02*先生
今回はシリアスなところが少ないです。少し笑いに走ったかも…(とか言って全然面白くないんですがw)。先生が登場しますよ!お楽しみに!
「………」
沈黙。星華と愁也はお互い逸らしていた。気まずい雰囲気が漂う。何か話さなきゃ。再会したのに、此の侭じゃ黙ってしまうだけ…。そう思って星華は口を開いた。
「ね、ねえ。如何して愁也は此処に転校することになったの?」
「あ。それは、父さんが前の場所は暑苦しいとか言って、それで戻ってきた」
「…そうなんだ」
星華は思い出した。3年前のあの時から、私達はバラバラになってしまった。私だけ此の町に残った。それから、もう会えないと思ってたのに…。
不意に涙が出そうだった。星華は涙を拭って立ち上がった。
「愁也っ! 久しぶりに会ったんだからさ! どっか行こうよ!!」
「どっかって…。今日は普通の登校日だぞ?」
「大丈夫!! うちの高校変なの! 大学みたいに好きな日に勉強しに来るんだよ」
「変っていうより通信制だよな、それ」
「へえ~! そういう風に言うんだ。始めて知った」
「おいおい…」
愁也は呆れたが、笑った。懐かしいな、こういう話。3年前に戻った感じだ。星華は全く変わってないように振舞ってんだろうけど、目の奥が暗い。ずっと引きずっているのか…。
「? 如何したの愁也。置いてくよ?」
「ん…。ああ、ごめん。今行く」
本当は、今日みんなに挨拶する筈だったんだが…。まぁ良いか。新鮮だし。愁也はさっさと歩いて行く星華を追いかけた。
「で、何処行きたい?」
取り敢えず町の中心部に来た星華は愁也に訊いた。
「じゃあ星華んち」
「ええ! 駄目だよ。散らかってるし!」
「くくっ。冗談」
「ちょっ…! てか愁也人をからかうの昔から変わってないよね!?」
「変わってたら良かったのにね」
愁也はにっこり笑う。
「あ! ほらその黒い笑み! ドSだ~」
「星華は相変わらずMだな」
「違う!!!!」
星華の必死の反抗もいとも簡単に引っくり返される。やっぱり愁也には敵わない。
不意に夢を思い出す。愁也、何か知ってるの? 亜美は何処? 会いたいと思う?
聞きたいことが積りに積ってる。
こんな風に再会するなんて。
こんな偶然、ない。
「…愁也」
「ん?」
星華は言い難そうに顔を下に傾ける。喉のすぐそこまで来ているのに、言えない。声が出ない…あと少しなのに。
そんな星華を見て愁也は自ずと分かった。星華、3年前のことを…。
星華は、深呼吸して息を吸う。愁也は星華の言葉を待つ。
「ねえ。愁也は」
“プッ”
突然の車のクラクションに驚く2人。星華は続きを言えない。
車をみるとショートの髪、眼鏡、綺麗な顔で、明らかに25歳位の女性がいた。
星華は慌てた。
「せっ先生!?」
星華は顔に冷や汗が走るのを実感した。中の女性は助手席に身を乗り出して、窓を開けた。
「星華さん?」
女性は星華を見て言った。星華は顔を顰めて答える。「はい…」
「どうして此処に…あら」
女性は愁也に今気づいた。
「見慣れない制服ね…。あ。もしかして貴方今日転校してくる子?」
愁也は大人の美しい女性に見つめられると照くなる。ことを星華は幼いころから知っている。
案の定愁也は照れていた。
「あ…。はい。柏木愁也っていいます」
いつも冷静なくせに、大人の女性には態度が違う。星華は少しイラっとしてしまった。
「愁也? この人先生だよ?」
星華はちょっとだけ愁也を睨んで言った。
「あっ。そうなんですか! とても美しいです!」
あ! また煽てた。星華は愁也のこういう所も昔から知っている。
「ふーん。君良いこと言ってくれるじゃん。あんまり女性に媚売っちゃ駄目よ?」
「せっ、先生!」
星華は思わず叫んでしまった。何故なら先生は色気を使って、そのbigなbustを愁也に谷間が見える様に前に乗り出したから。
「どうしたの星華さん」
「星華?」
生徒に色目使わないで下さい! 愁也が変態になります! なんて言える筈もなく、何でもないと言ってしまう。
「まぁとにかく、よろしくね愁也くん。私は及川翠」
握手を求めてきた翠先生は笑顔だった。
愁也は照れて握手する。
星華はその様子をムスッとしながら見ていた。
「で、貴方達は如何して此処に居るの?」
星華はギクッとする。ヤバい。何とかやり過ごさなきゃ!
「あ、白雪高校って通信制なんですよね。さっき星華から聞き」
星華は後ろから手を回して愁也の口を塞いだ。
「ふぁいふんだ!? ほへふぇんなこひょいっはは?」
星華は愁也の言ったことが分かった。
『何すんだ!? 俺変な事言ったか?』だ。
翠先生が何かを感じ取ったように星華を見つめる。
「星華さん。我が高校は列記とした通常高校よ? 星華さん、貴女まさかとは思いますがサボろうとしたんじゃないでしょうね?」
翠先生は薄笑いを顔に浮かべた。
「そっそんなことは滅相も御座いません!!」
翠先生は血管が1つ切れたようだ。
「じゃあなんでこんな時間にここにいるのよ―――――――――――!!!!!」
「うう…。ごめんなさい…。もう二度としません…」
星華は半ベソをかいて車の後部座席にいた。
何故車に乗っているかというと、今から数分前に遡る。
星華に拳骨一発喰らわせた翠先生は言った。
「この儘此処に居ても如何もならないし、私の車に乗って学校行くわよ」
「いっ良いんですか!?」
大人女性の車に乗るのは初めてなのだろう。愁也は眼を輝かせた。
「今回だけは特別よ」
随分短い回想だったがこんな感じで現在車にいる。
「貴方達仲良いわね。知り合い?」
不意に質問した翠先生。星華が少し考えてから、笑顔で答える。
「あ、私達幼馴染なんです。3年前にバラバラになっちゃったんですけど、今さっき再会しました」
「あらそうなの。再会できて良かったじゃない」
翠先生の声は星華達には届かなかった。“3年前”という言葉に愁也は反応した。星華は横目で愁也の反応を窺う。愁也は…覚えてるのかな…? 覚えてないのかな? でも「忘れよう」って言ったのは愁也だし…。
星華がもんもんと考えていると翠先生は急に言った。
「そうだ。貴方達、3年前の少年の事件知ってる?」
星華と愁也は驚いて目を顔を上げる。
「え?」
先生は、私達の想像を遥かに飛び越えた事を言った。
読んでくれて有難う御座います!
愁也の素顔が見えましたね…w
先生はかなりイメージがつきにくいと思いますが、どうか気に入って下さい^^;
次回は来月中に!では~




