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外伝15‐1話 追加コンテンツ ‐刻の泉‐

 刻の泉の解放条件

 条件1、精霊界に行ける状態である事。神樹編から可能。

 条件2、パーティメンバー6人がLv20以上。

 ※その他、進行状況に応じて内部機能の解放条件が設定されている。



 ある日、一行は巷で聞いた噂の真偽を確かめるべく精霊界を訪れていた。

 詳しい場所は水の精域アジマの西、刻の泉があると言われる地点だ。近くまで来た彼らは向かう先に2つの人影を認める。近づくにつれ、それが見知った相手だという事実に気づく。


リーヴェ「ルー兄、フェー兄。どうして此処にっ」

フェラーノ「ん? お前らか」

アルラート「もしかして君達も同じ理由かな。私達もこちらに来る予定があってね」

フェラーノ「ついでに面白い噂を聞いたって訳だ」

リジェネ「そういえば、フェラーノ兄さんはこの手の話が好きだった気が……」


 ブルブルと僅かに身体を震わせているリジェネが呟いた。

 実は、最近この辺りで奇妙な現象を見た人がいるのだ。現実感の薄い人の姿や景色が幻の如く現れるという。しかも人影に至っては泉のある方角に歩いていくらしい。

 まるで誘うかのようにこちらを振り返るとも。


フェラーノ「その幻、ナイスバディな美女らしいぜ」

ラソン「マジか!」

セレーネ「アレ、そんな話だっけ?」

リーヴェ「私は少女だと聞いた覚えが……」

リジェネ「美女でもなんでも幽霊って事でしょ!!」

アルラート「いや、そうとも言いきれないよ。幻覚を見せる魔法もあるくらいだから」


 微妙に噛み合わない会話をしていると、銀髪兄弟の背後に何か人影のようなものが見えた。いち早くその存在に気づいたリジェネが声を上げる。

 一斉に視線を向けた一同。彼らの視線の先には確かに儚げな人物の姿があった。噂に聞いた美女……ではなく騎士っぽい衣装の若者だ。


 外套をなびかせ、金髪碧眼の明るい印象を受ける男。

 彼は一行には目を向けず泉のある西側を見つめていた。誰だろうとつい凝視してしまう。すると今度は奥のほうからもう1人、少女が駆け寄ってきた。

 ストロベリーブロンドの髪をした白装束の少女だ。彼女は若者と待ち合わせをしていたように近づき微笑む。

 合流した2人の人物は並んで泉のほうへ歩いて行った。


フェラーノ「よし、オレ達も後を追うぞ」

リーヴェ「わかった」

ラソン「はい兄貴。行きましょう」


 後をつける一行にはまったく気づかず歩いていく2人。というか、最初からこちらの姿が見えていないようだった。

 桃色の花が咲き乱れる木々の中を進む。愛らしい花の雨を浴びながら、仲睦まじく歩く2人の姿を見ながら追う事十数分。前方で異様に光を放つモノが見えた。

 思わず目を細め、進みきった先には光を乱反射させる泉がある。


リーヴェ「2人の姿がない」

ラソン「何処行ったんだ?」

リジェネ「そんなに距離は離れてなかったですよね」

セレーネ「どういう事?」


 まさか此処で見失うとは――。

 しかし、今度は泉の傍に見慣れない女性の姿を発見する。


フェラーノ「おっ! めっちゃ美人」


 真っ先に反応を示した彼にもやっぱり気づかない。静かに泉の水面を見つめている。

 その女性はとても色っぽい魅力の持ち主だった。外見年齢は20代前半くらいか。体格もそうだが服装も程よく露出していてセクシー。

 パンクな服装のクールビューティーで、グラデーションが鮮やかなアクアブルーの髪にダークブルーの瞳。背中にはギターらしき楽器を背負っていた。


クローデリア「あ……ああっ」

リーヴェ「クローデリア?」


 様子がおかしい。泉の傍にいる女性を見つめたまま口をパクパクとさせている。両手は開いたままの口を隠すように添えらえていた。

 謎の美女が泉の中に飛び込んでいく。その姿を見てクローデリアは慌てた。


クローデリア「あっ、待って!」

リーヴェ「戻れ。そっちは泉……」


 ――バシャンッ。

 怪しく光る泉の中にクローデリアが入っていった。戻ってこない。

 彼女が溺れるとは思っていないが、一向に戻ってくる気配がないのは心配だ。残された面々は意を決して彼女の跡を追い水面に飛び込む。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 気がつくと一行は見知らぬ場所で倒れていた。

 目が覚めて周囲を見回す。不思議な空間だ。いったい何処に来てしまったのだろう。

 普通なら水の中にいる筈なのにそんな感じは一切しない。異空間といったほうが相応しい場所だった。数種類の色が渦巻く空と、地面なのかもわからない床。いや上のアレは空なのか?


