表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの時間をもう一度  作者: ゆうき
第二章 もうひとりの私へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/91

第10話「二つの人生」中編 近づく


 夕暮れの鐘が鳴り終わっても、アムはしばらく古い頁から目を離せなかった。


 窓の外では、昼の名残を引きずるような橙色が屋根の向こうへ沈み始めている。図書室へ差し込んでいた光も少しずつ弱まり、古びた文字の輪郭だけが薄暗さへ溶けていった。


 ――長く分かたれた魂は、再会によって均衡を失う。


 読み違いではない。


 何度見直しても、そこには同じ意味が記されている。


 アムは頁の端へ指を置いたまま、ゆっくりと息を吐いた。


「今すぐ、二人を引き合わせた方がいいのかな。」


 独り言に近い声だった。


 向かいに座っていたゆうきは、しばらく考えてから本を閉じた。


「それは、アムにも分からないんだよね。」


「うん。再会すれば魂が共鳴する。でも、その先に何が起きるかは書かれてない。」


 文献には、分かたれた魂が再び惹かれ合うことまでは記されていた。


 だが、元へ戻るのか。


 そのまま二つの存在として生き続けるのか。


 あるいは、片方だけが残るのか。


 肝心な部分は、破れた頁と共に失われていた。


「無理に会わせるのも違う気がする。」


 アムは本を閉じ、表紙へ手を添えた。


「二人とも、別々に二十四年を生きてきたんだよ。元が同じだったとしても、今の二人まで同じだって決めつけることはできない。」


「そうだね。」


「それに、うちが真実だと思ってるだけで、まだ仮説だから。」


 ゆうきは頷き、椅子から立ち上がった。


「だったら、まずは伝え方を考えよう。」


「伯爵に?」


「うん。ハナたちがどこにいるかは分からないけど、アイはここにいる。少なくとも、何も知らないまま危険な目に遭わせるよりはいい。」


 アムは少しだけ視線を落とした。


 伝える。


 その選択には責任が伴う。


 もし自分の推測が間違っていれば、アイへ余計な期待を抱かせるかもしれない。


 逆に黙っていれば、二人の身体へ何が起きるか分からない。


 長く生きてきても、答えが見つからないことはある。


 そういう時、アムはいつも一人で抱え込もうとしてきた。


 けれど今は、隣にゆうきがいる。


 答えを決めてくれるのではなく、迷うことを許してくれる親友が。


「……伯爵さんに話そう。」


 顔を上げたアムの声には、まだ僅かな迷いが残っていた。


「ただし、真実だとは言わない。可能性だけを伝える。」


「分かった。」


 二人は古書を丁寧に布で包み、図書室を後にした。


     ◇


 伯爵の執務室では、リクが集めた報告を読み上げていた。


「市場周辺で確認された一団は、少なくとも十名以上。複数の場所へ分かれて行動しており、一般の冒険者にしては統率が取れています。」


 机へ広げられた街の見取り図には、いくつもの印が付けられている。


 商店前。


 宿屋の裏手。


 北門へ続く通り。


 昨日、灰狼傭兵団の者と思われる人物が目撃された場所だった。


「傭兵か。」


「その可能性が高いかと。」


 リクは地図の一点へ指を置いた。


「ただし、街へ危害を加えた形跡はありません。情報収集に徹していたようです。」


「令嬢を狙っていた可能性は?」


「否定はできません。」


 伯爵は椅子へ深く腰掛け、指先で机を軽く叩いた。


 危険人物であるなら捕らえるべきだ。


 領主として考えれば、答えは単純だった。


 だが、昨日のアイの様子を思い返すたび、その単純な答えへ踏み切れなくなる。


「お父さん。」


 扉の外からアイの声が聞こえた。


「入っていい?」


「ああ。」


 扉が開き、アイがサーヤを伴って部屋へ入る。


 昼間より表情は落ち着いている。


 それでも、胸の前で重ねられた指には僅かな力が入っていた。


「話があるの。」


 伯爵はリクへ目を向ける。


 退出させるべきか迷ったが、アイは小さく首を横へ振った。


「リクにも聞いてほしい。」


 部屋の中央まで歩み、父の前へ立つ。


「昨日会った子を探したい。」


 言葉はまっすぐだった。


 朝には胸の内へあった願いが、ようやく行動へ変わったのだ。


 リクの表情が僅かに険しくなる。


「危険です。相手は旦那様へ敵意を持っている可能性があります。」


「分かってる。」


「お分かりなら、なおさら――」


「でも、危険だから知らなくていいとは思えないの。」


 アイは声を荒らげなかった。


