68/218
吸い込んだ
ー
ー
僕はとても弱い
心も生もきっと時に流されてしまう
儚いと言えば心地よいけれど
これはただ壊れやすいだけの透明だ
揺らぎやすい無を知っているのは
私だけ
ここに生きる私だけ
吹く風も咲いた血も忘れる
私はここにいる
ここで死んでいる
僕が壊した全てを飲み込んで
傷だらけになった無色
粉々に砕いた硝子に埋め尽くされた
空という名の私の世界
誰もいない、何もない空洞に満ちる
人
それが生きている
決して途切れることはないけど
また、吐き出す
なぜ弱い
なぜここまで何もできない
何もない