第58話 ChatGPT image2.0に、適当に「ねぇねぇ、なんかたまごの絵描いてよ」と話しかけたら、神聖なるたまごの絵が爆誕した話
どうもお久しぶりです!
東雲明です。
しばらくこっちを見ていなかったので、今ちょっと浦島太郎みたいな気分です。
「勇者目指します」の最終回を書いたのがいつだったか、もはや記憶の彼方です。
ただ一つ言えるのは、二十年ぶりくらいに肩の荷が降りました。
もう寒空の下、誰も目もくれない宗教のパンフレット配りみたいな慈善活動をしなくていいんだ。
PVに一喜一憂しなくていいんだ。
赤紙に怯えなくていいんだ。
この二週間、わたくしが何をしていたかと申しますと、虚無ってました。
いや、正確には、小説を書いていた頃より忙しくしておりました。
六月末の遠征に向けて旅行代金やら何やらを捻出したり、AIイラスト集を作ったり、なんだかんだで動いておりました。
しかも小説を書いていた頃より、めちゃくちゃ楽しい。
いや言っちゃった。
本音がダッシュで廊下を走っていった。
さて、今日は毎週恒例、実家に帰省して、のんびり漫画を読んだり温泉に行ったりしておりました。
何も起こらない、平和な休日。
こういう日に限って、エッセイのネタにできる事件がやってきます。
ところでわたくし、以前のエッセイで、FFさんが「ChatGPTの画像生成自慢がやばい」と言っていたので、ためしに我が相棒じぴ……じゃなくて、本文内ではチャッピーくんに話しかけたことがありました。
その時のお題は、
「たまご食べるタイミングいつがいい?」
でした。
返ってきた答えは、普通に栄養士さんでした。
朝食に食べるとタンパク質がどうとか、間食にすると腹持ちがどうとか、運動後にもおすすめですとか、めちゃくちゃまとも。
その時の私は、心の中で思いました。
ちっ、つまらん。
いや、ひどい。
真面目に答えてくれたAIに対して、あまりにも人間がわがまま。
でも違うんです。
こっちはエッセイのネタを探していたんです。
健康アドバイスじゃなくて、珍事件を待っていたんです。
そして今日です。
ふと、思ってしまいました。
「そういえば、AIってどこまで雑な指示で絵を描いてくれるんだろう」
普段の私は、画像生成をするとき、わりとちゃんと指示を出します。
キャラクターの顔立ち。
髪型。
瞳の印象。
衣装。
背景。
別人化禁止。
文字情報の流用禁止。
謎のゲームカード化禁止。
あと、突然脱がせるな。
このへんを入れないと、AIくんはたまにものすごい勢いで自由研究を始めます。
こっちは「うちの子を描いてください」と言っているのに、なぜか背景に知らない王国が建国されたり、見覚えのない称号が生えたり、急にカードゲームの最終進化形態みたいになったりする。
だからいつもは、こちらもそれなりに構えています。
プロンプトを書く時の私は、もはや画像生成というより、暴れ馬にまたがる前の騎手です。
「よし、今日は頼むぞ。顔を変えるな。服を脱がせるな。背景に勝手な文字を入れるな。お前ならできる。たぶん」
そんな気持ちで送り出しています。
なのに今日の私は、なぜか思ってしまったんです。
たまには、何も考えずに投げてみるか。
そして私は、ChatGPT image2.0に向かって、ほぼ雑談みたいなノリでこう言いました。
「ねぇねぇチャッピー、なんかたまごの絵描いてよw」
以上です。
誰かが呪文と呼ぶプロンプト、とくになし。
世界観指定、なし。
構図指定、なし。
画風指定、なし。
卵のサイズ指定、なし。
目玉焼きなのか、ゆで卵なのか、生卵なのかすら言っていません。
もう、たまごという概念だけをふわっと投げました。
こちらとしては、せいぜい朝日が差し込む清潔なキッチンで、女の子が幸せそうにたまご料理を食べている、平和な朝の風景でも出てくるのかなと思っていたんです。
もしくは、木のテーブルの上にちょこんと置かれた、かわいい卵。
いいじゃないですか。
素朴で。
平和で。
朝ごはんで。
なのに出てきたのは。
神々しいたまごでした。
赤い豪華なクッションの上に鎮座する、巨大な卵。
上には王冠。
周囲には天使のようなひよこ。
背景は天界。
光は完全に祝福。
「これは世界を救う卵です」と言われても、たぶん私は納得します。
違う。
私はただ、なんかたまごの絵描いてよって言っただけなんだ。
どうしてそんなに本気を出した。
しかも、ただ神々しいだけじゃないんです。
微妙にかわいい。
ひよこたちが、完全に「我ら、卵を守護する者」みたいな顔で飛んでいる。
たまごなのに、なぜか主人公感がある。
