外伝17‐1話 時を越えた邂逅
【サイドストーリー名 聖なる騎士道】
サイドストーリーの解放条件
条件1、神樹編の最初~御子編の最後。
条件2、購入・特典系で解放される。
今から約1000年前、精霊界。
その若者は脅威に立ち向かうべく各地を巡っていた。
それぞれの思いを胸に集った仲間達。手にした力と誇りを胸に前へ進む。
すべては祖国と愛する者のために――。
ラソン「なあ、本当にこれでよかったのか?」
ラナ「何を今更。男らしくないわよ」
突如やってきたラナに引っ張られる形で記憶世界に突入した一行。
なんだか心惹かれる気配がするといった彼女に愚痴をこぼす。本当にこの世界でよかったのか。すっかり流されてきてしまい、この世界で出会う仲間がどんな人かも想像がつかない。
見た所、また精霊界らしいがいったい誰の物語なのだろう。
ラソン「リズリットさんみたいな人だといいけどなぁ」
ラナ「きっと大丈夫よ。女+妖精の勘を信じなさい」
リーヴェ「別に信じてない訳じゃないがこれは……」
信じろと言われても人っ子1人いない場所では……。
こんな場所に出てしまって本当に物語の主役と出会えるのか不安だ。
ちなみに今回のメンバーは、リーヴェとラソン、シャムス、アルラートの4人。今回はくじで決めてこうなった。
シャムス「それで、此処は精霊界のどの辺りなんでしょうか」
ラソン「うーんと……多分炎の精域だな」
周囲の景色からそれだけはすぐにわかる。
だが、炎の精域のどの辺りなのかまでは見当もつかない。どれだけ過去かという点も考慮に入れれば場所を特定するのは難しいだろう。
こんな時に限って詳しそすな人物が一緒じゃなかった。頼みの綱は空の探索に行ったアルラートの情報くらいだ。噂をすればと言わんばかりにタイミングよく当人が戻ってくる。
アルラート「お待たせ。近くに町が見えたよ」
リーヴェ「本当か?」
アルラートは確信を持って頷く。
彼から詳しい位置を聞いて彼らは歩き出す。まずは人のいる所に行かなければ始まらない。
ボルキア火山の北、山々に挟まれた場所にその町はあった。後にアギ村ができる地点より東南に進んだ辺りだ。すぐ傍には広大な森が広がっていた。
どうやら砂の工房から南東のほうに進んだ辺りのようである。東に少し進んだだけで町が見えてきた。
リーヴェ「こんな所に町があったなんて……」
現代にはなかった町に足を踏み入れる一行。
町並みは現代の里とさして変わりない。過去といえど、目に見えた文化の変化はないのか。初めて訪れる町を眺めながら歩いていくと、前方の角から人影が現れてぶつかってしまう。
リーヴェ「すみません」
少女「いいえ。こちらこそ、ごめんなさい」
若者「2人とも大丈夫?」
一緒にいた男性が両者を心配して声をかけてきた。
どちらも大丈夫だと告げ、改めて互いの姿を確かめる。そうしたら相手が精霊人ではないと気づく。こんな所に旅人か。外見だと2人組は随分と若いようだった。
男性のほうは騎士っぽくて、女性は聖職者みたいな恰好をしている。どちらも気のよさそうな印象を受ける人だ。
2人とも刻の泉に向かう道中で見た幻とそっくりだった。
少女「怪我がないようでよかったです」
リーヴェ「いえ、こっちも。本当に大事にならなくて」
互いに似たような言葉を繰り広げ、その様子を見ていた若者がポロッと声を零す。
若者「なんか似てるね。ひょっとして同郷だったりする?」
少女「そうですか? 見た感じでは異国の方みたいですが……」
とても同じ国や地方の出身に身は見えない。そう言いたいようだ。
まあ、それは仕方ないだろう。今の一行は普段と違って見えている筈だから。言われてみると少女のほうは天空人っぽい気がした。この装束、ちょっと古いが教団のものだろう。
リーヴェ「もしかしてセフィラス教の?」
少女「はい。ご存じなのですか」
リーヴェ「ああ。ちょっとな」
ややこしくなるのであまり詳しくは語らない。
お察しの通り、セフィラス教とは天空界での最もたる宗教だ。天空界各地にある神殿はこの宗教に属している。御子を筆頭に活動し、神樹絡みで非常に強い権限を有していた。
これに属する神官団は聖天魔法によく似た聖教魔法を扱う。当然ながら神官であろう彼女も使える筈だ。まさかこんな所で同業の者と会うなんて思わなかった。
若者「ごめん。怪我がないなら僕らはそろそろいいかな?」
これから行く所があるんだ、と告げる。
すると今度は少女のほうが一行を見た後に隣の若者に目を向けた。
少女「ねえ、あの事で協力を仰げないかしら」
若者「えっ? でも……」
少女「今は私達だけですし、あの方々結構な手練れだと思います」
若者「確かにそうだけど。うーん」
彼女の提案に悩む男。出会ったばかりの人に頼みごとをするは気が引けるのだろう。
リーヴェ達にも気持ちはわかる。だが、漏れ聞こえる話を聞く限りでは危険がありそうな雰囲気だ。もしも手助けができるなら協力したい。
