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『ハズレ能力だと思ったら、ポーションが何でもありでした 』  作者: Lark224a


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第28話 検証と実験の結果。

「う"っ‥‥気持ち悪い。完全に飲み過ぎた。」


椅子の背もたれに体を預けながら膨れた腹を押さえると、少し身動きしただけで腹の中からチャポン、チャポンと液体が揺れる感覚が伝わってくる。


これまで何種類ものポーションを試飲し続けたせいで胃の中は完全に飲み物で満たされており、口を開けば今にも何かが込み上げてきそうなほど気持ち悪かった。


が、それでも、この苦しさに見合うだけの成果を得ることは出来た。


俺は出来る限り腹を揺らさないようにゆっくりと体を起こし、机の上へと視線を向ける。


そこには検証に使った飲料の容器と共に、色や濃さの異なる液体が入った新しいポーションがいくつも並べられていた。


コーラ+ポーション=加速ポーション

コーヒー+ポーション=覚醒ポーション

お茶+ポーション=集中ポーション

水+ポーション=減少ポーション

スポーツドリンク+ポーション=体力回復ポーション


この数日間、家にある飲み物を片っ端から試し続けた結果、これだけの新しいポーションを作成することに成功した。


そして何より大きかったのは、俺がずっと求めていた強化ポーションの効果時間を延ばす強化維持ポーションが、『プロテイン+ポーション』の組み合わせで作れることが分かったことだ。


もちろん、ただ作れただけで終わりではなく、それぞれ実際に飲んで効果についても確認してある。


加速ポーション=『一定時間、移動速度・反応速度が大幅上昇』

覚醒ポーション=『眠気を消し、思考速度・反応速度を上昇させる』

集中ポーション=『集中力・五感を高め、一つの対象を正確に捉えられる』

減少ポーション=『発動中のポーション効果を弱める。強すぎる効果やデバフの緩和にも使用可能』

体力回復ポーション=『蓄積した肉体疲労を大幅に回復する』


どれも使い方次第では戦闘で大きな助けになるほど強力な効果を持っている。


だが、これまで作ってきたポーションと同じように、これだけ都合の良い効果だけを与えてくれるはずもなく、それぞれのポーションには無視することの出来ない大きなデバフが存在していた。


コーラは『効果終了後、平衡感覚が乱れて強い目眩が発生する』

コーヒーは『効果終了後、反動で強烈な眠気に襲われる』

お茶は『集中しすぎることで周囲への注意力が著しく低下する』

水は『プラス効果とデバフを選別できず、両方まとめて弱める』

スポーツドリンクは『疲労を回復するために体内のエネルギーを大量消費するため、回復した疲労量に比例して強烈な空腹に襲われる』

プロテインは『延長した時間に比例して、元のポーションが持つデバフが増大する』


とまぁ、効果が強力な分だけ、どれも使用後のことまで考えなければならない厄介なデバフを抱えている。


そして今回の検証でもう一つ分かったのが、強化ポーションは身体能力そのものを満遍なく引き上げているわけではなく、正確には筋力を大幅に上昇させるポーションだということだった。


だから強化ポーションだけを飲んでも、力は強くなるが、速さや反応速度、動体視力まで同じように強化されるわけではない。


つまり、身体能力の全てを引き上げた状態を作るには、筋力を上昇させる「強化ポーション」と、移動速度と反応速度を上げる「加速ポーション」と、そして集中力と五感を高める「集中ポーション」を同時に使用して、さらにそれらの効果を長時間維持する為に「強化維持ポーション」を飲む必要がある。


この四つを組み合わせれば、単純な力だけではなく、速度、反応、感覚までまとめて引き上げられた状態を作ることが出来る。


少なくとも今の俺が作れるポーションだけで考えるなら、これが最も戦闘能力を高められる組み合わせだろうが、当然ながら問題もある。


強化維持ポーションが延長するのは、ポーションの都合の良い効果だけではない。


効果時間を延ばした分だけ元々存在していたデバフまで増大するため、強化ポーション、加速ポーション、集中ポーションを同時に使用した状態で強化維持ポーションまで飲めば、それら全てのデバフがまとめて強化されることになる。


‥‥考えるだけでも恐ろしい。


強化ポーションだけでも、効果が切れた後には全身を襲う酷い筋肉痛でまともに動けなくなった。


それに加えて平衡感覚が狂うほどの目眩や、周囲が見えなくなるほどの集中状態による負担まで強化されるとなれば、その反動がどれほどのものになるのか想像もしたくない。


それはそれは地獄であると言える。


「でも、これだけのポーションが出来れば満足に戦うことは出来る。後は、これらのポーションを作成しストックしておけば‥‥いよいよ外に出る準備は整うな。」


机の上に並ぶポーションを眺めながら、俺は膨れた腹をゆっくりと擦る。


数日前までは強化ポーション一つのデバフをどうにかする方法すら分からなかったが、この数日間ひたすら検証を続けたことで、戦闘に使えそうなポーションの種類は一気に増え、それぞれをどう組み合わせればいいのかも少しずつ見えてきた。


そして、この数日間でやっていたのはポーションの検証だけではない。


いくらポーションで一時的に強くなれるとはいえ、それを使う俺自身の体が貧弱なままでは意味がないと考え、検証の合間を使って少しでも体を丈夫にする為の筋トレも始めていた。


まだ数日程度なので目に見えるほどの変化はないが、腕立て伏せや腹筋など、家の中でも出来ることから少しずつ続けている。


自分自身の体も鍛えて、そしてポーションのストックを増やしたら、それが終われば‥‥いよいよ、この家から出る時だ。

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