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ホロスコープ/握る
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書き尽くした文字列
滲んだ声は響いてる
重ねた芙蓉を抱きしめて
ここから夜を切り裂いて
途切れた銀も過去に散って
だけど僕はここにいる
描いた明日に飛び込んで
繰り返す夜を終わらせて
もし白んだ空
瞬きに灯りが揺れても
見失って傷が傷んでも
僕は今この雲を払うから
何度でも君を塗り替えてやるから
どこまでも望む方へ
いつまでも君を守っていて
ー
ー
僕がどれだけもがいたとしても
見えないところまで沈んだ
君の心は救えない
君に届く言葉を紡げるのは
最終、君だけだから
どうしたって僕らは二人で
一つの存在にはなれない
君と僕の隙間を消すことはできない
だけど僕の心君に向ける愛は
自分を愛せない僕が
僕自身に向ける感情より大切だから
流れ込む風が冷たくとも
僕は君との距離を愛したい
きっと二人で触れ合うその危うさが
この世で一番尊い世界だから
冷え切った夢の中で
微かな体温を感じていよう