7月25日
7月25日、俺は朝から部活だった。午前中は演劇部の練習があり、昼食を経て、午後からは軽音楽部の練習があった。合宿に向けて部員はみんなハキハキしている。特に軽音部はボーカルの俺と日高はともかく、ベースの大沼・ギターの内藤・キーボードの福原・ドラムの山下、みんな素人の状態から始まったのにあっという間に上達していた。
そして夕方、部活動が終わった俺は寮に戻り、急いで着替えをし、荷物の準備をし、渋谷に向かった。渋谷駅に着いたのは夕方の5時半くらいだろう。駅を出て目的の雑居ビルに向かう。雑居ビルの入口前には帽子を被りメガネをかけ、大量の荷物を抱えた真奈がいた。
「優斗、やっと来てくれた!遅いよ~私、仕事終わってから1時間近く待ってたんだよ?で、今日が何の日かわかってるよね?」
真奈は俺にそう言ってきた。はい、わかってますとも。
そして雑居ビルに入るとエレベーターがあり、5階のレストランに入った。このレストランは都内でも有名なレストランであり、芸能人もよく訪れるという。真奈は店員さんに個室希望と伝える。そして店員さんが来ると注文をし、注文を終えると俺は個室の外に出て店員さんに小さく声をかけた。
「今日、彼女の誕生日なんで何かサプライズ的な物があればそれもお願いします」
俺は店員さんにそう言うと、店員さんは笑顔で応えた。
「ねぇ優斗、さっき個室から出て店員さんに何か言ったよね?」
個室に戻った俺に真奈は言う。すると俺は、
「ん?まぁな」
と返した。
そして十数分後、注文した料理が届いた。俺はステーキセットを、そして真奈はピザセットを注文した。料理が届くと真奈は写真を撮り、食事中にも関わらず、頻繁にスマホを手に取る。そして俺が食事を食べ終え、真奈も食事を食べ終えるかというところで店員さんがやってきた。
「渡辺様、バースデーケーキを用意致しました」
店員さんはそう言い個室から出たが、店員さんの言葉、そして「Happy Birthday」と書かれたチョコレートが載せられたケーキに真奈は反応する。
「優斗、これって・・・」
そう真奈が言葉を漏らすと俺はこう言った。
「真奈、誕生日おめでとう!」
俺はそう言い、誕生日プレゼントを真奈に差し出す。そして真奈は、
「ありがとう!やっぱり私の誕生日知っていたんだ・・・でも私、朝からみんなに誕生日祝われてケーキも食べたからケーキはもういらないかな」
と涙を出しながら言った。それでも真奈はケーキを1カットだけ食べたが。で、残ったケーキはすべて俺が食べる羽目になった。
俺と真奈は夕食とケーキを食べ終えると、寮に戻った。寮に戻ると真奈は自分の部屋に戻った。俺も部屋に戻り、風呂に入る。そして俺が風呂から出て着替えを済ませ、明日も朝早いしそろそろ寝ようとしていた頃、寝間着姿の真奈が突然部屋にやってきた。寮に戻ってから2時間が経ち、時刻は夜の11時を回っていた。
「真奈、俺に何の用だ?」
俺は真奈にこう言った。すると真奈は、
「さっきはありがとう・・・」
と言った。そして真奈は次にこう言った。
「渡辺優斗くん、私と付き合ってくれますか?」
俺は真奈のその言葉を聞き、顔が赤くなった。
「・・・うん、ちゃんと付き合おうか」
俺は真奈にそう言う。そして真奈と互いに顔を合わせ、唇が触れあった。それは脳が溶けるような、柔らかい感触だった。そして真奈は、「ダーリン、ありがとう!今日は楽しかったよ!」と言い、自分の部屋に戻った。




