若井遥の初恋②
前話の続きです。引き続き遥視点。
そして日曜日。昨晩は帰宅後、風呂や録画したテレビを見ていた。そのせいか寝たのは結局2時過ぎ。で、目が覚めた時には朝の10時を回っていた。そして、スマホを見るとすでに渡辺くんからLINEが来ていた。
「今寮を出ました。10時半頃には大宮に着くと思います」
私は焦った。今から着替えて支度もしたらとても10時半には間に合わない。どうするべきか・・・
「実は私、今起きたばかりで・・・家に直接来てください。両親は朝から出かけてます。とりあえず地図を載せます。マークした地点付近で若井という表札があったらそこが私の家です」
私は渡辺くんにこうLINEを送った。その間、私は着替えをし、母親が作った朝食を食べた。そして11時少し前、私が急いで部屋の掃除をしている途中で、家のインターホンが鳴った。私はインターホンを鳴らしたのが渡辺くんだと確認すると、「入っていいよ」と言った。
渡辺くんは玄関に上がると、私に「おはよう」と挨拶をしてくれた。そして私は2階の部屋に渡辺くんを案内する。
「ちょっと汚くてごめんね・・・」と私は渡辺くんに一言言う。すると渡辺くんは、「別にいいよ」と言ってくれた。
「ところでお前、何の用だ?彼氏でもねーのに家に入れるなんて」
と、渡辺くんは言う。
「実は私、渡辺くんにどうしても言いたいことがあって・・・」
「ん?」
「渡辺くんは、真奈ちゃんと和美ちゃんについてどう思ってるの?」
「どう思ってるって・・・2人とも可愛いよな。アイドルはやっぱり何か違うって言うか・・・」
「あ、やっぱりそう思ってるんだ・・・けど私も可愛いなって思ってるね。私とは何か違う物を持っているというか」
「いやいや、若井だって可愛いよ!それにお前だって、最近よくテレビや映画に出てるじゃん。2人に負けていないと思うよ」
「ありがとう。やっぱり渡辺くんは優しいんだね・・・」
私はそう言うと、ふと一瞬魔が差したのか、つい渡辺くんを押し倒した。
「おい、何するんだ!若井・・・」
渡辺くんが一言言う。でも・・・
「今、こうしているだけで幸せ。私、渡辺くんが好きなの・・・心の底から。そして、世界中の誰よりも」
私、ついに言えた・・・!!
「えっ・・・」
「あっ、返事は後でいいから!やっぱり2人には負けたくないの・・・」
2人の息が徐々に荒くなっていく。私が今着ている部屋着は真っ白なTシャツと短いスカート。ブラ透けてるかな、パンツ見えてないかな・・・
「・・・渡辺くんって、真奈ちゃんとキスしたでしょ。裕奈ちゃんから聞いたの」
「・・・バレたか。でもフッたよ」
「そうなんだ。でも私はまだ・・・」
そして、私と渡辺くんの唇が一瞬触れ合った。一瞬、何が起こったのか私にすらわからなかった。ただ唯一わかったことは、渡辺くんの少し固いような柔らかいような唇の感覚。
「・・・何をするんだ、若井!」
渡辺くんが起き上がり、私に言う。そして私は、
「遥って呼んで・・・私も優斗って呼ぶから」
と言った。
「それは別にいいけど、何か俺の周りの女って、なんかデリカシーのない女ばっかっていうか・・・」
「そう、なんかごめん・・・私、相手のこと考えてなかった」
「別に謝らなくていいよ。慣れてるから」
優斗はこう言ったけど、すぐにハンカチで自分の唇を拭いた。そして、沈黙が数分間続いた。時計の針を見るともうすぐ12時になる。
「・・・そろそろお昼だね。優斗は昼御飯どうするの?私はお母さんが用意してくれたご飯を食べるけど」
「俺?どうしようかな。コンビニで何か買ってくるか。ちょっと昼買いに行ってくるわ」
優斗はそう言って、私の家を一度出た。




