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追放された黒魔術師は神に拾われ復讐を果たす 〜 私の無自覚な一目惚れ、憑依系ヒロインが叶えてくれるそうです 〜  作者: こみやし
04.黒幕女神のマル・ダムール

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04-04.最強勇者育成計画


「増々人間離れしてしまったのだわ」



 シアがドン引きしている。力を『視る』才能に優れた彼女にとって、今の私の姿は『化物』とさえ呼べる代物らしい。


 今日は修行をお休みして様子をみることにした。もちろん私だけでなくティアもだ。今もリリスが全力で馴染ませようと力を尽くしている。暫くは動けないだろう。このまま安全なダンジョンで安静にしているしかない。


 ボス部屋直結ダンジョンは、いかなる者であっても外から入ることが出来ない。私たちが挑戦中として認識されるからだ。そもそも外は森の中だ。その周囲は街道も存在しない平原だ。誰かが偶然発見する可能性の方が低いだろう。




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「はっ! ふっ! へぁっ!!」


 今日も今日とてモニカは一心不乱に剣を振るっている。聖剣と魔剣を振り回し、美しいコマのように回り続けている。


 ティアが面倒を見れない状態でも気にする様子が無い。いつも通りに、当たり前のように自己鍛錬を始めていた。


 この子は何故そこまで頑張れるのだろう。


 私のために魔王を倒すと言ってくれた。それが本気であることはもちろん理解している。疑っているわけじゃない。


 彼女の考えはそれだけだ。それ以上深く考えてはいないのだ。その事実が理解し難いのだ。私には。


 彼女の思考は至ってシンプルだ。その性質は戦い方にも現れている。結局ティアの教えを受けても駆け引きを覚えることは出来なかった。


 彼女はただ愚直に剣を振るうだけだ。彼女が重視しているのは『剣速』と『踏み込み』だけだ。


 近づいて斬る。一心にその技術だけを磨き続けている。


 彼女ならいずれ到達するのかもしれない。小細工の一切を斬り伏せる最強の剣豪に。




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「『居合』を覚えるのは如何でしょう」


 ある時モニカの修行を見守っていたベルタが、一つの方針を提案した。



「モニカ様が好まれるのは、所謂『懸の先』……相手が態勢を整える前や行動を起こす前に、こちらから仕掛けて優位に立つ攻撃的な先手と呼ばれるものでしょう」


 あら詳しい。流石は代々勇者を育ててきたグラディス公爵家のメイドさんだ。


 モニカの圧倒的な身体スペックならば、理に適った戦術なのは事実だ。大抵の相手はこれだけで蹂躙出来るだろう。



「『先の先』……相手が攻撃しようとする心の動きや筋肉の収縮を察知し、相手が実際に動き出すよりも早くこちらから仕掛けて制する技術を身に付けてみては如何でしょう」


 なるほど。複雑な駆け引きを覚えるのは難しいけれど、カウンターを覚えるだけならいけるかもだね。


 その二つを組み合わせることで、モニカの隙は潰せるかもしれない。自分より強い相手には「先の先」、それ以外には「懸の先」そう使い分けるんだね。



「モニカ様にも『眼』の才能はございます。静動の概念を取り入れるだけでも十分に化けるものかと」


「やってみます!」


 いいね。なら私が相手になるよ。力も完全に馴染んだし。




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「はぁっ!!」


 私の放った炎弾を空中で斬り伏せるモニカ。


 先ずは『忍耐』と『反射』の修練だ。


 モニカには動き回るのをやめてもらい、私がランダムなタイミングで放つ魔術を飛ぶ斬撃で迎撃させてみた。


 最初はついつい動いてしまっていたけれど、段々とその場に留まれるようになってきた。良い調子だ。少しずつ速度を上げていこう。


 それもクリアしたら、今度は私が魔術を放つ前に攻撃してもらおう。私は段々と隙を無くしていこう。いずれは私が魔術を放つと思考した時点で斬り伏せてくれることを願う。そこまで育てば完璧だ。下手な駆け引きなんて必要ない。ただ相手を見て動きに応じた動きをすればいいだけだ。


 彼女が身につけるのは『懸の先』と『先の先』。その二つだけ。それで十分に戦える筈だ。もしモニカが私を倒せる程に強くなれたのなら、私はモニカと二人で魔王を倒そう。そうでないならやっぱり私は一人で魔王を倒そう。


 他の皆には悪いけれど、やっぱり皆のことは心配だから。もちろん今のモニカにだって頼ろうとは思えない。あくまでチャンスをあげるというだけの話だ。



「わたくしたちも頑張るのだわ!!」


「「「おう!」」」


『ティアはダメよ! まだ休んでなさい!』


「そんな!?」


「「「あはは♪」」」


 楽しそう。アッシュまで笑ってるし。珍しい。少しは嫌な思い出も薄れているのかな。だとしたら嬉しいな。

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