第18話 ステータスの変化。
「ふぅ~~食ったなぁ~~」
「うん。そうだね~~久しぶりにいっぱい食べたね。」
俺達はコンビニから帰ってくるなり、持ち帰った食料をテーブルの上に広げ、カップラーメンや缶詰を次々と開けて腹いっぱいになるまで食べた。
今日まで残り少ない食料のことを気にして一日一食で我慢していたこともあり、久しぶりに腹の限界まで食べるカップラーメンは死ぬほど美味かった。
普段なら何とも思わない濃いスープの味や少し柔らかくなった麺ですら今はご馳走に感じられて、やっぱり空腹は最高の調味料という言葉は実に正しいのだと身をもって実感した。
そうして久しぶりの爆食を済ませた俺達は、膨れた腹を抱えながらソファーに並んで座り、背もたれに体重を預けて休憩していた。
満腹になったことで体から一気に力が抜け、危険なコンビニから無事に帰ってこられた安心感も重なって、今になってどっと疲れが押し寄せてくる。
「でも、本当に上手く行って良かったね。私達のどちらかが居なかったら達成出来なかったよね。」
「そうだな。俺は化け物に刺されたし、凪はエネルギー切れで動けなくなったしな。あっ!!そういえば、それで思ったけど、俺さぁ、ギリギリ動けるだけのエネルギーは残しておいてって言わなかったっけ?」
コンビニでの出来事を思い返しながら何気なく問いかけると、隣に座っていた凪の肩が分かりやすいほどビクッと跳ねた。
「い、いや‥‥それは、その‥‥み、ミスだよ。ちょっと、エネルギー量を間違えたというか、その計算を間違えただけだよ。」
さっきまで満腹になった腹を擦りながら寛いでいたはずなのに、何故か急に視線を泳がせ、明らかにしどろもどろになる凪であった。
「そうか。まぁ、ミスなら仕方ないよな。あんな危険な状況だったし指示通りに対応する方が難しいよな。」
俺だって化け物に腹を刺されて死にかけたのだから、あの状況で冷静にエネルギーの残量まで計算しろという方が無理な話だろう。
そう考えて特に追及することもなく納得すると、凪は何故かホッとしたように小さく息を吐いた。
「う、うん‥‥そうだよ。てか、それよりもさぁ!!今日、初めて化け物を倒したんじゃん!!なにか、力に変化とか起こるのかな?」
「あーー確かにな。まだ、確認してなかった。丁度、二人でいるし確認するか?」
「うん!!」
凪に言われて初めてその可能性に気付き、俺達はソファーに座ったまま二人揃ってステータスを開いた。すると、目の前に見慣れ始めた半透明の画面が浮かび上がり、そこに表示されていた内容は以前確認した時とは明らかに変わっていた。
九条 颯 18歳 Lv1→2
職業 ポーション使い
九条 凪 16歳 Lv1→2
職業 魔法見習い
俺も凪も揃ってレベルが1から2へと上がっており、やはり化け物を倒したことで何らかの成長が起こるらしい。
だが、ステータスに起きていた変化はレベルだけではなかった。以前には存在していなかった項目が職業の下に追加されており、俺はその見慣れない文字を上から順番に目で追っていく。
その項目とは――『パーティー』『買い物』『ポイント』『換金』
の4つが増えていた。
当然ながら、それぞれがどういう役割を持っていて、具体的に何が出来るのかは全く分からない。ただ、化け物を倒してレベルが上がった直後に現れた以上、今回の戦闘によって新たに解放された機能である可能性は高そうだった。
「どうする?何から確認する?」
凪も俺と同じ4つの項目を見つけたらしく、興味津々といった様子で半透明の画面を覗き込みながら聞いてくる。俺は改めて並んだ文字を上から順番に眺め、その中でも一番意味を想像しやすいものを指で示した。
「まぁ、パーティーからでいいんじゃないか?」
こうして俺達は、化け物を倒したことで新しく現れた4つの項目が一体どのようなものなのか、一つずつ確認していくのであった。




