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犯罪者クラス~目には目を、歯には歯を、犯罪者には犯罪者を~  作者: 86


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Episode-3 Rank & Group

「まず初めにお前たちに言っておくことがある」


 五十嵐先生はクラス中を見回しながら言葉を発する。


「お前たちは人間のクズだ。ゴミだ。それを覚えておけ」


 静かにしかしそれでいてよく通る低い声がクラスに響き渡る。


 その声に対して一瞬クラス全体が静まり返ったが、間が空いて口々に先生に向かって罵詈雑言を浴びせる。


 まさしくそれは下品としか形容しがたいものであるが、これが治安が悪いクラスとしては当然なのかもしれない。


 一部の生徒たちは全くそれらに興味ないのかスマホ触ったり本を開いたりしているが、これらを見るにまともに教師の話を聞こうとする生徒は誰1人としていない。


 そして少し騒々しいなと思ってきたあたりでパァンッと普段は聞き慣れないはずの銃声が耳に入り、クラス全体が静まり返る。


 五十嵐先生が教室の天井に向かって銃を放ったのだ。


 周りを見てみるとこの教室はただボロいだけではなく、銃痕や血痕がそこら中にあったり戦闘の形跡が残されている。


 つまりこの教室において生徒が死のうがこのクラスの運営者にとっては瑣末な事なのだろう。


 改めて無法地帯なのだと痛感する。


「一旦静かにしろ。俺の話を聞け」


 再び五十嵐先生の低い声が教室に響き渡り、皆口を閉じる。


 少数だが銃を見て動揺している者もいるが、大半が銃を見たところであまり気にした様子はない。


「それで最初は自己紹介を、というのが普通の学校だろうが正直このクラスにおいて自己紹介は不要だ。自己紹介というのはお互いの事をよく知り仲良くする為にある。しかしお前らに仲良しこよしなどは必要ない。分かったか?」


 五十嵐先生の言葉に対し頷く者もいれば、相変わらず話を聞く気がない者、他事をしている者、寝ている者など反応は様々である。


 俺は比較的真面目に話を聞いてはいるがパンフレットに目を通しておけば理解できる事なのであまり集中して話を聞いてはいない。


「……まず机の中にある端末を取り出せ」


 先生はそんな適当な態度の生徒たちに怒る事も呆れる事もなく、ただ淡々と己の教師としての役割を実行する。


 俺たちは各々頭に疑問を浮かべながら机の中から端末を取り出す。


 一見スマホのようにも見えるが、電源を入れてみるとそこにはとある画面が表示された。


「電源は点けたか?そこにはこのC組、1年から3年までの全員の犯罪経歴が事細かに書かれている。また個人の危険度をE級からS級で勝手にランク付けをしたりもしてある。一つ言っておくならこの学校にS級は合計5人、このクラスには2人いる事を覚えておけ」


 俺は先生の言葉を聞きながら適当に触ってみる事にする。


 まず表示されたのは1年生から3年生という学年だった。


 1年生の部分をタップすると今度は出席番号順に名前が表示される。


 試しに自分の名前のとこをタップするとそこには俺の犯罪歴について事細かに書かれていた。


 正直見ていて気分がいいようなものではなかったが、自分のページの左下にS、右下にAという英文字が見える。


 これはなんだろうと思っているとちょうど先生からの説明があった。


「ちなみに各ページの左下にある英文字がランク、個人としての危険度を表している。これに関してはこの学校の生徒だけではなく、野良の犯罪者に対しても同じように表記するため大体の基準は覚えておいた方がいいだろう。それで右下の英文字だが、これはグループを表している。主に同じ英文字のグループの人間は共に行動する事を意識しろ」


「先生、少し質問いいですか?」


 そこで1番廊下側の列の前から2番目の席に座る金髪の見た目優男なヤツが手を挙げた。


「……質問を許す。話せ」


「ありがとうございます」


 そう言って優男は席を立った。


 見た目は金髪で清潔感があり、まさしくイケメンという感じであった。


 あまり犯罪に手を出しそうな見た目をしていなかったためこんなヤツも犯罪者なのか、と1人で少し驚いている間に優男は話し始める。


「それで先ほどのランク分けについてなのですが、基準等教えてもらってもよろしいですか?」


 先生が答えてくれるかは別問題として質問としては至極当然な部類だろう。


 優男の質問に対して先生は一瞬考えるそぶりを見せてから口を開いた。


「……その程度であれば簡単に答えてやる。まず基準値としているのはB級だ。E級からC級も犯罪を犯している事に変わりはないが、こちらはまだ危険度が低いと思っている。しかしB級以上は要注意人物扱いとされている。主に人を殺していたり、被害が大きかったりする者は漏れなくB級以上にしている。分かったか?」


「……はい、ありがとうございます」


 五十嵐先生の受け答えはあまりパッとしないものであったが、優男はそれで満足したらしく笑みを浮かべてから席に座った。


「それじゃあ話を戻す。確かグループ分けのところの話だったな。グループにはA班からD班に分かれ、基本班のメンバーと行動してもらう事が多くなるだろう。端末に表示される自分のページから班員は分かるはずだから、後で各自確認しておけよ。それと今週中にそれぞれの班の班長は決まったら申し出るように」


 先ほどから淡々と喋り続けていたせいで少し疲れたのか、五十嵐先生は近くに置いてあった鞄の中からペットボトルの水を取り出し喉に含んだ。


「とりあえずランクとグループについては以上だ。分からない事があったら後で個別に聞きに来い。俺が答えれる事なら答えてやる」


 そう先生は言ってから鞄の中から俺が今朝見たのと同じパンフレットを取り出した。


「それじゃあ次はこの学校、いやこのクラスのシステムについて話していきたいと思う」

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