第二十五話 サイト442~侵入~
ものの5分で到着。飛ばしすぎです。はい、死にかけました。
とまあやっとこさで車を降りて目に入ったのは目を疑うような光景だった。
ついこの前までがれきの山だった場所がすっかりコンクリート造の建物に戻っていた。しかもその地面の下、つまりは地下階に繋がる通路からはあの独特な金属光沢を帯びた超硬合金の奴らがひっきりなしに出てきては、各々の方向へ飛んでいた。
「こう、じょう?」リュウが漏らす。
確かにその光景は人類を殺戮するための工場のようにも見えた。
「馬鹿な、あの超硬合金は値段が高い上に加工が難しい、あんなに大量生産できる代物じゃないはずだ」とお義父さんの解説が入る。
「大量生産できる画期的な方法を見つけた、とか?」ナギサが突っ込む。
「可能性はなくはないがこんな短期間で工場立てて実践できるとも思えんな」
確かに、ついこの前まではがれきの山だったのだ。しかも軍の監視付き。そんな中でどう工場を作ったんだ。
「とにかく、ほっとくわけにはいかないな。」とユウイチ。
俺も短く「ああ、」と返事をする。
「おい、行くならちょっと待て。こっちの応援があと1分で来る。」
あ、そうですか。待っててもしょうがないので先に行かせてもらい-
「中の様子ぐらい見てけ。じゃないと危険すぎて行かせられない。」
ちょっとかっこいいこと言ってみた感が半端なかったけど子供思いのいい親ってことでスルーした。
あ、来た。一台のトラックがここに来た。ナンバーはちゃんと軍仕様。中からは例のサイバー犯罪テロ何とかかんとか部の人たちと見慣れないマークの人たちが5~6人、アタッシュケースを持って降りてきた。
「あ、えーととりあえず初めてのがいるから簡単に挨拶だけ、こっちの見慣れない人相悪そうな人たちは陸上部隊特殊攻撃援護班の精鋭メンバーだ。見かけによらず性格はいいから安心してくれ。」
「え、あ、よろしく願いします、、、、」と一様あいさつしたが、当の精鋭メンバーはこちらにお辞儀しただけでアタッシュケースから何やら取り出していた。
ものの数秒後、見るとアタッシュケースの上が簡易的なコントロールパネルでいっぱいになっていた。
そしてそのパネルには目の前の建物の内部構造がすでにアップされていた。
「左から40mの地点の壁を壊せば直接中に入れるわよ、中に入ったら左折、直進、右折で階段、そこをさがればメインの電源盤があるわ。」
なんとこれを操作していたのは女性だった。持ってる物のハイテクさよりもそっちに驚いてしまった。
「なんかあったらこいつらも出られるから、すぐに連絡を入れろ。20分後には屋上から陸上部隊の突入班と特殊工作部員が入る予定だ。合言葉は、「私とスズメが言いました。」だ。いいな。」
横ではランチャーを片手にしている人が一人。いや、そんなことしなくても俺がテレポートすればいいんだけど、、、
そんな事はお構いなしにぶっ放してくれるそうなので甘んじて乗ることにした。
応援が到着するまで20分、ここをどう乗り切るか。電源を落として工場を止め、なおかつ見回りもいるだろうから相手をしなくてはならない。
激しい爆音が響く。今、決戦の火蓋が切られようとしていた。




