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『ハズレ能力だと思ったら、ポーションが何でもありでした 』  作者: Lark224a


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第22話 結局、この場所に。

外に出ることを決めた。


そう決めた以上、やらなければならないことは山のようにある。


その中でも最も優先順位が高く、俺達が生きて外を移動するために絶対に考えておかなければならないのが、どうやってあの化け物達と戦うかという問題であった。


コンビニで戦った緑色の化け物を相手にした時のように、俺が囮になって化け物を引き付け、その隙に凪が魔法を放ってトドメを刺す。


あの時と同じやり方が通用するのであれば話は簡単なのだが、残念ながら外でも同じように戦えるとは到底思えない。


あの時は室内で、しかも外へ通じる出口は一つだけ。それに店内もそこまで広くなかったからこそ、化け物の動きをある程度限定することが出来て、俺が囮になるという無茶な方法でも何とか上手く収めることが出来ただけだ。


これが公園やその辺の道路みたいに、遮るものがほとんどない開けた場所での戦闘になれば話は全く違ってくる。


俺が囮になって注意を引いたところで、コンビニで捕まったように身体能力では向こうの方が圧倒的に上である。例え逃げ回れる場所があったとしても足の速さだけで簡単に追い付かれ、そのまま捕まって殺されてしまうだろう。


それに、凪の魔法にも問題がある。


威力についてはあの化け物を一撃で倒せるほど申し分ないが、その分だけ攻撃範囲が広すぎるため、俺が近くにいる状態では気軽に撃つことが出来ない。


コンビニの時のように上手く化け物だけを巻き込める状況を毎回作れる保証なんてないし、敵の数や位置によっては一撃で全てを倒すことも難しいだろう。


そして、問題はそれだけではなかった。


そもそも外にいる化け物の種類が、俺達の戦ったあの緑色の奴だけとは限らない。


むしろ、あれ以外にも何種類もの化け物がいると考えておいた方がいいし、それこそ動画で見たドラゴン?みたいな化け物と出会ってしまえば、戦い方を考える以前にその時点で詰みなのだ。


だからこそ、何も知らないまま外に出るのは危険すぎる。


そこで俺はまず、今の状況で集められるだけの情報を集めるため、ネットを使って化け物について色々と調べることにした。


Xはもちろん、実際に化け物と戦っている人達が投稿している動画を中心に片っ端から確認していき、その結果、いくつか分かったことがある。


まず、俺達がコンビニで戦った緑色の化け物は〝ゴブリン〟と呼ばれていて、どうやら現時点で確認されている化け物の中では一番弱い部類らしい。


実際、力の存在に気付いた人達が化け物と戦っている動画もいくつか見つかったが、そのほとんどで相手にしていたのはゴブリンだった。


投稿されている動画を何本も繰り返し見ていくうちに、何となくではあるがゴブリンの習性や行動パターンというものも見えてきた。


まず、奴らはバカではあるがアホではない。


人間みたいに複雑なことを考えているようには見えないし、知能そのものはかなり低そうなのだが、だからといって何も考えずに動いているわけではなく、子供でも気付くような分かりやすい罠には全く引っ掛からない。


動画の中にはゴブリンを落とし穴や仕掛けに誘導しようとしているものもあったが、露骨に怪しい場所には近付こうとせず、逆に仕掛けた人間の方が追い回されている場面すらあった。


そしてもう一つ、特に気になったのが奴らの行動パターンだった。


確認した動画の中に映っているゴブリンは、ほとんどの場合三匹一組で行動しており、そのうちの一匹が他の二匹に何かしらの命令を出しているように見えた。


しかも、その一匹を先に倒した動画では、それまである程度まとまって動いていた残りの二匹が途端に連携を失い、それぞれが好き勝手に動き始めている。


つまり、三匹の中にリーダーが存在している可能性が高く、そいつが他の二匹の頭脳として機能しているということなのだろう。


なら、戦う時は真っ先にリーダーを殺し、統率を失った残りの二体を一匹ずつ倒していく。それが現時点で考えられるゴブリン相手の一番安全なセオリーだと思える。


だが、それを実行するためには一つ、大きな問題を解決しなければならない。


俺自身がゴブリンを倒せるかどうかだ。


そう、今の俺達にとって最も明確な課題は、凪の魔法以外に化け物へまともなダメージを与える手段がないということだった。


凪の魔法が強力なのは既に分かっているが、それだけに頼って外を移動するのは危険すぎるし、俺自身にも最低限ゴブリン一匹ぐらいは倒せるだけの攻撃手段が必要になる。


それを解決する一番手っ取り早い方法は、画面の〝買い物〟で武器を購入することなのだろうが、当然ながら今の俺達にはそれを買えるだけのGがない。


そしてGを手に入れるには化け物を倒さなければならないのに、その化け物を安全に倒すための武器を買うにはGが必要になるという、どうしようもない悪循環が発生してしまう。


武器を手に入れるためには化け物を倒す必要があり、その化け物を倒すためには武器が欲しい。


そうなると、今の俺に残されている選択肢なんて一つしかなかった。


「‥‥ってなると、やっぱりポーションの可能性を探るしかないな」


考えに考えた末、結局のところ俺はそこへ戻ってくる。


俺に与えられた能力はポーション生成。今のところ回復に使えるものばかりで、化け物を直接倒せるような力ではないが、まだ試していないことも、分かっていないことも山ほど残っている。


なら、その中に今の状況をひっくり返せる何かがある可能性に賭けるしかない。


こうして外へ出るための準備を進める中で、俺はこれまで以上にポーションというものへ向き合い、その可能性を探るための研究を本格的に始めるのであった。

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