 ただ、目を逸らさずにリクを見る。


「私は守られてきた。お父さんにも、サーヤにも、リクにも。この街の人たちにも。」


 言葉を選ぶように、一度息を吸う。


「だからこそ、守られなかった人のことを知らないままでいたくない。」


 リクは返す言葉を失った。


 アイは優しい。


 それは誰もが知っている。


 だが、その優しさは決して何も知らない無邪気さではない。


 知ろうとする強さを伴っている。


 伯爵は娘を静かに見つめた。


「もし、その少女がお前を利用しようとしていたらどうする。」


「それでも、まずは話す。」


「剣を向けられたら。」


「怖いと思う。」


 アイは正直に答えた。


「でも、怖いからって、その人の人生まで無かったことにはしたくない。」


 執務室へ静寂が落ちる。


 窓の外では、夜へ向けて風が少し強くなり始めていた。


 伯爵は目を閉じる。


 領主として、娘を危険へ近づけることは許せない。


 父親としても同じだった。


 それでも、この願いを力で止めれば、アイが幼い頃から探し続けてきたものを、自分の手で遠ざけることになる。


「……分かった。」


 低い声が静かに響く。


「ただし条件がある。」


 アイの表情が僅かに明るくなる。


「単独では動かない。リクとサーヤを伴うこと。ゆうき殿とアムネジア殿にも同行を頼む。」


「うん。」


「相手が危険な行動を取った場合、私は領主として対処する。」


 一瞬だけ、アイの瞳が揺れた。


 それでも、ゆっくりと頷く。


「それでいい。」


 伯爵はリクへ目を向けた。


「少女を探せ。捕縛ではない。接触を目的とする。」


「……承知しました。」


 納得したわけではない。


 それでもリクは一礼した。


 自分の役目は、アイを止めることではなく、守ることだ。


 ならば、たとえ敵の前へ進むことになっても、その隣へ立つしかない。


「それと。」


 伯爵が言葉を続けようとした時、扉が叩かれた。


「伯爵さん。うちです。」


 アムの声だった。


     ◇


 机の上へ置かれた古書を前に、部屋の空気は先ほどまでとは違う緊張へ包まれていた。


 アムは文献の内容を一つずつ説明した。


 魂が極限の衝撃によって分かたれること。


 それぞれ別の人生を歩む可能性があること。


 再会すれば、互いを求めて共鳴すること。


 ただし、あくまで古い伝承であり、確証はないこと。


「アイとハナが元は一人だった……。」


 アイは椅子へ座ったまま、呆然と呟いた。


 驚いているはずなのに、完全には否定できない。


 むしろ、胸の奥にあった欠落が初めて言葉になったような感覚があった。


「まだ決まったわけじゃないよ。」


 アムは向かいへ座り、慎重に言葉を重ねる。


「似た現象が起きているだけかもしれない。だから、うちも断言はできない。」


「でも。」


 アイは胸へ手を添える。


「もし本当なら……私はずっと、あの子を探してたのかな。」


 誰かが足りない。


 忘れている誰かがいる。


 幼い頃から抱えてきた感覚。


 その空白の向こうに、黒髪の少女が立っている。


「それは、アイちゃん自身が確かめるしかないと思う。」


 アムは答えを与えなかった。


「元々同じ魂だったとしても、今の二人は二十四年を別々に生きてきた。どっちかが偽物ってことにはならないから。」


 アイはゆっくりと顔を上げる。


 その言葉が、何より胸へ残った。


 ハナの人生も本物。


 自分の人生も本物。


 どちらかを否定しなくていい。


「会って、話したい。」


 先ほどより静かな声だった。


「その上で、あの子が何を選ぶのか知りたい。」


 アムは小さく頷く。


「うん。」


 伯爵は黙ったまま古書を見つめていた。


 もし、この話が真実なら。


 自分が討伐した盗賊団の生き残りは、娘の失われた半身だったことになる。


 領主として下した判断が、知らぬ間に娘自身を傷つけていた。


 そこまで考えたところで、指先へ力が入る。


 だが、後悔だけで過去は変わらない。


 ならば今できることは、逃げずに向き合うことだけだった。


「リク。」


「はい。」


「夜のうちに捜索態勢を整えろ。ただし兵を大きく動かすな。相手を刺激する。」


「少人数で?」


「ああ。こちらが捕らえるつもりではないと示す必要がある。」


 リクは一礼し、部屋を出ていく。


 その背中を見送りながら、ゆうきは窓の外へ視線を向けた。


 街灯が一つずつ灯り始めている。


「向こうも、同じことを考えてるかもしれない。」


 その言葉に、全員の視線が集まった。


「ハナも、アイに会おうとしてるかもしれないってこと?」


 アイの問いに、ゆうきは頷く。


