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バルキーノ  作者: sherry
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第二十三話 惨状 ~冥土~

とりあえずあるだけ武器は持ってきたものの、これは酷かった。


どこを見ても安全そうな場所がない。ひっきりなしに光が一閃したり何かが飛んだり怒涛やら赤ん坊の泣き声でそこらじゅうの空間が埋め尽くされていく。


「かなりまずいな、、、」リュウがつぶやく。無理もない、辺り一面火の海地獄の惨禍だった。



たまらず廃墟と化した10何階建てのビルに身を隠す。が、どうやらむしろ仇となったようだった。


上の階から、カシャ、カシャ、と奴らの足音が聞こえる。どうやら階段を下っているようだ。数もいる。どうやら頭をおかしくした殺人ロボットの巣窟に入ってしまったらしい。


ここはホール。周囲を階段が囲んでいて、さらに激戦のあとだろうか、様々な残骸が床に散らばっていてあまり走れそうにない。俺たちは思わず身構える。



まだ足音がする。どうやら上の階を動き回っているようだ。かなりの数がいるらしく、あちこちから同じような足音が響いている。


「ちょっとまずいな、、、応援(ひと)呼んでくる。」と言ってお義父さんが無線機を取り出す。それと同時に団員は拳銃を取り出す。と思ったら持ってきたアタッシュケースを開いて何やら組み立てている。


アサルトライフル、って俺の分もあるのか。正直当たる自信はないのでいらないのだが、、、

とりあえず受け取っといた。



「あ、俺だ、天空楼の1階にいる。どうやら中が巣窟になっているみたいで応援が、、、」


お義父さんの無線の話し声を遮断するかのようにいきなり天井が落ちてきた。正確には前後の天井が落ちてきた。


そのがれきの中から現れたのは、10体近い奴ら。幸い9体がここらで働いていた産業用の人そっくりの奴らだった。こいつらは骨格も人をモデルにしているため、骨以外はそう固くはない。ただ残りの一体が、問題だった。


「あの金属光沢からして間違いない。攻撃型ロボット、マーク3タイプだな。奴の外骨格は超硬合金だから傷一つすらつかないぞ。まあ幸い、能力は持たないから武器はマシンガンとナイフと火炎放射器くらいだな。」とお義父さんから説明が入る。



完全に挟まれた。とりあえず邪魔な産業用から倒すしかない。向こうもスコップやら鎌やら持っているから完全にやる気なんだろう。ありがたいことにここにいるのは俺たち団員が8人とお義父さんで9人。一人1体倒せばボスバトルになる、、、はずだった。



俺が当たるはずもないライフルを構えた瞬間、周りに残っていたのは攻撃型のボスのみ。産業用ロボットとかっていう奴らはその辺に転がっていた。


「なるほどねえ、軍が大方制圧できるわけだ、」とナナミ、「弾当たったら壊れるじゃん」とリュウ。


あ、俺が構えている間にフルオートでぶっ放したんだ。人の分までどうもありがとう。


というわけで残ったのはいかにも固そうな軍用攻撃型ロボット、マーク3タイプだ。


「そんじゃあとっとと片付けよう。」とリュウがわざわざ首に相当する関節めがけてフルオートで撃ちつづける。が、傷すら付かない。弾は当たっているように見えたけど何なの?


「流石軍用、無駄に固いな。」と感想を漏らすリュウ、それに対して自慢げな顔をするお義父さん。いやいや、飼い犬に手を噛まれてどうすんだよ。



ふと気が付くと、今まで無反応を決め込んでいたマーク3の手が微かに動いている。手に持っているのは…


突然手の近くから火が飛び出してきた。火炎放射器を持っているとか言っていたのはこれのことだろう。


今のところこっちに火が来る心配はなさそうだが、周りに散乱している机が燃え始めている。


「逃げ道をふさごうとしているみたいだな。やっぱあの人工知能、頭いいな。傑作だ。」とお義父さん、どうもこの人はいろんな意味で常人離れしているらしい。




このままじゃ明らかにまずい。手持ちの者で奴を倒せるものがないうえに逃げ場はない。こんな状況でマシンガンでも乱射して来たらまず応援は待てないだろう。能力で火を消したいところだがかなり強く燃えていてなかなか消えそうにはない。


どうする、、、どうすればいいんだ、、、

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