第十一話 こいつは本当に大丈夫なのか。
私の名前は「井伊奴杉太郎」。井伊奴杉太郎だと男を想像するが女の子です。「小野妹子」みたいなものだと考えてちょうだい。
私は放送部に入っている。なぜなら、放送部は唯一スクールカースト形成があんまりされないからだ。
部員も少ない、上下関係も必要ない、ゆるい部活である。ならなぜ、私みたいな「上の立場になるのが好き」のようなタイプが「スクールカーストが形成されない場所」にわざわざ行くのか。
それは、「年月の変化」と「地頭のいい人を観察」するのが面白いからだ。
そもそも、放送部に入る理由は大きく分けて2つある。
「放送をしたい」か「友達が入ったから」である。
これが「年月の変化」と関係する。
例えば「友達が入ったから」という層は、
一緒に「友達」としか喋れない。なぜなら、
「友達以外別に話さなくていいじゃね?」と思うからである。そして、「友達が入ったから」という層と「放送をしたい」という層の間で小規模だが「スクールカースト」が形成される。
「友達と話す層(1軍)」と「放送仲間で話す層(2軍)」で形成される。だがスクールカーストが形成されから「スクールカーストの上=放送が上手い」というのは関係ない。むしろ「放送仲間で話す層」が放送をする方法を話し合うため放送が上手くなる。
だから、「友達が入ったから」という層は「放送仲間で話す層(2軍)」から孤立し1ヶ月から3ヶ月で退部する。
その過程を見るのが面白い。だから、私と一緒に入った友達は今日退部した。
それが面白い。この過程が終わったら
「スクールカースト」は消滅し
「普通の放送部」へ変化するのだ。
これは放送部全て当てはまるわけではない。大規模な放送部にはスクールカーストが形成されている。
スクールカーストが形成されない条件は
「小規模な部活」のみ当てはまる。
小規模な部活ほど知能が高い傾向であるのではないかと私は予想する。その予想が本当に合っているかを確かめるためにこの放送部に入ったんだ。
…しかし、先からあの男が睨見つけてくる。なんだあいつ。こういうときは質問しよう。
「あれ?なんか用でしょうか?」
「いや、用というわけではないが。なんかあんたらといつもいる仲間がいなくてさ心配になった。いや勝手にそのことを知っていてすまん。人間観察という趣味をもっているせいで分かるんですよ…きもくてすみません。」
「ぷっ…」
不覚にも笑ってしまった。だがしかし、この人の話共感できる。面白い。
「…いや確かにキモい。あんたはキモイだが、」
「その理論でいけば私もキモいとなるよ。」
「いや別にあんた…え?」
ただ同時に同じ考えだからこそこいつは友達になったらまずいと思う。
続く




