第二十六話 サイト442~困惑~
大穴の開いた壁に吸い込まれるように全員が入っていく。
入って左折、まっすぐ廊下を行く。十字路、ここはまっすく直進。T字路、右折。ここからは道なりに進む。
ここまで全く敵の気配を感じない。まるでここだけ異空間のような様子だった。
突き当りにドア、普通に開く。だんだん気味が悪くなってきた。その先に階段。いたって普通の階段。
階段を下りていく。ドアがある。ここも普通に開く。電源室に繋がる通路のはずなのに護衛もいなければドアも無いに等しい。
おくには何やら部屋。おそらく電源盤の類だろう。壁に四角いものがついている。
「じゃあ切るよ。」
リュウが開けたその四角いものは確かにブレーカーの類だった。
「ちょっと待って、その前に連絡入れるから。」
そういってナナミは無線を取り出し、お義父さんにつないだ。
「・・・じゃあ切るよ。」
ナナミがリュウに合図を送る。
リュウがレバーを下げると、確かにここは真っ暗になった。地下室だからほんとに真っ暗だ。
「切ったのか?相変わらず動いてるが。」
「こっちは真っ暗だよ?」
「おい、ちょっと待て、そっちの無線から変な音がするぞ。」
「え?」
そのとき、はっきりと何かが動く音がした。入り口の方から、、、
慌ててペンライトを向けたが何もない。
まだ動く音がする。なんだ、機械音?ロボット?
もう一度入り口にライトを向ける。何もない。
「一回ブレーカーつけて。」
流石団長、それなりに冷静だ、と思ったら当の本人はすごい引き腰になってる。単に怖かっただけか。
少しして電気がつく。周りはおろか、入り口の影にも何もない。ここにはそう隠れられるような場所はないと思うんだが。
「おい、聞こえるか。」突然無線が声を上げたので持ってた本人が滑稽なくらい飛び跳ねる。
「おい、どうした?」いや、あんたの声にびっくりしたんだよ、お義父さん。
「はあ、はあ、はあ、んで、何?」
「今の機械音、こっちで分析したら、特徴は攻撃型ロボット、マーク5タイプだ。だがかなり音が軽い。おそらくそんな重装備じゃないはずだ。」
「それ、どんな奴?」
「ん~?大きさなら例のマーク3を一回り大きくした感じだ。」
それなりの大きさがある。少なくともここには隠れられるものはない。
また機械音。でも今度は前じゃない、後ろのほ-
「危ない!」
とっさに身をかわしたが足に当たってしまった。
「くっそ、自分の腕が合金なことをいいことにして殴るとはな。」
「バルキーノ、大丈夫?」
「あ、ああ、なんとかな。」
俺は足の激痛をこらえながら、ゆっくりと力を抜いていった。
少しすると足は元通りになった。そう、自然回復力、骨折まで治すとは優れものだ。
「あれ、ロボットは?」
タカネが周りを見渡し、叫んだ。機械音がするが、地下で反響してるせいかどこからしているのかわからない。
「・・・いた・・・」珍しく声を上げたのはジュリ。
持っていたライフルをぶっ放す。
撃った先には、さっきにはいなかったはずの合金の塊が、、、
「おい、マーク5タイプは首の関節の後ろ側に重要な配線が集中している。なんか固いもので一発そこを殴れは数分は動かなくなるぞ。」
またもや無線からアドバイス。なんかで殴ればいいんだな、俺は持っていたライフルの銃口側を持った。
「また消えたぞ」
俺がその一瞬目をそらしたスキに、そいつはまたいなくなっていた。
「後ろ、来る」今度はタイチが早かった。
同じようにしてまた姿を現す。
「奴は一体、、、」
また消えた。しかし今度は、機械音がはっきりと聞き取れる。たぶんいるのは俺のまえ-
目の前を線が走った。横にはジュリ。
やはりさっきまでいなかった奴がいた。
そろそろ片づけるか。俺は目の奥に力を入れて、思いっきりライフルを投げた。
投げたライフルは奴の横をすり抜けて、、、
Uターンして奴の首を直撃した。
はあ、ひと段落。電気で磁界が作れると本当にいろんなことができるな。ん?頭痛?もちろんしてるけどなんか?
「ねえ、ここ、なんか扉あるんだけど。」ナギサが言う。
「ん?こんなのあるなんて聞いてないぞ。」ユウイチも続く。
「お父さん、なんか扉あるんだけど、確認できる?」すぐに連絡を入れるナナミ。
「いや、こっちには何も。丁度お前たちが立っている目の前はただの壁だぞ。」
どういうことだ?まさかドアの絵?なわけないよな。
電子ロックちゃんとあるし。
でもあのハイテクディスプレイには何もでないってどういうことなんだ?




