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魔性狩り【ニ章完結!】  作者: カーネルシトラス
静かなる星の下で

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第79話 ○×荘のダイダラボッチPERT1

2011年8月11日

 新しい手帳を買ったことでもある、しこれまで通り、生活であったことを書き記していくことにする。

 俺は明日から軽井沢の○×荘に行く。前の手帳に書いたが、大学のミステリーサークル仲間と会うためだ。あいつらに会うのは去年の夏以来か。2泊3日の予定である。 

 ○×荘は何もないような山の中のペンションらしい。4棟貸し切って1人1部屋確保したようだ。少し建物が古い場所なのと田中先輩が仕事の伝手でまけてもらった。山奥のペンション、まさに俺たちみたいなのにふさわしい場所だといえるだろう。とはいえ事件なんか起きるわけはない。俺が大学卒業してから10年来の付き合いだ。1、2学年上下はあるものの仲が良いからこれまで付き合っているのである。

 俺は、いつも書いているように東京のホテルのレストランで働いてるもんだから俺の料理への期待はみんなから伝えられている。いつもそうだ。みんなの期待には応えていきたいと思う。


2011年8月12日

 1日目が終わって今自室に戻っている。なんか学生寮を思わせるような部屋だった。ベッドが1つあり、タンスが一つ。洗面台と学習机のようなものが備え付けられている。オレンジがかった蛍光灯も雰囲気をよく出していた。

 今日はとても楽しかった。16人も集まれたのはとても良かった。全員が当時のようにミステリー熱を持っているわけではないが、でも仲間に会えるというだけでかけがえのないことなのだ。成功している人もいればうまくいっていない人もいる。高橋が仙台で被災していたことなんか知らなかった。まさか落単だらけだった眞那《まさな》先輩が起業しているとは思わなかったし、秀才、西島が転職に苦戦しているとは夢にも思わなかった。でも、俺たちは仲間なんだ。お互いに持てる知識を持って助け合おうと意見交換した。まるでミステリーの謎をホワイトボードを使って考察していた、あのときの様だった。

 6月に出た、新しいメッセージアプリのIDを交換してグループを作った。これで年一ではなくいつでもお互い助け合えるようになった。

 本当にいろいろなことがあった。近況報告、最近のミステリーについての評価、俺の料理を振る舞い、外で星の鑑賞をした。望遠鏡を中島が持ってきていたのがでかかった。趣味で天体観察を始めたらしい。みんないろいろな新しい趣味を作ったり、結婚しているらしかった。うらやましいなぁ、と言ったところおまえの仕事はずっと続く趣味のようなものじゃないかと突っ込まれた。確かにその通りかもしれない。楽しい1日だった。

 明日は先輩方が作った謎解きゲームをやるらしい。どうやら、後輩の健太がそういうイベントに携わっているらしい。とても期待ができる。


 今は何時だ?時計を見たところ朝の4時だ。辺りは暗い。何か外を歩くような音がして目が覚めた。歩くというよりは重機が動くような音だ。外を見てみたが何もない。一応メモ


2011年8月13日

 事前に考えていた予定はすべてキャンセルされた。

 昨晩に真北に位置する建物に泊まっている先輩方の姿が消えたのだ。初めはどこかに勝手に出て行って観光しているのか、隠れて脅かそうとしているのかと思ったが違うようだった。先輩方の車は駐車場に止まったままだし、部屋の中を見た眞那先輩の話だと寝ていたまま消えたような様子だったらしい。電話したところ、スマホは部屋の中に置きっぱなしだった。一体何が起きているのか。4時間経っても姿は見せなかった。さすがにいたずらという線はもうないだろう。ということで警察に行く。


 警察に行ってきた。現場での捜査も行われたが、足跡をたどったところ、昨日の夜間に建物から出た痕跡がなさそうだと言われた。事件性があるかはわからないが捜査は続けてくれるそうだ。あと、妙な足跡があったらしい。1メートルは超える足跡だという。明らかに、生き物、と言うよりも実在する生物のものではないので本当は今日の謎解きゲームのために作ったものじゃないかと疑われた。だが違うらしい。先輩方の失踪との関連はわからない。


 結局何もわからなかったらしい。何一つ、建物に入った痕跡も出た痕跡もないらしい。警察もお手上げとのことだ。


 先輩方、無事なのだろうか?

 今日は大変な日だった。せっかくみんなで会えたのに、こんなことが起きるなんて。


足音!


     足音がする昨日の夜と同じだ!


 近づいてくる!


      見なきゃ良かった なんだあれは


 おおきないきもの


    タテモノより大きい。


【解読不能の文が続く】


                         屋根を


             すり抜けて!





2012年1月2日に○×荘の大規模清掃でベッドの下から見つかった手記より



 また、2011年8月14日に○×荘の利用者全員が失踪する事件が発生。新聞にも取り上げられたが結局2012年6月現在でも未解決である。


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