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追放された黒魔術師は神に拾われ復讐を果たす 〜 私の無自覚な一目惚れ、憑依系ヒロインが叶えてくれるそうです 〜  作者: こみやし
01.復讐のダンジョンマスター

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01-03.勇者パーティーとの出会い


 これは勇者たちと出会う前の話だ。



「エコーさん! エコーさん!」


 カウンターの向こう側から、弾けるような声と共に身を乗り出してきたのは、小柄で活発そうな女性だった。


 彼女は期待に目を輝かせながら、小さな体をいっぱいに使って身振り手振りで歓迎を示す。その動きに合わせて、栗毛色のポニーテールと豊かな胸部がぴょこぴょこと元気よく跳ね、周囲の空気までパッと明るくするようなエネルギーに満ちている。


 今日も今日とてテンションの高い受付嬢だ。私の担当だ。



「……なに?」


 依頼?



「ビッグニュースです! ビッグニュースですよぉ♪」


 新しいダンジョンでも現れたのかな? その割には他の冒険者たちが静かだ。何か別件ぽい。



「エコーさんをご指名です!!」


 やっぱり指名依頼?



「さっすが我がギルドの誇るエースですね♪ 私も誇らしいです♪」


 どっからツッコんだらいいのやら。



「誰からだと思いますか♪ 驚きますよ♪ 絶対です♪」


 私に指名依頼が来た時点で驚きなんだけど。



「実は今!! この町にいらっしゃっているのです!! あの!! あのですよ!!」


 もう帰ろうかな。



「勇者様御一行です!!」


 勇者? 勇者が私なんかに依頼? 意味わからん。



「パーティーのお誘いです!!!」


 は? 勇者と私が? パーティー? なんで?



「……」


「ちょ!? 黙って帰ろうとしないでください!!」


「……興味ない」


「ダメですよ!!」


 なにがさ。



「エコーさん知らないんですかぁ!? 勇者権限を!!」


「……知らない」


「さては惚けてますね!? これは常識ですよ! 勇者様の誘いを断ることは出来ないんです! 勇者様には特別な人事権が与えられているのですから!」


 なんて傍迷惑な。



「ちなみに私が推薦したんです♪」


「お前かぁ!!!」


「ひぃっ!?」


 思わず大声が出た。久しぶりすぎて喉痛い。



「なんでですかぁ~!? なんで怒るんですかぁ~~!?」


 本気でわかってないの?



「……さよなら」


「ちょっとぉ!? 逃がしませんよぉ!?」


「……放せ」


 この子、受付嬢のくせに力強いね。……私が非力過ぎるだけかぁ。



「ダメですってば! 既に決定事項なんですから! 逃げたら指名手配されちゃいますよ! 他所に移ったって冒険者なんか続けられませんよ!!」


 あんたのせいでしょうが!!



「私のお陰です! 感謝してくださいね♪」


 なにこいつぅ!?



「と・に・か・く!! 明日またいらっしゃいますから! 一度話してみてください!」


「……面接あるの?」


「ええ♪ はい♪ その通りです♪」


 よし。諦めさせよう。そうしよう。



「……また明日」


「帰しません♪」


 えぇ……。何言ってるの?



「今日はギルドにお泊りです♪ 心配要りませんよ♪ 私が一緒に寝てあげますから♪ 寂しくないです♪」


 ……普通にやだぁ。




----------------------




「うん♪ 良いね♪ 合格だ♪」


 うへぇ……。


 勇者は、私を一目見るなりパーティー採用を決定した。しかもナチュラルに偉そう。嫌いなタイプだ。



「またなの!?」


 派手なオレンジ髪で、きっつい感じの魔女っ子が勇者に詰め寄った。……また?



「あの……よろしく……です……」


 短い黒髪のオドオドした子が消え入りそうに呟いた。この装備は教会の見習いのものだ。なんで見習い? 胸採用? 聖女にはフラれちゃったの? そりゃこの勇者じゃね。さもありなん。



「ボクも良いと思うよ♪ これからよろしくね♪ エコーさん♪」


 薄着の斥候の子が手を握ろうとしてきた。私は咄嗟に払い除けてしまった。



「あんた!」


「……ごめん……黒魔術師……だから……危ない……よ」


「なっ!?」


 聞いてなかったらしい。魔女っ子だけ。



「そんなの迷信でしょ♪ ボクは気にしないよ♪」


 私は気にするよ。だから触らないでね。



「ふふ♪ エコーさんってとっても優しいんだね♪」


 そんなんじゃないんだけどなぁ……。



「ちょっと! なんでこんな奴が必要なのよ!? 私がいるじゃない! それにもっと他に必要な奴はいる筈でしょ!」


 そうだよ。魔女ちゃんの言う通りだよ。このパーティーには前衛が足りていないもん。タンク役が必要だ。魔術師は既に一人いるんだし、無理して私を加える必要はない筈だ。



「これは僕の決定だ。歓迎するよ。エコー」


 今度は勇者が手を差し出してきた。


 握手は遠慮させてもらおう。



「気にしているのかい?」


 うん。だって私は自分がどう見られるかを理解しているからね。だからこそ不可解だ。何故この勇者は私をパーティーに加えたいだなんて言うんだろう。ギルドの推薦があったからって不自然だ。私みたいな芋臭い黒魔術師が必要になるとは思えない。


 だいたい勇者パーティーと言えば、女神から力を授かるものなのだ。だから黒魔術師が勇者パーティーに入るなんてあり得ないのだ。だって黒魔術師は神の力を借りて行使する白魔術を扱えないんだもん。過去に前例も無かった筈だ。



「ふっ♪ 面白い子だね♪ 増々気に入ったよ♪」


 本当に意味がわからない。

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