつしか、想像した世界が、現実に創造されていく。

 この考え方は、的を得てると思う。


 たぶん、人間が担っている使命があるとすれば、そんなものではないのかな。

 別に、そんな使命は無視しても、全然、構わないし、知らなくても問題ない。

 ただ、地球上の多くの人間が、何らかの想像を胸に抱き、その何万分の一かが現実になっていく。そして、そんな文明社会が宇宙に幾万、幾億もあり、それが量子もつれのように連鎖しているとしたら、結構、おもしろいのではないだろうか?


 生きることに意味を求める必要などありはしない。

 そもそも、生きていることに意味があるかないかは、あなた自身が決めることではない。

 美しき花は、自らの存在意味など知らずに咲くものだ。

 そして、その花の価値を決めるのは、その花ではない。


 通りすがりの旅人は、その花の美しさに見とれ、思わず顔を近づけてしまう。そして、思わず口にするのだ。

 「このような荒れ果てた世界で、よくも、これ程に美しく咲いてくれたものだな。」

 その瞬間に、花が咲く意味が生まれる。


 遥か未来、全ての生命体が消え失せた地上には、ただ冷たい風だけが吹き続けるだろう。そして、長いエンディングが終われば、次のステージへと向かうことになるかもしれない。

 全てが風化して消失した地上であっても、おそらくは人間というものが存在した痕跡が僅かに残っているはずだ。

 でも、それだけでは意味をなさない。


 もし、地球自体が消滅しても、その痕跡は必ずどこかに受け継がれる。

 荒廃した大地に、再び芽を吹く植物のように、宇宙のどこかで、また、新たなゲームが始まり、何者かが人類の痕跡を発見した時に、人類の存在価値は復活するはずだ。

 まあ、そこに、どれだけの価値が残っているかも知れないが、可能性はあるということだ。


 それは、絶えることなく、何度も何度もループするのだ。

 宇宙というものが滅ぶ日まで、ずっと、ずっと、繰り返される。

 ひとつひとつの価値など微々たるものかもしれないが、宇宙全体で積み重ねられることによって、大きな意味を持つ可能性は十分にある。


 壮大な宇宙の中で、人間ひとりが残せる痕跡など、微々たるもの。何臆、何兆、何京という数と、何百億という時間が積み重なって、初めて、意味をなすものだろう。

 それでも、せいぜい恥ずかしくない痕跡を残したいものだ。


 自らが生きる意味など知らなくてもいい。

 自らに価値の有無を考えることも無意味だ。


 必要なことがあるとすれば、他人の価値を見い出すことである。


 あなたが、誰か(何か)の価値を見いだした瞬間に、そこに価値が生まれる。おそらく、そこに意味があるのだと思う。


 価値というのは、確定しているものではなく、観測者がいて成立するもの。


 それが宇宙の原理というものだ。


 ダラダラ生きながら、砂の中に埋まった宝石を探してみるのも一興かもしれない。

 よく探してみれば、素晴らしい宝石が、あるかもしれない。


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