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遺書日誌  作者: あやと
19/218

沸点/融点

ー激情を溶かす

ー

消えた思いは時折

波のように押し寄せて

僕の内側を蛇行する

脳が動きを止めて

その内に体も動かなくなって

声も出なくなると

また消えていくんだ


声に激情を溶かして

枯れた悲鳴の代わりに歌う

誰にも届かなくても

誰かに否定されても

どうしたって僕は僕なんだから


無音の言葉と旋律に

拭えない蟠りを織り込んだ

誰にも聞こえなくても

誰かに笑われても

この思いは僕のものなんだから

何も間違ってない


ー忘

ー

全部ダメだ

終わりは終わりだ

空は黄金色

滝は温もり固まり

心は赤く笑う

砂に雪を混ぜて

絵の具を作って

飛べない夢を描こう

コンクリートの月

友達の薬指

何も知らない空が

二本の指を割いた

約束は探しても見つからない


壊れた完成品を

溶かして

また遊ぼう僕と

赤い光沢は

昨日の夜舐めた

泣かないで

叫んでください

欠落した存在は

十分満喫したのだから

もういいでしょう

軒並み飾られた一部を

どうか覚えていて

忘れなさい

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