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追放された黒魔術師は神に拾われ復讐を果たす 〜 私の無自覚な一目惚れ、憑依系ヒロインが叶えてくれるそうです 〜  作者: こみやし
02.聖剣と新米トラベラー

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02-02.三角関係?



「あはは♪ あの子本当に面白いわね♪」



 笑ってる場合じゃないと思う。


「ひぇ~~~~!! た~す~け~て~~~!!」


 ほら。呼んでるよ。



「大丈夫♪ 大丈夫♪ 見てなさいって♪」


 リリスはすっかり調子を取り戻したようだ。



「げふっ!?」


 あ、転けた。



 転んだモニカの背後には、一匹の小さなスライムが迫っている。ぴょんぴょん跳ねて、モニカの背後からのしかかろうと飛びついてきた。


 ……と、思いきや。スライムはまるで壁に弾かれたように地面へ落下した。


 その後も幾度となく飛びかかろうとしたものの、尽く見えない壁に弾かれ続けた。



「……あれ?」


 ようやく状況を理解したモニカ。ニヤリと笑みを浮かべると、何を思ったかその場で飛び起きて、仁王立ちでドヤ顔を披露した。



「わっはっはっは! 我こそは聖剣の勇げふっ!?」


 あ、クリーンヒット。


 どうやら守られているのは聖剣を背負った背中側だけだったらしい。スライムの突進をもろに腹で受けたモニカは、悶絶して地に伏した。



 そろそろ助けてあげなよ。


『そうね♪ これでわかったでしょう♪』


 口で説明してあげたらいいのに。


『油断して自ら魔物を呼び寄せたんですもの。今のうちに学んでおくべきよ』


 まあ、ヤブに潜むスライムをわざわざ叩き起こして連れてきたのはモニカだけどさ。


『そんなに言うなら自分で助ければいいじゃない』


 モニカはリリスの恋人なんだから自分で守ってあげなよ。


『結局そういう結論に至ったのね。エコーったら頑固者なんだから』


 この話まだ続ける?


『いいえ。もう泣かされるのはまっぴらよ』


 悪かったってば。


『ふひひ♪』


 調子が良いんだから。




----------------------




「見てましたか!? 見ましたか!? エコーさん!」


 ようやくリリスに救われたモニカは、早々に復活して興奮気味にまくし立ててきた。



「ええ。見ていたわよ。驚いたわ。本当にあなたには勇者の才能があるのかもしれないわね」


「ですよね! ですよね! 私聖剣の力を引き出せてましたよね!」


 亀のように蹲っていただけだけどね。


 というか引き出しちゃダメでしょ。折角封印かけたんだから。



「たっは~♪ こ~まっちゃうな~♪ 勇者ですか~♪ 勇者なれちゃうんですか~♪ 私受付嬢なのに~♪ エコーさんの恋人なのにな~♪ 忙しくなっちゃうかもですね~♪」


 浮かれすぎだと思う。本当になりたいの? 勇者なんて。


 そもそも勇者を選ぶのって女神様と教会でしょ。聖剣が選ぶわけじゃないでしょ。その力を扱える者が限られるからって、聖剣を扱えるから勇者になれるって話でもないでしょ。


『みたいね。けれど可能性があるというのは間違いないわ』


 それでいいの? 都合が悪いんじゃないの?


『そうでもないわ。モニカが勇者ならむしろ都合が良いわ』


 今度は何を企んでるのさ。


『う~ん♪ ふふ♪ ナイショ♪』


 なんだかなぁ~。



「どうします♪ エコーさんどうします♪ 私が勇者になっちゃったら♪ エコーさんも勇者パーティー……あ」


 浮かれポンチちゃんが、スライムみたいな顔色になっちゃった。



「ちがっ! 違うんです! エコーさん!」


「大丈夫よ。気にしてないわ」


「けど! でも!」


「安心して。もしモニカが勇者に選ばれたら、私が全力であなたの旅を支えてあげるわ」


「っ! なりません! 二度とエコーさんを勇者パーティーに加えたりなんてしませんよ! 私はエコーさんの恋人を優先します! 勇者になんて絶対なりません!!」


 何故そこまで言い切れるのだろう。リリスはまだ具体的なことなんて何一つ口にはしていないのに。……リリスって酷いよね。もう少しくらい応えてあげればいいのに。


『なんで他人事なのよ。エコーも当事者よ?』


 リリスが始めたことでしょ。責任取ってよ。


『流石に一線は越えないわ。そこはエコーと足並みを揃える必要があるもの』


 だから言ってるじゃん。分離して自分の身体でって。


『い~や! 私は絶対離れないわ!』


 ますます意固地になっちゃった……。




----------------------




「良い匂いです~♪ エコーさんは料理もお上手です~♪」


 ……ありがと。


『ふふ♪ 料理だけは自分でしているものね♪』


 ……どうせなら美味しいの食べたいし。


『食べさせてあげたいし♪』


 ……リリスにね。


『嬉しいわ♪』


 ……本当に喜んでいるのが伝わってくる。私の心もリリスの喜びに染められていく。思わずニヤけてしまいそうだ。


 ……困ったものだ。




----------------------




「「いっただっきま~す♪」」


 ……うん。美味しい。


 身体を動かしているのはリリスだけど、私もちゃんと感じ取れている。最初は妙な気分だったけれど、私も随分と慣れてきたようだ。


『主導権はいつでも取り戻せるわ♪ 遠慮しないで♪』


 ううん。今はいいかな。


 リリスも喜んでくれているし。


『ふふ♪ ありがとう♪ マスター♪』


 どういたしまして。



「エコーさん♪ エコーさん♪」


 おかわりかな?



「結婚しましょう♪」


 胃袋を掴んでしまったようだ。



「エコーさんのお料理♪ 毎日食べたいです♪」


「……喜んでもらえて嬉しい」


「あはは~♪ さては照れてますね~♪」


 そういうモニカこそ。



「なんだか久しぶりですね♪ そっちのエコーさん♪」


 ……わかるんだ。私が喋ったら。

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