92/218
月下美人
ー
ー
真紅に天を仰いで
乾いた笑い声と痺れる足
そっと抱きしめて噛みついたけど
泣いたって何も変わらないんだ
耳元で揺れた言葉に共鳴して
噛みついた感情から解れる理性
まだ冷たいシーツが鼓動を早めて
落ちた影 火照った輪郭
どうか私を包み込んで
銀色がぷつり途切れて
ほんの刹那思いを覚ますけど
分かりきった事は全て溶かして
理性も本音も心傷も欲も
何もかも食んで飲み込んで
誰一人ここを明け渡さないで
膨らんだ夜を吐き出して
全てが綺麗事になるから
また何一つ得られないから




