9.10
9月に入った。それと同時に夏休みも終わり、2学期に突入。そして、俺の高校生活も残り半年である。
そして2学期になり、俺自身の環境も大きく変化した。なぜなら、新しく寮母さんが入ってきたため、俺は寮を出て、学校近くのアパートに住むことになったからだ。寮費や光熱費は学校側が負担してくれるため、そこは何とかなりそうだ・・・まぁ、出世払いという形になってしまったが。
9月10日、俺は無事に18歳の誕生日を迎えた。これで結婚が可能になる年齢だ。とはいえ、この日は何もない平日。朝起きても特に変わったことはないと思う。朝起きて、顔洗って、歯を磨いて、朝食を食べて、普通に学校へ行くだけだ。目を覚ました俺はトイレを済ませ、顔を洗い、歯を磨き、そして学校に向かう。すると・・・
「渡辺くん(優斗)、お誕生日おめでとう!!!」
いつものように教室に上がった俺にかけられたのは、同級生からの熱い声援だった。
◇ ◇ ◇
学校では普段通り授業を受け、昼食を食べ、午後からは再び授業を受ける。結論から言えば、この日、俺は誕生日であるにも関わらず、特に何もなく1日を過ごしたのだった。
そして夕方、授業が終わると部活に向かった。3年生ではあるが、文化祭を間近に控えているため、2学期になってからはほぼ毎日部活に向かっている。まぁ、文化祭終わったら引退だからな・・・
今日も軽音楽部の文化祭で披露する楽曲の練習が7時頃までみっちりとある。部長である日高の態度は日に日に鬼気迫るものとなり、1年生から「厳しすぎますよ〜」という悲鳴が上げられるくらいであった(これは演劇部と合唱部にもいえる)。
◇ ◇ ◇
夜7時、部活が終わった俺は真奈からLINEがあったことに気がついた。そういえば朝学校で、「今日は優斗の誕生日だね。おめでとう。夜になったらプレゼントを用意するから、楽しみに待っててね」と言っていたな。
部活を終えた俺は真っ先に、学校を午前で早退し、午後からあった仕事を終えたばかりの真奈が待っている渋谷の高級レストランに向かった。このレストランは都内でもかなり有名なレストランであり、芸能人もよく訪れるという。時計の針は夜の8時になろうとしていた。そして、俺がレストランに着いた頃には、真奈はもうレストランの席に座っていた。
「優斗、遅いよ!彼女を待たせるなんて、彼氏として恥ずかしくないの?」
真奈は着いたばかりの俺にこんなことを言ってきた。とはいえ、「まあ私も仕事を切り上げて、ついさっき来たんだけどね」と言っていたが。
俺も真奈もステーキセットを注文した。ニューヨークやパリで修行をしてきたというシェフ自らが目の前でお肉を切り、お客さんの要望に応じた料理をしてくれる。そして、料理が出来上がると真奈は写真を撮り、食事中にも関わらず、頻繁にスマホを手に取る。食事はただ、純粋に美味しかった。国産の最高級ステーキだからかな。
そして1時間近くが経過し、2人が食事を食べ終えるかというところで店員さんがやってきた。
「相川様、バースデーケーキをご用意致しました」
店員さんは真奈の名前を言い個室から出たが、店員さんの言葉、そして「Happy Birthday dear Yuto 2019.9.10」と書かれたチョコレートが載せられたケーキ・・・その瞬間、俺は悟った。
「真奈、これって・・・」
そう俺が言葉を漏らすと真奈はこう言った。
「優斗、お誕生日おめでとう!!!」
真奈はそう言い、俺に誕生日プレゼントを差し出した。梱包されたプレゼントの中身を開けてみる。プレゼントの中身は、最新型の高性能パソコンだった。今までずっと欲しがっていたやつだ。そして俺は、
「ありがとう・・・俺、真奈が彼女で幸せだよ。ずっとこのまま、一緒にいたいな・・・」
と真奈に言い、
「私も優斗が恋人で幸せだよ。優斗のこと、一生大切にするからね・・・」
と真奈も全力の表情で俺に言ってくれたのは言うまでもない。




