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バトン〜異世界行っても駆け抜ける  作者: かんガエル
一章〜異世界生活〜
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7/10

恐怖

1話の続き


誰よこの男。なんで日本語を知ってるの。


「誰よあんた」


「言っただろう。竜王ガーメールだ」


竜王……知っている。確かギルドの世界史の本に書いてあった。200年前に突如として表舞台に姿を現し、先代の光王と覇王を殺害した男。


噂によれば勇王と龍王が姿を消した時とほぼ同時期だから2人を殺害したって噂もある。


龍王は確か世界最強の男だから…それを殺したってことはこいつは…


早く逃げないと殺されちゃう。


ハァハァ


速く、もっと速く、じゃないと殺される。


ーードンッーー


だれ?


「っ……」


「なぜ逃げる」


この男どうやって追いかけたの?そんなのどうでもいい。早く逃げないと、


「……え?」


え?え?ぇ?なんでなんでなんで?なんでなのよ。


なんでこの男は何人もいるのよぉーーーーーーーーー


そこには何十人にも増えたガーメールの姿があった。


どうすれば、ここで私殺されちゃうの?


若菜は腰を抜かし尻もちをついた。そして恐怖のあまり失禁し、そのまま気を失った。


「ガーメールさんご飯できましたよ」


俺はガーメールにご飯の支度が終わったことを伝えた。…がこの匂いは先にお風呂にした方がいいな。 


「先にお風呂を沸かしてますので入れさせてください」


「あぁ」


「でも気絶したままでは入れませんよね」


「起こせばいいのだろう」


ガーメールは女の子の頬をずっと叩いている。


寝かせてあげた方がいいと思うが、この状態で寝かせるのは宿からしたら迷惑だ。


「…ん、ぎゃぁゃぁぁぁ」


「落ち着いて」


どうしてこんなに荒ぶっているんだ?


「ガーメールさんなんかしたんですか?」


「何も俺のクローンで奴を囲って捕獲しようとしただけだ」


「絶対それです。落ち着かせてくださいよ」


「無理だ」


「助けて、私殺されちゃうの。死にたくないの」


なんでそんなに怖がっているのかわからない。確かにガーメールは雰囲気は怖い。


オーラが只者ではないのは誰が見てもわかる。だからといってこんなに怖がるのは少しおかしい気もする。


「大丈夫だから落ち着いて」


「これお茶だ。飲むといい」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」


「ガーメールさんは悪影響にしかなりません」


「そうか、なら自室に戻る。飯になったら呼んでくれ」


ガーメールは少し寂しそうな声で返した。そしてガーメールは自室に戻った。


「大丈夫かよ」


「……うん。だいじ、ょう、ぶよ」


大丈夫じゃなさそうだ。どれだけ怖かったのだろうか。ただこの服で椅子に座られるのは困る。


しかもここは共用の場所だ。ここを汚すのは良くない。


「先にお風呂に入った方がいいでしょう。服は洗っておきますから」


「助かるわ」


やっと落ち着いてくれた。服を洗うのだが、俺はこれを洗っていいのだろうか?


ーーゴシゴシーー


俺は無心で洗うことを選んだ。それがいいだろう。うんそれが一番いい選択だ。


洗ったものは外に干しておいた。


「ねぇ私着替えがないんだけどどうすればいいの?」

あ、そうだった着替えがない。


どうしようか、俺の服?いやデカすぎるだろう。俺はこう見えても身長は182cmはある。


あの子はどう見ても160cmもない155cmっていったところだろう。ちょっと待っていてください。


「あのガーメールさん」


「なんだ」


「着替えってありますか?」


「女物の服は持ち合わせていない」


「いや部屋着でもいいんですが、僕の服では大きすぎると思ったので」


ガーメールは170cmといったところだ。まだマシだろう。


「まぁいいだろう。この服を渡すといい」


「はい」


渡された服は部屋着というよりセレブが着るバスローブだ。


「おーいこれでいいか」


俺はバスローブを渡した。


「下着はないの?」


「贅沢言うなよ。俺らは女の子なんていないんだから」


「わかったわ」


ーー5分後ーー


「上がったわよ」


女の子が上がってきた。さっきの荒れ狂れからは見られない美しい人だ。


「ご飯ができています。ご飯にしましょう」


ガーメールは楽しみだったのか、もう箸を持っている。ガーメールも日本人だ。名前はこの世界でつけたのだろう。


「今日のご飯はクラスボアの角煮定食です」


「おぉ素晴らしいな」


ガーメールはご機嫌だ。ガーメールの笑顔はまさに無邪気な子供って感じだ。


そんなことを言ったら何をされるかわからないが…


「いただきます」

一同「いただきます」


女の子も元気そうで何よりだ。


「うまいな。よく作ったな」


「はい。料理は少し得意なんです」


「ならこれからは全て康介に任せることにしよう」


「え…全部ですか?」


「もちろんだ。飯は毎日うまい方がいい」


みなさんこれからも料理回がたくさん入ると思うよ。お楽しみにね! 


