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美しい剣士 ライリー

 今日は待ちに待ったクリスティーナの屋敷を訪れる日である。彼女たちとは、時計台の下で待ち合わせる事になっている。朝早く起きて屋敷での仕事を早く済ませ、急いで準備して出てきいる。


 かなり張り切り過ぎたようで、この分だと早く着きそうである。久しぶりに街に出てきたので、どんな店があっただろうか見ながら歩いている。まだ朝早いので、この前ほど人通りはない。


 そうして歩いていると人にぶつかってしまった。その人見てすぐに謝罪しようとする。


「君ね、困っちゃうな」


 二十代くらいの痩せこけた青年である。


「すみませんでした。失礼します」


「どこへ行くんだい。逃げちゃいけないよ。この服もう着られないじゃないか。どうしてくれるんだい?」


 この人は、なにを言っているんだと思い見てみるが、服が汚れてはいない。そのことを告げるが、この服は高いんだどうしてくれんだと、それを繰り返してくる。


 徐々に興奮してきた。申し訳ないけど、その言葉が理解できないと丁寧な口調で伝えたら激怒し出す。


「君は理解力が無いようだね。この服は貴重な生地で織り上げた高価なものなんだ。君のような下流の人間に、触れられたんで価値が無くなってしまったんだよ。弁償して貰わないと困るな」


 言いがかりもいいとこだ。そして、自慢げに自分のことを話し始める。彼は、この国有数の商人の息子だそうである。


 その背後には屈強な付き人が控えている。彼らに合図を送り、私の元へ近づいてくる。不味いことになっている。どうしようかと考えていると、背後から声が聞こえてくる。


「君は懲りないね。またやっているのかい」


 振り返ると、銀髪に緑色の目をした美しい女性が立っている。その内の一人が彼女めがけて走り出し殴りかかろうとしている。

 

 彼女は、持っている剣の柄頭を男の胸元に打ちつける。男は悶絶してうずくまる。仲間の一人が男を抱え上げ去っていく。


 一瞬の出来事に目を奪われる。その動作には無駄が無く見事である。かなりの使い手であるのは間違いない。


「大丈夫かな」


 透き通った綺麗な声だった。


「あぁ、すみません。私のほうが先にお礼を言うべきなのに、どうもありがとうございます」


「では私は、これで失礼するよ」


「あの宜しければ名前をお伺いしても?」


「私はライリー、それでは」


 彼女は軽く手をあげ去って行った。その姿は洗練されている。

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