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遺書日誌  作者: あやと
66/218

風へ

風を待っている

ただ風がこの霧を払うのを

傍観している 待っている

貴方はもう何処にもいない

許せないのなら二度と届かない

当たり前と受け入れられないのは

ただ見ている貴方だけ

風を待っている

貴方だけ

風は吹いている

吹き続けている

強くも弱くもなく

ただ全てに流れ続けている

結局何処にも逃げられないのさ

何処かで帳尻があうのさ

それまでゆらりと浮かばされ

その先に救いはないかもしれない

二度と嬉しいと思えないかもしれない

枯れるまで それが生

何処へ行っても君の命

私はまだ風の中

風を待っている

貴方を待っている

カラカラと擦れる葉音に心を溶かして

無意味と謳う声を掻き消して

どうしようもないのなら

どうしても一緒

風を吸い込んで

くるくる回って

カランと落ちた

痛いほど美しい

そう、途方もない青を隠す

風を待っている

私を待っている

永続的な葛藤

即ち犬の尻尾を追うこと

分かっているつもりになっている

独りよがりな退屈

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