冗談はさておきこの子の名前を知りたいところだけど…


「お前名前は」


ガーメールが聞くのは少し良くない気がするが…大丈夫なのだろうか?


「時田若菜よ。高校2年生でここにきて2ヶ月よ」


「若菜か。お前は今日から俺たちについて行くことになる」


「冗談じゃないわよ。なんであなた達と行かないといけないの?」


まぁ急に言われるとそうなるのもわかる。だがこの人怖いからそんな口聞かないでくれよ。


「日本に帰りたいだろ」


「帰れるの!?」


「あぁやることを成せば帰れる」


「ほんとうに?」


「約束しよう」


「やったー帰れるのか。いつ頃帰れるの?」


「1500年後だ」


「え…」


まぁそうなるだろうな。俺もびっくりだ。


「私生きれないじゃない」


「この世界ではお前達は寿命がない」


「それ僕初めて聞いたんですけど」


「あぁ今日言おうと思っていた。説明するのは普通にたいぎい」


今日は上機嫌なのか…かなり本音が出ている。


「この世界で俺たちは異端。寿命が減りづらくなっている。実際何年も行きたが老けも100年で年を1年とったかどうかのレベルだ」


「そうなのですか?」


なら俺も1500年生きれる。ならなぜ俺にコールドスリープの話をしたんだ?


「なら1500年待てばいいってことなの?」


「いやここの世界の人間は魔力を体外に排出できるが、俺らは心臓に溜まった魔力だけは排出できない。」


「というと」


「大体300年余りで死ぬ」


「え?」


「俺の戦友は死んだ」


「なぜあなたは生きていられるのですか?」


「龍族の血を持っているからだ」


「なら俺も生きられるのですか?」


「あぁ生きれるとも。しかしお前は1500年も精神を保てるのか?」


1500年それはとても長い月日だ。俺が生きてきた人生の約100倍といったところだろう。


いけるだろうか?いや無理だ。そんなに俺は生きていられる気がしない。


「だんまりか」


「厳しいかと」


「だろうな。俺もまだ200年ほどしか生きていない」


200年も生きているのか。それでもまだ200年か。


「俺は1500年完走するがお前は無理だ若菜」


「わかってるわよ」


「だがお前はこれから200年の旅路についてきてもらおう」


「わかったわ。最初はどこに行くの」


「魔法の街ショルツでお前を3年の魔法学校に入学させる」


「…え?」


「明日には出発する。着くのは大体3ヶ月くらいだろうな」


「そんなにかかるの?てかなんで魔法学校?」


「お前は雷の寵愛を受けている。だからそれを引き出す」


「寵愛ってなに?」


「明日道中で説明しよう。明日は早いからすぐ寝るといい」


そういうとガーメールは自室に戻った。



「あの人って毎回あんな感じなの?」


「んー大体そんな感じだよ」


「目つき悪くて怖いのに口べたな人ね」


確かに目つき悪くて怖いがそんなに恐ろしい人ってほどではない。どちらかと言えばスパルタな人だな。


「悪い人ではないよ」


「それはわかるわ。でも最初は怖かった」


だろうな。漏らすまで怖がるのは相当怖かった証拠だ。


「まぁでしょうね」


「何笑ってるのよ。斬るわよ」


「落ち着けよ。もう寝た方がいいぜ」


「なんで?まだ早すぎるわ」


「なんでっていったって明日は歩きっぱなしだ」


「わかったわ。おやすみ」


「おねしょすんなよー」


「絶対ぶっ殺してやるわ」


そう言って若菜は俺をぶん殴ろうと拳を振るってきた。


俺はとりあえず殴りを流して部屋に手刀で首をチョンってやった。


アニメでよくあるチョンだ。やってみたかったからちょうどいい。


「これでいいんですか?」


「あぁご苦労」


「気絶させて寝かせるとか無理ありますよ」


「すまんな」


「明日は歩きっぱなしだ。寝かせるしかない」


「まぁガーメールさんは止まる気ないですもんね」


「無論だ。お前も早く寝るがいい」


「はい」


話が終わると俺は若菜を連れて寝床に戻った。


宿は部屋がないらしくこいつをベッドで寝かせたら俺はソファだ。なんでだよ。 


まぁいい。今日は寝るとしよう。


ご飯は他の冒険者からも大好評だったらしく、レシピを伝言ボードに貼っておいた。


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