リーヴェは仲間達に目配せし、皆が頷くのを確かめ2人に向きなおる。
リーヴェ「よければ話を聞かせてくれ。協力できるかもしれない」
若者「いいの? 凄く危険なんだよ」
リーヴェ「構わない。どうするかは聞いてから決めるので」
若者「そう。うん、わかった」
気さくな様子で意外にもあっさりと事情を説明してくれた。
彼らは今、ある物を探して目的地に向かう途中だったらしい。その道中は入手場所の近辺では最近になって特殊な魔物が出没・徘徊するようになったという。なのでその討伐も兼ねるみたいだ。
ただ、現在は一緒に旅をしている仲間と別行動中で戦力に不安がある。だからと言ってこのまま困っている人を見過ごす事もできない。
シャムス「その仲間とは合流できないんですか?」
若者「できたらよかったんだけどね。当分は無理そうなんだよ」
別行動をしている仲間は2人いて、どちらも別々の場所にいる。おまけにあちらの用事が終わるのにかなりの時間が必要なんだそうだ。
一緒にいてもできる事はないし、かえって邪魔になりそうだったからと彼が言う。
アルラート「そういう事ならいいんじゃないかな」
シャムス「はい。危険な魔物というなら戦力は必要でしょう」
ラソン「オレも全然構わないぜ」
リーヴェ「わかった。あの、協力します」
若者「本当かい。ありがとう」
少女「ご助力に感謝致します」
安堵したように笑う若者と手を合わせて礼を言う少女。手にしていた杖は脇に抱えている。
共闘関係を結んだところで、改めて一行は自己紹介をした。これからしばらく行動をともにする仲間だ。挨拶はきちんとしておきたい。相手もこちらに倣って背筋を正す。
若者「初めまして。僕はムートリーフ王国国家騎士団及び第3師団所属、リフィアス・グリムウィークです。そしてこちらが相棒のレーヴァグラム」
妖精「カァーッ」
紹介とともに妖精石から瑠璃色の鴉精が現れる。
彼の妖精石は携帯している短剣についていた。差し出された腕に礼儀正しく乗っかり、キリっとした様子で高らかに鳴いた。きちんと背筋を伸ばした姿がカッコいい。
続いて少女が淑やかに一礼して名乗りを上げる。
少女「私はセフィラス教で神官をさせて頂いております。名をフラル・キルシェットと申します」
リーヴェ「あれ? 何処かで聞いたような……」
ラソン「……って、まままさか英雄の!? 嘘だろ、本物。マジかよっ」
シャムス「落ち着いて下さい。この場で英雄と言っても通じませんって」
2人「ん?」
きょとんとした顔でこちらを見つめる後の英雄達。
だが、更に一行を驚かせる展開が待ち構えていた。話を聞きつけたらしい声が突如響き渡る。
少女の声「ちょっとぉ~。わたしを忘れないでよね!」
リフィアス「ごめん。皆、実はもう1人仲間がいるんだ」
紹介するねと言われて呼び出された存在に、リーヴェらはとてつもない既視感を覚えた。
そう、現れたのは花の妖精リシェラだったからである。自分達の知る彼女よりも幾分か活発な態度で飛翔する小さな存在。それは彼が首から下げているペンダントから出てきた。
とても見覚えのあるペンダント。アルマがつけていた物と同じように見える。どうももとは彼の持ち物だったみたいだ。
最初は機嫌が悪そうだったリシェラ。
だがすぐにリフィアスにすり寄っていき、優しく撫でられて気持ちよさげに目を細めていた。凄い懐きっぷりである。嫉妬した鴉と口喧嘩までするくらいだ。
そうすると今度は彼に「ふたりとも仲良く」と諫められる。注意され、反省から身を縮める姿がほのぼのとしていて微笑ましい。
リーヴェ(ラナが言ってたのはきっとリシェラの事だったんだな)
一応、ラナの勘は当たっていたようだ。
リフィアス「では、皆さんよろしくお願いします」
リーヴェ「こちらこそよろしく」
こうして一行の仲間にリフィアス(Lv50)とフラル(Lv50)が一時参戦した。
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【タルシス辞典 かつての英雄達】
名前 リフィアス・グリムウィーク
性別 男 身長 172.1cm 体重 61.0㎏ 年齢 21歳 地上人
かつての英雄の1人でリーダー的な存在だった人物。
実家が農園をやっている庶民出身の現役騎士。爽やかな印象を受ける。脅威の襲来と天の使者との出会いを機に、国王から旅の許可と使命を授かり旅立つ。
名前 フラル・キルシェット
性別 女 身長 154.4cm 体重 42.5㎏ 年齢 16歳 天空人
かつての英雄の1人で神樹を守り御子を支える神官。
商家の生まれだが、行商時に魔物に襲われ両親と死別して教会で育つ。神樹の導きに従い使命を受け、脅威を追って地上界に降り立ちリフィアスと出会う。
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