「昨日、あの場で立ち止まったのはアイだけじゃなかった。ハナも同じだったから。」


 復讐を否定することはできない。


 失った者にしか分からない痛みがある。


 それでも、ハナが今も復讐だけを見ているなら、昨日あの場で剣を止めることはなかったはずだ。


「だから、無理に探し回るより、相手が動きやすい場所を作った方がいいかもしれない。」


「場所?」


「人が多すぎず、兵士に囲まれないところ。」


 伯爵は少し考え、街の地図を広げた。


「西区画の古い礼拝堂。」


 今は使われていない小さな建物だった。


 市場からも近く、裏手には森へ抜ける道がある。


「かつて旅人が祈りに使っていた場所だ。周囲に民家も少ない。」


 アムは地図へ目を落とす。


「そこで待つ?」


「相手がこちらを探しているなら、目に入る形で情報を流す。」


 伯爵はアイへ視線を向ける。


「お前が明日の朝、礼拝堂へ行くと。」


「罠だと思われないかな。」


「だから兵は置かない。」


 リクとサーヤ。


 ゆうきとアム。


 それだけなら、警戒されても逃げ道は残せる。


 アイは地図の礼拝堂を見つめ、静かに頷いた。


     ◇


 同じ夜。


 灰狼傭兵団の野営地では、120が作戦の変更を正式に伝えていた。


「伯爵邸への侵入は延期する。」


 広げられた地図を囲み、きたまくら、くらら、ハナが耳を傾ける。


「街へ入る人数も絞る。第一部隊から二名、第二部隊から二名を外周へ配置。私たち三人とハナで接触する。」


「正面から会いに行くの?」


 くららが問い掛ける。


「相手が接触の意思を見せればな。」


「見せなかったら?」


「情報を集める。」


 120は市場周辺へ印を付けた。


「伯爵令嬢がハナを探しているなら、必ず何らかの動きが出る。使用人、兵士、商人。情報は人を通じて流れる。」


 きたまくらは地図を眺めながら顎へ手を当てる。


「向こうもこっちを警戒してる。大人数で動けば逃げられるな。」


「だから少人数です。」


「ハナは?」


 きたまくらが本人へ視線を向ける。


「街へ入れるか。」


 問い掛けは体調ではなく、覚悟を確かめるものだった。


 ハナは短剣の柄へ触れた。


 家族を奪った伯爵領。


 兵士の姿を見るたび、胸の奥には今も怒りが浮かぶ。


 その感情は消えていない。


 消すつもりもなかった。


「行ける。」


「復讐はどうする。」


 きたまくらの声は静かだった。


「会ってから決める。」


 以前なら口にできなかった答えだった。


 復讐する。


 その言葉だけを支えに生きてきた。


 今も、伯爵を許したわけではない。


 それでも、知らないまま剣を振るうことだけはできなくなっている。


 きたまくらはゆっくり頷く。


「なら、そうしよう。」


「反対しないの。」


「俺が決めることじゃない。」


 焚き火へ薪を一本くべる。


「俺たちはお前の復讐を請け負った。でも、お前の人生まで請け負ったわけじゃない。」


 炎が大きく揺れ、四人の顔を照らした。


「選ぶのはお前だ。ただし、選んだ後で一人にするつもりもない。」


 くららが嬉しそうに笑う。


「そうそう。何選んでも、ご飯はちゃんと食べてもらうからね。」


「そこ?」


「大事だよ。」


 ハナは僅かに口元を緩めた。


 120はその様子を見た後、何も言わず地図へ視線を戻す。


 感情は情報の一つ。


 そう考えて再接触を選んだ。


 だが、今はそれだけではない。


 ハナが自分の意思で答えを探そうとしている。


 その選択を守ることも、作戦の一部に加えていた。


「明日の朝、街へ入る。」


 120が地図を丸める。


「今夜は休め。判断力が落ちた状態では接触させない。」


「分かった。」


 会議はそれで終わった。


 団員たちがそれぞれの持ち場へ戻っていく中、ハナだけは火の前へ残った。


 炎の向こうに、アイの姿が浮かぶ。


 もう一度会えば、何かが変わる。


 その予感は、怖いほど確かだった。


     ◇


 翌朝。


 街の門が開くと同時に、灰狼傭兵団の四人は人混みへ紛れた。


 きたまくらは旅商人に見える外套を羽織り、くららも普段より目立たない服装へ着替えている。120は髪をまとめ、視線だけで周囲を確認していた。


 ハナは深くフードを被り、三人の少し後ろを歩く。


 昨日とは街の見え方が違った。


 道幅。


 兵士の数。


 逃走経路。


 以前なら、それだけを確認していた。


 今は、人の顔を見てしまう。


 黒髪ではない少女。


 背丈の似た女。


 白い服を着た誰か。


 自分が探していることに気付くたび、胸の奥が僅かに熱を持った。


