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バルキーノ  作者: sherry
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第十話 入院中…

次に目が覚めたのはまた白いカーテンと白い天井の病院。あの時と同じ風景だ。


今度は何があったかよく覚えている。いちいち不運の連続が多い気がしてうっとうしい。


幸いにも、ナナミとタカネは2針の切り傷、リュウやタイチも3針と、大したけがではなかった。


今はユウイチとリュウが俺のベッドの机の上で腕相撲している。


リュウもかなりの力持ちだが、ユウイチにはかなわないようで、今は3連敗中、審判はナギサがやっている。


巻き込まれた兵士にも、骨折はあったものの、完治一か月とそこまでの重傷ではなかった。


俺はというと、包帯が巻かれたところがない。ていうかばんそうこうでさえ貼られていない。つまりはけがをしてないということ。


リュウのお父さんによれば、おそらく治癒能力を持つロボットの能力で、普通の人間より自然治癒能力がかなり強いようで、傷もすぐに治ってしまうらしい。


頭をぶつけても痛いだけで済んだのもそのおかげかもしれない。そんなこんなで注射も刺しっぱなしになるので今はしていない。というかけがでも病気でもないからする必要もないんだが。


念のために療養中ってことだ。が、暇で逆に死にそう。今は目の前の腕相撲観戦で楽しいが、1週間の入院となるとさすがに暇だ。あ、また負けた。これで4連敗か、ほんとユウイチは強いよな。


もう面会時間はすぎた。退屈だ。こうなったら瞬間移動でアジトへ戻ろう、、、、とすると看護師が横にいるというまさかな監視付き。


嫌味にも6時間交代で変わるので、居眠りするやからはいない。職務怠慢する不真面目な看護師一人ぐらいいないかなあ。



翌朝、俺はナギサにパソコンの基盤の調査の報告があったらもって来てもらうように頼んでおいた。小鹿のような足取りも、今じゃだいぶよくなったナギサは、俺たちの見舞いにわざわざ来てくれる。


タカネやナナミは今日退院だったはず。タイチとリュウは昨日のうちに退院したから、残るは俺だけになる。なんで一番ぴんぴんしているやつが最後まで入院しなくちゃならないんだよ。


担当医がリュウのお父さんに代わるので、文句が言えないのも事実なんだが。


どうも病院は、俺のけがよりも能力を使った時の頭痛やら熱に興味があるらしく、医者や看護師が来るたびに「頭痛くない?」だの「熱ない?」だの聞いてくる。そんなに調べたいなら遠慮なく能力使ってやろうか?丁度俺のジャケットはすぐ横にあるし、そのポケットには例のパチンコ玉が10発位入っているからさ。症状を調べたいなら最大限のパワー使ってやるよ。



そんな冗談は置いといて、その代りと言っては何だが、入院食はかなり豪華でおいしい。入院費も軍が持つとのことなので、お金の心配はない。


その点では、特に不快なわけでもない。が、やっぱり暇だ。この病院はずいぶんと広いらしく、散歩に出かけたら危うく迷いかけたところだった。1週間もいればどっかしらのタイミングでユウイチは確実に迷うだろう。大丈夫だろうか。



そんな日は入院4日目に訪れた。トイレ行ってくると席を外したユウイチが30分経っても戻ってこない。そんなわけで団員総動員で捜索開始、俺も入院患者だが別に体が悪いわけじゃないので探すことにした。


さすがに階を移動することはないだろうが、それでも病院は広い。おまけに対象も迷って彷徨っているわけで動くのだ。こういう時は、壁のあちこちに矢印でもはっとけばいいがここは病院、そんなこと許されるはずがない。

てなわけで適当に彷徨って、見つければラッキーということで。


実に素晴らしい暇つぶしになった。みつかるまでに2~3時間かかったからだ。

それにいい運動になった。こんなにも動いたのは久しぶりだった。


無事にユウイチを保護して病室に戻ると、時計は4時30分を回っていた。もうすぐ面会終了の時間。

そんな中、病院の外で電話をもらったナギサが慌てて帰ってきた。


どうも話を要約すると、ナナミたちのお父さんからで、パソコンの基盤のデータを見ることがかろうじてできたということだった。データをアジトのパソコンに送ったので、見てほしいとのことだった。


今病院にいるんですけど…というわけで翌日、ナギサがコピーしたのを持ってきてくれた。そこには、誰かがこのパソコンで誰かと頻繁に連絡を取り合っていた事や、コンピューターウイルス、ナイトバロンを改造していた証拠、さらには俺たちが例のコンクリ-トの山になった実験室、サイト442と軍で呼ばれているその場所に行った時の隠し撮り写真まで出てきた。


おそらく、探している写真の人物、UNKNOWNに関係のある人物の仕業に間違いないことは明白だった。記憶さえあればと嘆くのだが、それについては頭がいたくなるからできるだけ考えないようにした。



いよいよ退院、結局俺は病院ではなんら症状も出さずに退院することができた。

頭痛いなんて言おうもんなら何が起きるかわからなかったので、正直よかった。


ナナミの運転するバンでアジトへ戻ってきた。結局パソコンの基盤だけが唯一の成果であり、UNKNOWNを探す大きな手がかりになるだろう。



ナナミがまた数日ほど休みをくれた。今度は何もなければいいのだが…。


そんな期待とは裏腹にまたある計画が着々と進んでいることを、知る由はなかった。






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