第十一話 突然の襲撃
あれから二、三日、俺はずっと食べては寝て、の繰り返しだった。
というのも、能力を使う頻度が多かったせいで、かなり体に疲労が溜まっていたようだった。
かなりの時間休んだおかげで、かなり万全に近いほど体から疲れが取れた。勿論、寝てばっかりでも死んでしまうので、俺はひまな時間を射撃の練習に当てた。この前の時にかなり悔しかったからだ。
しかし、どうもこういうものには不向きなようで、何回やっても一向に的に当たらない。今はタカネが見てくれているが、本人もお手上げ状態で今は言葉の通り見て(傍観)いるだけである。
そんな日が2~3日、銃撃ってるやつが言うセリフじゃないが、平和でいい日だ。
そして今日も、俺はそんな日を過ごしていた。丁度昼頃になったので昼食を食べに上に行く。団員全員で食卓を囲んで、昼時のニュースを見ながら昼食を食べている。
いつものように、のどかな青空の上でヘリが飛んでいる。いつもより多い気がするが、そんなことしょっちゅうだから気にしない。
ただ、俺たちはニュースを見て驚いた。軍の兵士の官舎にあったパソコンが空き巣にやられたというものだった。しかもその官舎、ここの近くにある。おまけにその空き巣が入った部屋というのが、この前にしんがりをやってたあの兵士の部屋だった。
偶然とは思えない。それはそのニュースを見ていた団員全員が思ったことだった。
その時、上のほうでガタッと音がした。全員が天井のほうを見る。どうも屋根の上からのようだ。相変わらずヘリの音がする。
俺はとっさに、テレビで見た人質の救出作戦を思い出した。あれはたしか、ヘリコプターから軍が屋根の上に降下して、そこから周囲を囲む部隊と天井上から突入する部隊に分かれて突入するものだった。
周りを見ると、タカネがみんなに地下室に行く準備をするように指示を出している。そうか、父親が軍人だとこういうことには詳しいのか。ユウイチがパソコンを外して地下室に持って行った。
俺は急いでリュウとタイチに窓のカーテンを閉めるように言った。元から窓があまりないので、そんなに時間はかからない。俺はその間に自分のジャケットを持ってきた。中身は病院の時のままだ。せっかく休んだのが無駄になる気もするがしょうがない。
窓は二か所、玄関が一か所、天井に脱出口はないから、おそらく来るのはこの三か所。最初は大概小型で威力が低い手榴弾、あるいは閃光弾。いずれにしても、先に投げられたんじゃこちらに勝ち目はない。
なんせヘリから降りてきた連中だ。何人いるかもわかったもんじゃない。ナナミがこっちに合図してくる。どうも、早く地下室に来いと言いたいらしい。
俺はナナミに先に行くように言って、地下へ向かった。
地下なら弾はあるから大丈夫かと思いきや、拳銃は別のところに保管している。持っているのは俺だけ。ということで真っ先に俺はユウイチに拳銃を渡して、装填するように言った。俺も一丁しかないので、ナナミたちには机を倒してそこの裏にいるように言った。まあ言う前からそうしようとしていたのだが。
敵を食い止められるのは俺とユウイチだけ、相手は何人いるかはわからない。はっきり言って最悪なタイミングだ。
リュウが、パソコンを開いて画面にある場所を映し出した。アジトの中にあるライブカメラ。そこには、数十名の銃を持った人が流れ込んでくるところが映し出されていた。人数が多いせいか、すぐに地下に伸びる階段が見つかる。それと同時に、扉が開いたからか、上の声がよく聞こえるようになった。
リュウがパソコンを閉じて後ろに下がった。これでここは真っ暗、同時にサーチライトのあかりが階段のほうから見え始めた。
俺は近くにあった薬莢を拾って、階段の奥めがけて投げた。コンクリートに当たってカラカラと音が響いた。同時にサーチライトがこっちに向く。そこにめがけてもう一個薬莢を今度は撃つ-サーチライトの光が消えた。
と思ったら今度は黒い拳が飛んできた。感覚で手榴弾だと分かったので、キャッチして投げ返す。ふつうの起爆装置なら約5秒で爆発するのでぎりぎり投げ返しても問題ない。
その手榴弾は投げた元へ帰り、そこで爆発した。
しかし足音は依然やまない、いくらなんでも多すぎる。何かいい方法はないのか?




