ダイスキ②
久しぶりの投稿になります。
季節は11月。同級生の中には、もう希望の大学に合格し、余裕の表情を見せている者もいたが、俺は一般入試を受けるため日夜、受験勉強に勤しんでいた。
そんな中、ある日曜日、松山あかねが東京にやって来た。
「やっほー、優斗!久しぶり・・・でも、夏休み以来かな?」
「ああ、そうだな」
「ところで、真奈ちゃんは?彼女ほったらかしていいの?」
「仕事」
「そっかぁ・・・じゃあ、今日だけ私が優斗の彼女になってあーげる♡」
「別に俺の彼女にならんでもいいじゃん・・・」
朝一番の新幹線に乗り、東京駅の改札から出たばかりのあかねは俺に懐いてきた。・・・しかし、意外と可愛いな。
「ところであかね、何しに東京に来たんだ?」
「だーいすきな優斗に会うために決まってんじゃん♡」
「少しは真面目に答えてくれよ・・・」
「じゃあ観光。私、東京なんて滅多に行かないからいいとこ教えて」
「お前なぁ・・・てか、どこ行きたい?」
「どこでもいいよ」
「そっか」
あかねは東京ならどこでもいいと言ったので、2人で話し合って、結局は俺が沙友里の時同様、上野や浅草方面に行くことにした。
「優斗って下町方面詳しいの?」
「いや全然。高3になって初めて行った」
「そうなんだ。てか学校どこ?」
「目黒区。いや、世田谷区だったかな・・・違う、大田区かも」
「自分が通ってる学校なのに、どこなのかもわからんの!?」
「・・・名古屋と違って、東京の地理あんま詳しくないし」
午前中は上野と浅草で観光という名の買い物をしていた。まだ11月ではあるが、季節はいよいよ冬に入り、寒さが日に日に増してくる。特に今日は東京でも最高気温が10度台前半で、北海道に至っては猛吹雪だとか。しかしこの寒さだというのに、あかねは元気に店を物色し、服やらバッグやら化粧品やらを色々と買っていた。で、浅草で昼食取ってからは移動し、スカイツリーに登る。
「うわー、東京全部が見えるよ!」
「そうだな・・・まあ、実際はビルばっかなんだけどな」
「私、東京行ってよかった・・・」
確かに展望台から眺める景色は絶景だった。特に今日は快晴で富士山がくっきり見える。これが夜になると夜景がすごいんだろうな・・・
◇ ◇ ◇
夕方、俺はこれから帰りの新幹線に乗るあかねを送りに東京駅に向かった。
「優斗、今日はありがと。東京行ってよかった」
「ああ、俺もあかねに会えてよかったよ」
「それは私も。優斗に会えてよかった。それに買いたい物も買えたしね」
「ありがと」
「あ、そういえば優斗に言いたいことがあったんだ」
「何だよ」
「私、4月から東京の大学に行くの」
「え?そうなんだ。どこ大?」
「早応大学。沙友里もここに合格したよ」
「マジ?名門じゃん」
「うん。だって東京は何でもあるしね」
「そうなんだ」
沙友里も早応大か・・・俺も受けてみようかな。受かる自信ないけど。しかし、今日のあかねはどこかぎこちなかった。そして・・・
「それに私、優斗にもっと大切なことを言いたいし・・・」
「何だよ大切な話って」
「私、優斗のこと大好き。中学からずっと好き。愛してる」
「え・・・」
「返事は言わなくていいから・・・」
衝撃の一言だった。ヤバい。顔が紅潮している。心拍数も凄いことになっている。しかし、俺はあかねの告白の返事を断った。なぜなら俺には大切な彼女である相川真奈がいるからだ。
「・・・ゴメン。俺、あかねの想いに応えられないわ。だって俺、真奈がいるし」
「優斗、そうだったね・・・」
あかねの目には涙が浮かんでいた。そして、
「優斗、真奈ちゃんを大切にしなさいよ。優斗の恋は私たちの犠牲で成り立っているんだからね」
俺にそう言ったあかねは改札、そして新幹線の乗り場へ向かったのであった。
次の話はクリスマス頃かな・・・




