第三十四話 サイト442~潔白~
瞬間移動した先は、またも部屋だった。
しかし今度は、ドアもあり、もっと明るい。
すぐ横には大穴があって、横には団の仲間たちやお義父さんもいる。
流石に予想外すぎた。こんなにも早く戻ってくるとは、しかもけがしてるはずのナギサやタカネまでいるのだから。
「ようやく来たか、役者がそろわないとなかなか始められなくてね。」
「カ、カイトいや、バルキーノ、お、俺が悪かった、この通り、た、助けてくれ」
声がする方向を見ると、ベレンが二人、しかも片方は笑って片方は泣き崩れている。
俺は開いた口がふさがらなかった。
「ま、わかりやすく説明してあげるから、とにかくその口を閉じろ」
笑っている方のベレンが相変わらず笑いながら話を始めた。
「…………」
話が終わり、ひと時の静寂が訪れた。
というか、侵略戦争やら宇宙人やらが背後でやらかしていたのは正直意外だった。
一つ一つ解いていこう。
どうも、侵略戦争の時、運よく脱出船に乗って地球に落ちた宇宙人がいたらしい。
そいつがベレンと手を組んで、あ、本人は無理やり組まされたって言い方をしてたけど、まあそんな感じで今回の計画が進んだらしい。
本人曰く、妻子を人質に取ったとか取られたとかよくわかんないことを言っていた。
んで、計画が進んで、止まらなくなって今みたいな状態になったのだとか。
「まあ、説明したから、お先に失礼するよ。」
そう言うと笑っていたベレンはゆっくりと歩き始めた。
「まだ終わってないぞ、ベレン、」
そういうとお義父さんは再び、銃を取り出した。
「何度やれば気が済む、先に言っておくが無駄だ。」
そういうとベレンは思いっきり手を前に突き出した。
「うっ」
銃から手が離れる。
そのままベレンが手を上げるとつられてお義父さんの手も上がる。
「ずいぶんと不健康な生活をしてるんじゃないのか?体中の鉄分がちょっと多いみたいだぞ。」
な、今の話から察するに、ベレンは今、お義父さんの体内の鉄分を操って間接的にお義父さんを操ってることになる。そんなことも出来んのかあいつは。
その時、突然ベレンが爆発した。ように見えた。
すぐ後ろには、見慣れない生物のようなものが立っていた。
「あんたの出番は終わりだよ」
そいつが合図をすると、奥から女の人が出てきた。
「お母さん!?」
隣で叫んだのは、なんとタイチだった。
「はじめ!」
人質に取られていた妻子というのは、タイチとそのお母さんだった。
つまり、タイチはベレンの子供!?いや、そうとしか考えられない。
「次はあんたの番だよ。」
その生物が指したのは、泣き崩れていたもう一人のベレン。
「とっととこっちに来い!」
その先には、何やら青く光る謎の機械が。
その生物は、そのベレンを無理やり連れていくと、その青い機械に押し込んでスイッチを入れた。
「バルキーノ、か、地球にはお前がいるんだな。よく覚えておこう。では、また会おう。」
その生物は、小型の飛行機のようなものに乗り込み、そのままどんどん上昇し、そのまま見えなくなった。
俺らはそのあまりにもあっという間の出来事に、固まるしかなかった。
「バルキーノ、早くあれを止めるぞ。」
お義父さんが指した先には、生物がベレンをのせた機械。
俺らは急いでその機械に近付く。
パネルには、「2×××年、□月○日、転送中…」となっていた。
「おい、確かこの日付、お前の実験日だぞ。」
お義父さんが大声で叫ぶ。
「早くこれを止めなきゃ。」
俺はすぐ近くのプラグを引っこ抜いた。
遅かった。パネルは一瞬、「転送完了」となり、プラグが抜けたことによる漏電で爆発したようだった。
その時、お義父さんの無線に一報が入った。
「地上で交戦中だったすべてのロボットが、機能を停止、これより、回収を始めます。」
ということで、サイト442シリーズが完結(?)しました。もちろんバルキ―ノ自体はもう少し続きます。と言ってももうほとんどエピローグしか残ってませんが(汗)
さて、なんか展開が速すぎてぎゃあーーとなってる人にこの話で明らかになったことを話したいと思います。
1、ベレンの子供がタイチだったということ。
2、二人のベレンのうち、片方は宇宙人に殺され、片方は過去に転送された事。
重要なことはこんなもんでしょうか。
2のほうですが、無論、日にちがバルキーノの実験日であることも重要です。
さて、ここでまたもやちょっと謎。
1のほうで、作中ではベレンは、妻子を人質に取られたと言ってます。
しかし、実際に人質として建物の中にいたのは妻(つまりはタイチのお母さん)だけです。
つまりどういうことでしょうか、もちろん実は宇宙人が嘘をついていたとかそんなことはありません。これは…また今度明かします。
この後も少し、サイト442のあとの話から、エピローグに繋げていく予定です。もう少しおつきあいください。
sherry