「右の屋台。」


 120が小さく告げる。


 くららが自然な足取りで屋台へ近づき、果物を一つ手に取った。


「これ、おいくらですか?」


「二つで銅貨三枚だよ。」


「じゃあ二つ。そういえば、今朝から兵士さん少なくない?」


 何気ない口調だった。


 店主は警戒することもなく答える。


「ああ、何でも伯爵家のお嬢様が西の礼拝堂へ行くらしい。護衛を増やすと目立つからって、街中の巡回を少し変えたんだと。」


「お嬢様が?」


「若い娘を探してるらしいよ。昨日の市場にいたとか何とか。」


 くららは果物を受け取り、笑顔で礼を言った。


 少し離れた場所へ戻ると、120へ小声で伝える。


「西の礼拝堂。アイちゃんが来るって。」


「情報の流れ方が不自然に早い。」


 120は街路の先へ視線を向ける。


「意図的に流している。」


「罠?」


 ハナが尋ねる。


「可能性はある。」


 短く答えた後、120は続ける。


「だが、兵士の配置が減っているという情報まで同時に流している。捕縛目的なら不自然だ。」


 きたまくらが小さく笑う。


「向こうも話したいってことか。」


「断定はできません。」


「行くんだろ?」


「行きます。」


 迷いのない返事だった。


 四人は西区画へ向けて歩き始める。


 道を進むほど市場の喧騒は遠ざかり、人通りも少なくなっていく。


 ハナの胸の奥では、《共鳴》とは違う微かな音が鳴り始めていた。


 まだ遠い。


 それでも、確実に近づいている。


 歩幅が無意識に早くなる。


「ハナ。」


 きたまくらの声に、足を止めた。


「急ぐな。」


「……うん。」


 深く息を吸う。


 焦れば、また周囲が見えなくなる。


 今度は自分の意思で会う。


 昨日とは違う。


 そう言い聞かせながら、再び歩き出した。


     ◇


 古い礼拝堂は、街の外れにひっそりと残っていた。


 白かったはずの石壁は風雨に晒され、ところどころ蔦に覆われている。小さな鐘楼には鐘もなく、扉の上へ刻まれた紋章も年月によって薄れていた。


 それでも内部は掃除されていた。


 割れた窓から朝の光が差し込み、長椅子の上へ斜めの影を落としている。


 アイは祭壇の前へ立ち、両手を胸の前で重ねていた。


 隣にはサーヤ。


 入口近くにはリクが立ち、外の気配へ神経を向けている。


 ゆうきとアムは少し離れた長椅子へ腰掛けていた。


「緊張してる?」


 ゆうきの問いに、アイは小さく笑う。


「してる。」


 隠しても仕方がない。


 胸の奥は、朝から落ち着かなかった。


「でも、来てほしい。」


「来ると思うよ。」


 ゆうきは静かに答える。


「ハナも、昨日のままでは終われないはずだから。」


 アイは礼拝堂の扉へ視線を向けた。


 外から風が吹き込み、床へ落ちていた小さな葉を転がしていく。


 胸の奥で、微かな震えが強くなった。


「……来る。」


 誰かの気配を見つけたわけではない。


 足音もまだ聞こえない。


 それでも、分かった。


 《共振》が反応している。


 指先まで伝わる、小さな震え。


 昨日よりもはっきりしている。


 アムも同時に立ち上がった。


「アイちゃん?」


「近い。」


 その声へ応えるように、礼拝堂の外で砂利を踏む音がした。


 一歩。


 また一歩。


 リクが剣の柄へ手を掛ける。


「リク。」


 アイが静かに呼び止める。


 剣を抜かないでほしい。


 その意思を受け取り、リクは柄へ添えた手を離さなかったものの、刃を抜くことはしなかった。


 扉の向こうで足音が止まる。


 短い沈黙。


 やがて、古びた扉がゆっくりと開いた。


 朝の光を背負い、四つの影が礼拝堂へ伸びる。


 先頭にはきたまくら。


 その隣に120とくらら。


 そして三人の少し後ろに、黒いフードを被った少女が立っていた。


 アイの胸が強く震えた。


 少女が顔を上げる。


 黒い髪の奥から、あの瞳がこちらを見る。


 ハナも動けなかった。


 昨日より遠い距離。


 兵士も、人混みもない。


 それなのに、目が合った瞬間、周囲の全てが消えたように感じた。


「……アイ。」


 ハナの唇から、初めてその名前が零れる。


 アイは驚いたように目を見開き、それから僅かに笑った。


「ハナ。」


 互いの名前が、誰もいない礼拝堂へ静かに響いた。


 《共振》と《共鳴》が、同時に小さく鳴る。


 まだ痛みはない。


 ただ、長く離れていた何かが、ようやく同じ場所へ辿り着いたような音だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