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遺書日誌  作者: あやと
65/218

透眠

ー

ー

ずっと眠っているみたい

透明な板の向こう側

僕と同じ歩幅で進む風景が

走馬灯のように流れ込む

ここに取り残された僕は

夢の中を彷徨い続ける

うとうととまだ止まったまま

閉じこもったまま

確かにここは現実なのに

ふらふらふらとまたよろけて

いつからこんなになったんだろう

僕は何処にいるんだろう

ここから出してと歌うにも

もう微笑むのが精一杯

君は向こう側で

今も進み続けているんだろう

みんなが生きている様に見えるのは

僕がここに留まっているから

「なんか可笑しくなってきた」

冬は春を待つのだと

どこかで信じていたのかも

雪に埋もれたとうずくまった

僕はもうだめなんだろうな


◯閑話

道に迷って母校に帰ってまた

乾いた風が肺を満たして

誰の顔も知らない思い出から隔離した


先生がいた

あんまり好きじゃなかったけど

先生の甥っ子と私の家が近くて

毎日その子と一緒に通っていたから

なんとなく覚えていた顔だった


少し薄くなった髪と緩んだ体

目があって互いに数秒間止まったけど、

生徒に話しかけられていたから

私は帰ることにした


冷たくなったホットコーヒーが

もうここは未来だと言った

あの子はもうここにいないのよ、と

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