プールへ行こう!
今回はあの後輩が登場します。
7月に入った。期末試験が終わり、金曜日にはすべての教科の結果が返ってきた。期末試験の結果は俺が1位で、杉浦が2位、瀬戸が3位。2人の悔しがる表情が、とても印象的だった。それだけで俺は満足している。
そして日曜日、俺は花ちゃんに誘われ、プールに行くことになった。向かった先は寮から徒歩10分くらいのところにある、この夏、新しくできたプール。当初は雨が予想されたが、かなり陽が照って、気温も高い。絶好のプール日和だ。そのせいか、オープン前からかなりの客が列を作っていた。俺は「雨予報だったし、ここ小さいプールだから、誰も来んだろうって思っていたわ・・・」とつい、花ちゃんに小言を漏らした。花ちゃんも「そうですね・・・人多すぎです」と言っていた。
そして、朝10時のオープンに合わせて、2人はそのまま自前の水着を用意し、それぞれの更衣室へと向かった。着替えが終わると、俺はシャワーを浴びプールサイドに向かった。規模はあまり大きくなく、流水プールとキッズプール、そしてウォータースライダーがあるくらいだ。そして程なくして、水着に着替え、シャワーを浴びたのか、少し濡れた花ちゃんが現れた。
「先輩のために、昨日渋谷で買ったんですけど・・・似合ってますか?」
可愛い!可愛すぎるぞ!西崎花!しかし、やっぱり花ちゃんはとっても可愛い。少し低い身長に、綺麗で長い黒髪。そして雪のように白く透き通った肌。『恋人』というよりは、『妹』や『娘』という感情が合致するのかもしれない。要は、花を誰よりも守らなくてはならない、保護者みたいな気持ちが俺にはあるのだ。
「うん、すごい似合ってるよ!」
「まあ真奈さんには敵わないでしょうけど」
「そんなことないよ!」
「ありがとうございます。お礼だけは受け取っておきます」
「うん。花の水着見た時、やっぱり可愛いなって思った。これは本当」
「そうなんですか?もしかして先輩、真奈さんだけじゃ飽き足らず、私にも・・・」
「なんでそうなるの?俺は真奈一筋だって!」
「もういいです。先輩は昔から、女癖が悪すぎます・・・」
なんか花ちゃんの気分を損なった気がする。かなりショック。穴があったら入りたい。でもすぐ花ちゃんは、「大好きな先輩に水着似合ってるって言われて、私、すごい嬉しいですよ」と内心落ち込んでいる俺に言ってくれたが。
花ちゃんの生の水着姿を見るのは久しぶりだ。中学以来?もしかして小学校以来かも。そしたら結構見てないな。昔はよく夏になると、秀太や梨加・みりあたちと近所のプールに出かけてたな。花ちゃんもよく誘って、一緒に行ってた記憶がある。そう思うと、時間の経過は早いものだ。
そう俺が考え込んでいるうちに、花ちゃんは流水プールに飛び込んでいた。水しぶきが俺にかかる。
「せーんぱい、早くプール入りましょうよー!」
「わかった!これから入るから!」
俺は花ちゃんにそう言われたので、プールに飛び込む。そして・・・
「そういえば先輩って、私の胸に飛び込まないんですか?」
「え?別に俺はそんな趣味なんて・・・つーか大体、俺には真奈がいるし」
「そうなんですか?私、先輩なら何されても大丈夫なのに・・・」
結局、俺は花ちゃんの胸に突っ込んだ。いや、突っ込まれたという方が正しいかもしれない。花ちゃんが俺に抱きつき、その影響もあって、僕の顔が花ちゃんの胸に入ったのだ。花ちゃんの胸は意外とある。一言で言えば・・・苦しい。ただそれだけだった。そして、2人で流水プールをしばらくの間、プカプカしていた。
「そういえばここ、ウォータースライダーあるじゃん。行こうぜ」
俺は花ちゃんをウォータースライダーに誘った。花ちゃんも「うん!行きましょう」と言って誘いに乗ってくれた。
「ちょっと先輩、どこ触ってるんですか・・・」
「なんか私のお尻に変な感触がするんですけど・・・」
まず花ちゃんが、そしてすぐ俺がすべり台から降りたのはよかったが、俺の手が花ちゃんの胸に、そして俺の下半身が花ちゃんのお尻に当たったようだ。花ちゃんは「まあ、相手が先輩ですから・・・」と言ってくれたが。
ウォータースライダーには3回乗った。そして思う存分遊んだところで昼食を食べることにした。時刻はもう昼の1時になろうとしていた。そろそろ昼食にしていい時間だ。
昼食はプールサイドにあるレストランで食べることにした。お昼ということもあって、結構混んでいる。結局、1時間ほど待たされ、俺はラーメンを、花ちゃんは焼きそばを注文し、食べたのであった。
そして昼食を食べると、俺と花ちゃんは流水プールに入った。今度は2人用の浮き輪で仲良くプカプカ。
「そういえば先輩って、真奈さんとよりを戻したんですか?」
「そう言えばまだ、付き合うって言ってないな。真奈から恋愛禁止だって言われたし」
「でも先輩、真奈さんと何回もデートしてますし、しかも真奈さんの家に行きましたよね?」
「・・・お前、なんで知ってんだよ!」
「言えません。でも、これが週刊誌に報道されたらどうなるかわかりますよね?」
「・・・」
「真奈さんどころか、優斗さんも社会的に死んだも同然ですよ?」
「・・・」
「優斗さんはもう真奈さんのことを諦めて、私と付き合うべきです!」
「は?なんでそうなるんだよ。お前、昔からたまに何を言ってるのかわからない時があるぞ」
「私は優斗さんのことが大好きです。だから付き合ってください」
「・・・ごめん、無理。俺、多分また真奈と付き合うと思う。夏休みには真奈と旅行行くし」
「先輩・・・」
「すまない。そろそろ帰ろっか・・・」
その時、花ちゃんは人目もはばからす泣いていた。その後、俺と花ちゃんはプールを出て、シャワーを浴びた後、着替えをするために一度別れた。俺が着替えを終えるとほどなくして、花ちゃんも戻ってきた。
「クシュン!」
「花、お前さっき泣いてたし、風邪でもひいたか?」
「いやいや、まだ暑くなる前にプールに入ったからだと・・・でも、楽しかったです!」
「そうだな。俺も楽しかったよ」
「そう言われると私もやっぱり嬉しいです。今日先輩を誘った甲斐がありました。私、新しい恋を探してみます!」
「そうか。頑張れよ」
帰り道、花ちゃんはまだ涙目になっていた。でも、花ちゃんは俺に最高の笑顔を見せていたのだった。
週1回はこの話、ちゃんと更新していきたいな・・・