リーヴェ「水の中……じゃないよな。此処はいったい……」

ラソン「いってぇ~。って、なんで痛んだよ」

セレーネ「変なトコ来ちゃった!」


 仲間達も無事なようだ。そこには安堵をし、改めてクローデリアの姿を探す。彼女もまたすぐそこに座り込んでいた。

 距離感の掴めない空間には4つの扉が囲むように並んでいる。周囲に壁があるようには見えない。


女性の声「よくぞ来た。勇者達よ」

リジェネ「うわぁぁっ! なに、なんなんですかっ」


 心霊現象の時とはまた違った驚き方をするリジェネ。

 それも、すぐに声の主と思しき女性が姿を現したからだ。一般的にいう「ヒト」ではないようだが人型ではある。誰かさんの本体みたいな、精霊と呼ぶに相応しい外見の女性。


セレーネ「ちょっとこの人、あんたのお仲間なんじゃないの?」

クローデリア「え、ええーっと。違うようですわ」


 感覚とか気配は似ているようだけど、と釈然としない反応を示す。

 一行の動揺が収まらぬうちに女性がひとつ指を鳴らした。すると周囲の風景が一瞬だけ揺らぎ、光を発して中から数人の人物がこの場に放り出される。

 見覚えのある人々に思わず「あっ」と声を上げた。相手も同じような反応をする。


アルマ「これは……何事だ?」

シャムス「どうして。さっきまで執務をしていた筈なのに……」

ルシフェルス「…………」

リーヴェ「なぜ3人まで此処に」

アルマ「それはこちらが聞きたのだけど」

女性「うふふ。今呼べる全員が揃ったようね」

シャムス「うわぁっ。誰ですか!?」


 既に加入した事のあるゲスト達を呼び寄せ、女性は満足げに微笑みふわっと衣服を広げ会釈した。


女性「初めまして。私は泉の精、ここの番人です」

リーヴェ「泉の精、か。私達は……」

泉の精「存じてます。ようこそお越しくださいました」


 自己紹介は不要とばかりに話を進めていく。

 泉の精は淡々とこの場所の説明を始めた。まず、ここは時間と空間を超越した場所。刻の泉の中と言えばその通りだが、だからと言って水の中という訳じゃない。

 いうなれば、あの泉は出入り口に過ぎないのだ。この場所へと通じる。


セレーネ「なんだかよくわかんない。けど、あたし達を呼んだのは貴女なのね?」

泉の精「はい。ですが、私1人だけの意思ではありません」

セレーネ「ん? どういう事?」


 女性はふふふと笑う。何処か意味ありげな雰囲気だ。

 彼女は呼ぶ呼ばないの話には答えず、扉のひとつひとつを手で示しながら説明を続けた。


 彼女の背後にある扉から時計回りに紹介していく。

 一行の真正面、泉の精の背後にある扉を示し「記憶の異層」と告げる。その右隣は「遊戯の晩餐」、そのまた隣は「激闘の迷宮」、そして最後は「ギャラリールーム」だと言った。

 彼女の言葉に応じて扉に名称が刻まれていく。何処が何かをわかりやすくしたのだろう。彼女の力なのか、この場所の現象なのかはわからないが不思議な所だ。


シャムス「あの……説明してくださるのは有難いのですが、元の場所に帰してくれませんか。ボクがいないと騒ぎになってしまいます」

ルシフェルス「うむ、同意だ。誰にも伝えておらんからな」

ラソン「だろうな」


 むしろ、この状況で事情を伝えているほうがおかしい。

 この言葉に対して泉の精は穏やかな面持ちで「心配ない」と伝える。


泉の精「この場所での時間は皆さんの世界には反映されません」

ルシフェルス「なに?」

シャムス「そんな理に反した事がある筈……」

泉の精「あるのです。どうか細かい事は気になさらずに」


 此処では気にする必要はない、と彼女は強く言った。

 泉の精は言う。この場所では不思議な出会いや物語が紡がれるのだと。

 この空間でのみ紡がれる縁。特別な物語と絆が此処に、この地に集い広がる。


泉の精「まずは記憶の異層を覗いてみるといいでしょう」

リーヴェ「記憶の異層……この扉か」

泉の精「はい。そこでひとつの物語を見た後、また話しかけてください」


 彼女の言葉に導かれ、一行は記憶の異層と記された扉を潜る。

 扉の向こう側は光の回廊になっていた。世界を移動した時と似た感じだ。

 ふわふわと身体が浮かぶ感覚を覚えながら、ふと目の前に広がった複数の景色に目を向ける。唐突に現れた景色は選べというばかりに眼前で整列していた。


 今、彼らの目の前に並んでいる景色は、現状で垣間見れる物語の世界だ。もちろん選ぶ事ができる。

 何処か見覚えのある景色、そうでもない景色といろいろだ。仲間達の中には見える風景に心を惹きつけられる者もいた。

 しばし逡巡していると、数ある景色の内のひとつに先程見た美女の姿が映る。


クローデリア「あっ!」


 クローデリアは迷わず美女が見きれた景色の中に飛び込む。

 こんな所でバラバラになる訳にはいかない。リーヴェ達もまた同じ景色の中に身を投じた。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 【タルシス辞典  記憶の異層】

 記憶の異層では、特別なエピソードを体験する事ができる。

 条件を満たせば体験できる物語が増えていく。物語内では主要人物が仲間として一行のパーティに一時加入するぞ。


 彼らはゲストキャラとは扱いが異なり、スキル数も少なめだが皆強力な助っ人となるだろう。

 記憶の異層内で展開される物語では、「具現の結晶片」を初回閲覧時のみ入手できる。これは泉の精が対応してくれるショップや具現化で必要な交換アイテムだ。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

 外伝の全体的なボリュームを考え、今の段階から少しずつ公開していくことにしました。もちろん都合上、公開する順番は調整させて頂きますが……。

 あと、ここだけの話。実はこの「刻の泉」は、最初の段階ではただのレベルアップ要素でしかなかったんですよねぇ。後々で変更した結果でこうなりました。

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