戦闘開始
ゾルダートからガーメールに預けられ旅に出た康介は初めての戦闘を開始する
ガーメールに拾われて10日が過ぎたのだが、
こいつどんなだけ体力あるんだよ。
10日ほぼ休憩なしで歩いてるぜ。俺も一年間の稽古を終えてかなり体力には自信あるけどさ。
限界ってあるもんだぜ。
(家に帰りたい。故郷に戻りたい)
これをこの一年で幾度となく思ったことであるが、帰れる機会などないのだろう。
「疲れたのか」
ガーメールが言った。心配とかの声掛けではないのがわかった。多分まだ歩けってことだろうな。
しんどいからここら辺で2時間ほど休みましょう
と言いたいところだが、
「余裕そうな顔をしているな」
おいおいおいおいどこがだよ。歩きすぎだぞ。
いったいどこに行こうってんだよ。
「あの、どこに向かっているのですか?」
ゾルダートは少し考えて言った。
「お前の仲間を今から迎えに行く」
仲間?この世界で俺に仲間がいるのか?
「あの僕の知り合いを知っているのですか?」
「知らん」
即答だ。じゃあなぜ仲間なんだよ。
「お前と同じ日本人ならやりやすいはずだ」
「なら僕はこれからなにをするのですか?」
「無論だ。故郷に帰る」
なんて言った?故郷。帰れるのか、本当か。
「帰れるのですか」
俺は興奮気味で質問した。
「あぁ帰れるさ、だがやらねばならんことがいくつもあるがな」
やらねばならぬこと。また何か変なことでもやらされそうではある。
「なにをしたらいつ頃帰れるのですか?」
ガーメールは少し口角を上げながら答えた。
「秘宝を集め龍王を復活させる」
竜王。確かガーメールは竜王じゃなかったのか。先代のことか?
「俺は竜王であるが、復活させるのは龍王だ」
意味がわからないが、別の王ということはなんとなく理解できた。
ーー3日後ーー
「疲れただろう」
ガーメールが珍しく優しい声で話した。
「まぁかなり疲れましたが」
本当はもう歩きたくない。家に帰りたいんだ。
こんな本音を吐いたらもちろん怒られる。
ガーメールと会ってわかったことがたくさんある。ガーメールはこの世界ではかなり最強に近い男らしい。
ゾルダートもこいつは本気を出せば我よりも強いって言っていたからな。
しかしこいつはとても怖い男である。目つきは悪いしほとんど笑わない。
ただ少し思うのはとてもイケメンなのである。高校生くらいの顔立ちなのだろうが、かなりイケメンだ。
(学校でもさぞかしモテたことだろうな。くそ)
だがこいつの魔術はレベルが違う。この世界の魔法は初級、中級、上級、と分けられており、大体のひとは上級まで行くらしい。
しかしこれ以上は王級、神級、幻級と続いていくらしいが、ガーメールは全ての魔術を幻級で使えるのだとか。凄すぎだろ。
ガーメールは俺らより少し前に来ているのだとか。でもゾルダートが我の後輩って言っていたから、歳は近いのだろうか?
じゃあ寿命は?この世界に来たら寿命はないのだろうか。
「あと半日でペトラ王国に着く」
こんなことを考えたらもう目的地らしい。
まぁそら頑張ったら着くだろうな。
昼間は歩きっぱなしで夜は馬車に乗っての移動ってなったらほぼ2倍の速さだ。
「普通のやつなら二ヶ月は掛かるがよく歩いた」
おっかしいだろ!なら二ヶ月かけようよ。
「なぜこんなに急いでいるのですか?」
「この4日後にお前の仲間になる女を訪ねる」
女を訪ねるって異世界で女とキャッキャできんのか。最高じゃねぇーかよ。
「ここにいることがわかるのになぜ急いだのですか?」
喜びと興奮を抑えて聞いた。
「あの女は4日後にある男に殺される未来が見えたのでな」
「殺させる、、の、ですか?」
「あぁそうだ」
「なぜわかるのですか?未来のことなのに」
「俺はこの世界に来た時に、未来視を授かったからな」
この世界はどうやら寵愛というものがあるらしくこと男は神の寵愛を受けているらしい。
「女を迎えに行ったら10日ほど移動してまた新しい街にいく」
「また移動ですか?」
「あぁ次はショルツ王国に行き、あの女に魔法を習わせる」
「あの俺にもですか?」
「いやお前には魔法の才能はない」
「え?」
そんなことを言われたらとても悲しいじゃないか。俺頑張って一年修行してきたぜ。
「あの女には一年間ある魔術師のところで稽古をつけてもらう」
「あのその間俺はなにを?」
「もう一人の転生者を迎えに行く」
「転生者をすぐに迎えに行かないのですか?」
なんで女を先に魔術の修行をさせて俺を転生者の所に行かせるのだろうか?そいつも修行させておいていいだろうに。
「そいつはエルフの転生者だ。魔法に優れているから問題ない。」
エルフに転生したのか。エルフは確か魔術師が多いって聞いた気がする。
「そのお方は今何歳ほどで?」
「来年やっと15になる」
15歳というと魔族では学校に通う年齢だが他の種族のことはわからない。
「長耳族は15歳で魔法学校を卒業する」
「エルフは15歳で成人なのですか?」
「あぁそうだな。そいつは魔法学校を主席で卒業する」
「とても優秀なお方なんですね」
「そうだな。エルフは2000年以上寿命がある。
実にこれからの旅の相棒になる」
2000年も生きるのか。長寿な一族なのは承知だがここまでだとは。確かに2000年も生きたら1500年の秘宝探しも余裕ではあるが。
あれ? 俺って寿命あるの?1500年生きれるのか?
「あの僕って帰れるのですか」
「帰れる」
少し怖い表情で帰ってきた。
「でも1500年って」
「あぁ俺が氷漬けにし封印魔法陣で1500年間眠らせておいてやろう」
あーねそうゆうことね
「これからも多くの転移者が時間差で飛んでくるはずだ。転移者は何かしらの寵愛を受けてこの世界に飛んでくる」
「俺にはどんな寵愛があるのですか」
「お前の寵愛は守護の寵愛だ」
「守護ですか」
どんな寵愛なんだ?てか寵愛ってなんだよ。
「誰かを守る時に強さを発揮できる」
「お前は今から仲間になる女を守護する盾だ」
あ、俺無双系主人公じゃなかったのか。
だからやたらスタンとか怯ませる技をたくさん覚えさせられたわけか。くそぉ
「なにも魔術師は接近戦はかなり弱い。それにこの世界の剣士はマッハで斬りかかる猛者もいるからな」
ガチかよ。マッハって○せんせーかよ。
「そんな猛者とやり合うのですか?」
「怖いか?」
怖いだとも怖すぎるできれば戦いたくない。
「お前はかなり強い戦士だ。傭兵団に入れば団長になれるレベルだぞ」
そう言われると自信が出てきたな
「そうなのですか」
嬉しそうに返事をしてしまったが実際嬉しい。
「そうだ。なら目の前のあいつらを倒してこい」
「え?」
気づくと3人の男が俺達を睨んでいた。




