第二十話 再開?
そんなこんなで10分程経った後、再び車のエンジン音がして車が止まった。少したって玄関の扉が開くと、そこにはシャロンを少し小さくしたような感じの俺たちと同じくらいの女性が立っていた。
適当に自己紹介を済ませ、あとはジャービスとダミーに建物の案内をして、俺たちは引っ越し屋の手伝いをした。その途中、ジュリと呼ぶことになった彼女がこちらのほうを向いて、「また会ったね。」とつぶやいたような気がしたが、こちらと言っても周りには団員がいるわけで誰に言っているのかもわからず、スルーしてしまった。
ようやく落ち着く事ができて、俺たちはソファで休んでいた。ダミーが今度は全員分のお茶をしっかりと持ってきた。
危うく一眠りしそうになっていたころ、いきなり玄関の開く音がした。ふと時計を見ると夕方5時を指していた。
あの玄関の無駄に厳重なロックを解除できるのは、ここに住んでいる団員とお義父さんだけ、団員はここにいるから入ってきたのはお義父さんということになる。
と思ったら入ってきたのはお義父さんだけではなかった。どうもパソコンを持ったいかにもエリートです風な人が5~6人、えーと、確か胸についているあの独特のマークは、、、
「こちらはサイバー犯罪テロ対策特別捜査部の人たちだ。何度かお世話になってるから覚えているよね?」
ああそうだそうだ、ナイトバロンの時に発信源の逆探知をしていた人たちだったなっと思って顔を見ると、びっくり。引っ越しの手伝いをしてくださった方々だった。お義父さんにこき使われてることを悟った。お勤めご苦労様です。
「あ、そうそう、今回は進展があったみたいで直に話がしたいみたいだったから連れてきたんだけどいいよね?」とお義父さんが続ける。
数分後、直にしたかった話が終わった。どうもナイトバロンを送ってきた奴が分かったらしい。
なんでかっていうと、どうも送る時に使ったメアドと同じメアドでケータイ電話から発信されているのが分かったらしいとか言っていた。まあよくわからなかったが。
俺が口を開けていると、横からナナミが俺にもわかるように通訳してくれた。どうやら、ナイトバロンを送り付けてきたやつが使っていたパソコンのメアドと同じメアドで、今度はケータイ電話からメールのやり取りがあったらしい。それを突き止めて、逆探知したということだった。
「そんで、そのケータイの契約者が、こいつだったってわけ。」そういわれて見せられた一枚の紙。そこにあった写真にはなんと、、、
「ねえ、この写真、まさか、、、」そうタカネがつぶやきながら壁に貼ってある一枚の写真に目をやった。
天井からは、「写真を確認した所、顔認証システムによると、同一人物である可能性は98%です。」とジャービスが結果を教えてくれた。
「ずいぶんなじみの人物だよな。」お義父さんがそう話した。
ナナミが「UNKNOWN…」とその壁の写真の裏に書かれている文字を読んだ。やっぱりそうだ。俺がこの団に入った原因となった人物。
「資料はここに掲載されている、こいつはベレン、2月29日生まれ、一様無職となっているのは国家機密を扱っているからだろう。」お義父さんがその資料を読み上げた。そこにはほんとにそれしか書かれていなかった。
そっか、ベレン、、、その紙には確かにVERENと書かれていた。そして上には、最高レベルの機密情報、TOP SECRETの文字が。
ホントに得体のしれないやつだということだけ、共通の理解が一つ増えた瞬間だった。
その横で新入りのジュリも、何か思う節があるのだろうか、何かを含んだような顔をしながら、俺たちの顔色をうかがっているようにも見えた。




