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『ハズレ能力だと思ったら、ポーションが何でもありでした 』  作者: Lark224a


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第27話 今日も検証。

――翌朝。


朝ごはんを済ませた俺は、そのまま自分の部屋へと戻ると机の前に腰を下ろし、昨日に引き続いてポーションの研究を始めることにした。


凪には「どうにかなるんじゃない?」と言われたものの、自分としては正直なところ難しいんじゃないかと思っている。


それでも、せっかく強化ポーションを作れるようになったのだから、もう少し試してみたいという気持ちはあったし、時間的にもそこまで焦る必要はないので、諦める前にもう一度だけ考えてみることにした。


「これが昨日の強化ポーションだよな。」


机の上に置いていた〇ットブルの缶を手に取り、中に残っていた強化ポーションをゆっくりとコップへ移していく。


見た目的には特に変化らしい変化はなく、色も元の〇ットブルと変わらなければ、鼻を近づけて確かめてみても匂いはただの〇ットブルのままだ。


これだけを見れば普通の飲み物にしか思えないが、実際に飲めば体の奥という奥から力が湧き出し、細かった俺の体を短時間でムキムキに変えてしまうほどの効果がある。


「問題は効果が強すぎることと、その短さだな。」


純粋に手を加えるとするなら、〇ットブルに含まれているエネルギー量を減らすのが一番簡単に効果を下げられそうな方法だが、それをしてしまうと強化の度合いだけではなく、効果時間まで一緒に短くなってしまう可能性がある。


いくら副作用のない強化ポーションが作れたとしても、肝心の効果時間が短すぎて実戦中に何度も飲み直さなければならないのなら、使い勝手が悪すぎて何の意味もない。


なら、効果時間を延ばしながら強化の度合いだけを下げる方法を見つけるしかない。


「だったら、イメージするのをムキムキって感じじゃなくて、ある程度の強化に抑えて‥‥その代わり、長時間続くっていうのを強くイメージしてみるか。」


これまでのように一つの効果だけを頭に思い浮かべるのではなく、強化の度合いを抑えることと効果時間を延ばすこと、その二つを同時に意識しなければならない。


いつもより複雑なイメージの構成になってしまうが、今の強化ポーションを実用的なものにするためには仕方がない。


頭の中で自分の体が適度に強化され、その状態が長時間続いている姿を出来るだけ鮮明に思い浮かべながら、〇ットブルに能力を使ってポーションの効果を組み込んでいく。


「‥‥よし。出来た、と思う。」


完成した〇ットブルを少し眺めた後、覚悟を決めて口へ運ぶ。


喉を通った直後から体の奥が一気に熱くなり、全身の筋肉が内側から膨れ上がるような感覚が襲ってくる。


それと同時に腕や胸、腹の筋肉が目に見えて盛り上がり始め、結局のところ昨日とほとんど変わらないムキムキの体が完成してしまった。


「‥‥ダメか。全然変わってないな。」


どうやら二つのイメージを同時に組み込むという方法は上手くいかなかったらしく、強化の度合いも昨日とほぼ同じで、効果時間にも大きな変化は感じられない。


そして数分後‥‥強化ポーションの効果が切れると同時に膨れ上がっていた筋肉が元へ戻り、直後に全身を締め付けるような筋肉痛が一気に襲ってきた。


「ぐっ‥‥!!やっぱり、これ来るのかよ‥‥。」


昨日ほどではないにしても、腕や足を少し動かしただけで筋肉の奥に鈍い痛みが走り、思わず顔を歪めてしまう。


俺はすぐに用意していた回復ポーションとエネルギー回復ポーションを手に取ると立て続けに飲み干し、しばらくその場でじっとして痛みが引いていくのを待った。


「はぁ‥‥痛いなぁ。でも、昨日よりほんの少しだけマシだったな。」


昨日も同じ筋肉痛を経験して回復したからなのか、それとも体が多少なりとも慣れたのかは分からないが、昨日に比べればほんの少しだけ痛みが和らいでいるように感じる。


まぁ、それでも痛いことに変わりはなく、今回の検証も失敗という形で終わってしまった。


俺は椅子の背もたれに体を預けながら、机の上に置かれた〇ットブルを見つめる。


「やっぱりダメだ。今の俺じゃあ複数のイメージを同時に具現化することが出来ないんだ。もう少しレベルが上がれば、その辺の調整というか匙加減も出来るようになるのかも知れないが―――あっ!!そうか。」


そこで、それまで一つのポーションだけで全てを解決しようとしていた自分の考えに気付き、頭の中に一つの可能性が浮かび上がった。


「強化ポーションを作ることは出来る。でも、時間の調節と効果の強弱を同時に設定することは出来ない。なら‥‥二つのポーションを作ればいいんじゃないか?」


一つのポーションに複数の効果を詰め込むことが出来ないのなら、最初から役割を分けてしまえばいい。


幸いにも、あの強烈な筋肉痛が起こるのは強化ポーションを飲んだ直後ではなく、効果が切れて元の体に戻った後だ。


つまり、強化ポーションそのものの効果時間さえ延ばすことが出来れば、その間は筋肉痛に襲われることなく動き続けられることになる。


もちろん、それだけでは強化の度合いが高すぎるという問題は残ったままだが、少なくとも効果時間の問題だけなら解決出来るかもしれない。


「そうだ‥‥今の俺じゃあ一つのポーションに強化と持続時間の調整を同時に組み込むことは出来ない。だったら、強化ポーションとは別に効果時間だけを延長するポーションを作ればいいんだ。」


その考えに辿り着いた瞬間、さっきまで失敗続きで止まっていた思考が一気に動き始める。


「あぁ、そうだ。これなら一つの課題はクリア出来る。名付けるなら『強化持続ポーション』だな。これを作れれば、少なくとも強化ポーションの効果時間を延ばすことは出来る。問題は――どの組み合わせなら、それが作れるのかだな。」


強化ポーションを作ったように飲料とポーションを組み合わせることで強化持続ポーションを作れるだろう。


「まぁ、そこは一つ一つの飲み物を試していくしかないな。」


新しい可能性と『強化持続ポーション』という新たな発想を得た俺は、机の上に並べていた飲み物へと視線を移すと、どれが目的の効果に繋がるのかを確かめるため、手当たり次第に一つずつ試していくことにした。

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