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遺書日誌  作者: あやと
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FTM

俺は女の子に見えているんじゃないかと

とても不安になる事がある。

友人の前や自分らしくいようと決めた場所で、ふと今の僕はこの人たちの中では女の子になってるのかなと怖くなる。

女の子じゃないんだと伝えることはできても、それ以上何か求めることはない。

生きることすらまともにできないのに、自分の意思を相手に強要するのは傲慢だ。


前を向けない理由は数多あるが向き合うことに疲れ切って、意識を手放してしまったり狂ったりして最後まで思考を回せない。

もう角を立てず静かに死にたい。


両親に病状や性別のことを話せないのは

この人たちに知られたくないという小さな意地があるからだ。両親は分からないけど僕はまだ心の整理ができてない。裏切られた気持ちになっているのは、心を開きたくないと思うのは、ただの僕の感情なんだけど。傷ついた全てを真っ新になんてできない。恨みや怒りはない。距離を置いて心を整理したい。まだ向き合えない。繕う日々が僕の首を絞めるから愛や感謝を伝えられない。どうしても納得できないんだ。混乱と呆然を繰り返すだけではきっとまた壊してしまう。静かに一度去りたい。本当に逃げてばかりの人生だ。


何もできない僕にもう逃げ場はない

逃げ場をつくるにも体がいうことを聞かない

体を治すまで心がもたない

心を守るにももう何もできない


どこかを壊さないと

助けてと誰かを頼れたら生きられたかな

不確定要素がほぼ全ての現状に

他人を巻き込むなんて恐ろしくてたまらない

期間や対価を提示できない上

公的な認知と治療目的を両立できない

ずっと閉じ込められて監視されて

運ばれる日々が苦しくて仕方ないけど、

解放されたとして何一つできないし

もう何も手元にない僕は塵同然

絶望しかない

脳が溶けて意識がぼやけていく

何もない、空っぽだ

苦しくて辛くて痛くて意識が朦朧として

改善の術がなくてここに意味はなくて

観客のいないただの独り舞台だから

可笑しくなったって誰も気づかない


殺してくれよ

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