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【完結済】追放された黒魔術師は神に拾われ復讐を果たす 〜 私の無自覚な一目惚れ、憑依系ヒロインが叶えてくれるそうです 〜  作者: こみやし
05.英雄魔女のエピタラミオン

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05-16.頂点捕食者


 ネメちゃんとの関係が日々進展しつつある今日この頃。



 私は確かな手応えを感じていた。ネメちゃんは日増しに私への愛執を強めてくれている。そしてそれこそが、自分の中の自信をより強固なものへと変えてくれるのを感じている。


 まさに我が世の春。今の私は絶好調だ。怖いものなんて何一つありはしない。……そう。油断していたのだろう。



 私は女神様を侮っていたわけじゃない。ネメちゃんを利用しようとなんて……これっぽっちしか考えていない。そんなことより、ただ純粋にネメちゃんが好きだから欲しいと思ったんだ。それは絶対間違いなんかじゃない。


 私の油断はそんなことじゃない。私たちの関係は順調そのものだった。そこに疑う余地はない。



 ただそれでも。少しだけ。見誤っていた。


 ネメちゃんは神だ。神は上位者だ。


 人が虫を踏み潰すように。


 竜が獣を喰らうように。


 海獣が魚群を飲み干すように。


 神と人には絶対的な格差が存在する。


 それをいつの間にか忘れてしまっていたのだ。少しだけ。



 現状は女神様の寛大な御心の上に成り立っている。女神様の気分次第でそれはあっけなく根本から崩れ去るものだ。


 私たち女神の使徒ですら、それを真に理解したのは全てが終わった後だった。何もかもが遅すぎた。もっと早く向き合うべきだった。そうすればこんな悲劇は起こらなかった。



「ひ、ひどい……そんな……あんまりだよ……」


「ふふ~ん♪ 我の勝ち~♪ もっかいやろ♪」


「あ! 私素振りしてきます!」


「すみません。私もこの辺で。仕事がありますので」


「エコー様に任せるのだわ。行くのだわ。ユースティリア」


「みんなぁ!?」


 ああ……行ってしまった……。



 私のハーレムが……崩れ去っていく……。


『大げさね』


 だって寝取られたんだよぉ!?


『ボードゲームの話よね』


 ネメちゃんたら酷いんだよ! 私のものになってくれないどころか私から全てを奪っていったんだよぉ!


『だからボードゲームの話よね』


 私とは結婚してくれないのに全員娶っちゃったんだよぉ!


『それもボードゲームの話よね』



「あはは♪ 自分でハーレム持つのも悪くないかもぉ~♪」


「ダメだよ!!!」


「うわ。びっくり。モニカみたいな大声だったね」


「ハーレムは! 私の! ネメちゃんも! 私のなの!!」


「ふふふ♪ 守り抜きたいなら我を超えてみせなよ♪」


「はっ……!? まさか本気で!?」


「そんなわけないじゃん。面倒くさいし。ハーレムの管理はエコーの仕事。我はその成果を受け取るだけ。エコーは我の使徒だからね♪ よきにはからえ~♪」


 くっ! 可愛い!! ポーズまで決めちゃって! 見た目神秘系美人お姉さんなのに! なんでそんなに子供っぽいポーズが似合うのさ!


『すっかりネメちゃんに主導権を握られてしまったわね』


 これが惚れた弱みか!!



「リリスもやろ♪ エコーよわっちいし♪」


「いいわ♪ 私がエコーの無念を晴らしてあげる♪」


 なんかこの二人も仲良いし! ちょっとネメちゃんに声かけられたくらいで大喜びで私の中から出てきちゃったし! はっ!? まさかリリスまで!? 寝取られる!?



「ぜぇ~ったい!!! 負けないからぁ~~~!!!!」




----------------------




 負けた……また負けた……。



「リリスまで寝取られたぁ……」


 ショックのあまり一人で屋敷を飛び出してきてしまった。


 ネメちゃんもリリスも追っかけて来てくれていない。やっぱり今頃はもう……ぐすん。



「アッシュ」


 ……。


 …………。


 ………………。


 ……いないんかい。


 こっそり付いて来てくれてるのかと思ったのに。


 やっぱアッシュの主はあくまでリリスということか……。


 だから私のハーレムにも入ってくれないんだね……。


 ……このまま旅に出ちゃおうかな。


 次はどっかのお姫様でも口説き落として……。


 次ってなにさぁ……。




----------------------




「エコー様が? ボードゲームで惨敗して?」


「そうなの。飛び出して行ってしまって」


「連れ戻して。今すぐ」


 ネメちゃんたらご機嫌斜めだわ。さっきまであんなに燥いでいたのに。エコーの姿が見えなくなっただけなのに。


 私と同様、ネメちゃんにはエコーとの繋がりがあるから、たとえ側に居なくたってその存在を感じられるだろう。


 けれどそういう問題じゃないのよね。ネメちゃんはエコーが大好きだから側に居てほしい。


 でも女神様なネメちゃんや、魔物である私が出歩くと面倒も引き寄せそうだから、シアに頼むことにしたのよね。ふふふ♪ ネメちゃんはやっぱり皆のことが大好きね♪ なんだかんだ言って、シアのことも信頼してくれているのよね♪



「なんか嫌な予感してきた。我に動き回ってほしくないなら早くして」


「了解したのだわ!!」


 シアはすぐに飛び出していった。


 きっと不機嫌なネメちゃんに怯えたからなのではなく、エコーの身を案じてのものなのだろう。都市を預かる者としての責任感も無くはないのだろうけれど。


 ネメちゃんの嫌な予感はシャレにならなそうだものね。



「やっぱり私も行ってくるわ」


 こっそりシアたちに紛れて同行しましょう。



「うん。お願い」


 あらま。これは本当に何かあるかもしれないわね。

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