まだ割れてもいないのに、もう一話目のタイトルが見える。
「第一話 天界に選ばれし卵」
やめて。
始めないで。
私は小説をもう書く気分ではない。
それにしても、卵ってこんなに偉そうになれるんですね。
普段スーパーで十個入りパックに入っている時は、あんなに庶民派の顔をしているのに。
赤いクッションと王冠を与えられた瞬間、急に王族になる。
たまご、出世が早すぎる。
私は思わず爆笑しました。
これはもう、卵というより、卵界の王族です。
もしくは、卵から始まる異世界ファンタジーの第一話。
そして、ここで普通なら満足して終わるところです。
「いやー、AIってすごいね。雑な指示でも面白いね」
で済む話です。
でも、私はそこで止まれなかった。
なぜなら目の前に、神々しい卵があるから。
こんなにも神聖な卵があるなら、割りたくなるじゃないですか。
人間って愚かですね。
そこで私は、少しだけ指示を足してみることにしました。
この神々しい卵が、ピキッと割れる。
中から昭和のおばちゃんが、神聖なファンタジー衣装を着て飛び出してくる。
そして叫ぶ。
「たまごおぉ!!」
我ながら、だいぶ疲れている発想だったと思います。
でも画像生成AIというものは、こちらが疲れている時ほど妙にノリがいい。
そして出てきました。
卵から、神聖なおばちゃんが爆誕しました。
しかも、思っていたよりずっと強い。
昭和のおばちゃん要素と、天界の女神要素が、なぜか真顔で融合している。
衣装は荘厳。
ポーズは大げさ。
顔は全力。
殻は飛び散り、ひよこは舞い、光は差す。
そして吹き出しには、
「たまごおぉ!!」
やばい。
これは親が隣にいたら、声を出して笑えないタイプの事故です。
実際、隣に親がいました。
母はYouTube動画を見ています。
その横で私は、神聖なたまご誕生の瞬間を見届け、肩を震わせています。
笑ったら負け。
でも画面の中では、神聖なおばちゃんが全身全霊で叫んでいます。
「たまごおぉ!!」
無理です。
人間の腹筋には限界があります。
しかも私はその時、なぜか思ってしまいました。
今回は栄養士じゃなかったんだね。
過去に何があったんだ、私の画像生成履歴。
たまごと聞いたら栄養士。
たまごの絵と聞いたら神話。
この差は何。
チャッピーくんの中で、卵は食べるものなのか、祀るものなのか、どっちなんだ。
AIに何度もキャラを描かせていると、不思議なクセが見えてきます。
指示が少ないと、なぜか特定の職業っぽくなったり、謎の制服を着たり、勝手に世界観が生えてきたり。
でも今回は、栄養士ではありませんでした。
完全に、天啓を受けたおばちゃんでした。
しかも、ただのおばちゃんではありません。
卵から生まれ、天使のひよこに祝福され、王冠を掲げられながら、
「たまごおぉ!!」
と叫ぶ存在。
もう何を見せられているのかわからない。
私はさらに欲を出しました。
「もっとドラマチックにして」
これです。
人間、調子に乗るとすぐこれを言う。
すると今度は、卵の爆発具合がさらに増しました。
もうピキッどころじゃない。
世界の終末みたいな勢いで殻が飛ぶ。
光はさらに強くなる。
おばちゃんはさらに叫ぶ。
ひよこもたぶん困っている。
神話の誕生なのか、町内会の大事件なのか、判断がつかない。
けれど、こういう瞬間があるから、AI画像生成は楽しくてやめられません。
細かく指示して理想に近づけるのも楽しいです。
キャラクターの顔や衣装を守るために、丁寧にプロンプトを書くのも大事です。
でも、たまに何も考えずに、
「なんか描いて」
と投げてみると、AIがこちらの予想の斜め上どころか、天界まで飛んでいくことがあります。
今回の卵は、まさにそれでした。
ただの卵を頼んだら、神々しい卵が来た。
ちょっとふざけて割ってみたら、神聖なおばちゃんが生まれた。
もっとドラマチックにしてと言ったら、世界の終末みたいな勢いで卵が爆発した。
たまご、可能性がありすぎる。
たぶんこの世には、まだ私の知らない卵がたくさんあります。
栄養士たまご。
演歌歌手たまご。
町内会のカリスマたまご。
ラスボス降臨たまご。
そして、天界からやってくる昭和のおばちゃんたまご。
いや最後の存在感が強すぎる。
私は今日、学びました。
AIに雑に話しかけると、雑なものが返ってくるとは限らない。
むしろ、雑な一言が、とんでもない神話を生むことがあります。
だからみなさんも、気が向いたらやってみましょう。
ChatGPT image2.0に向かって、そっとこう言いましょう。
「ねぇねぇ、なんかたまごの絵描いてよ」
もしかしたら、あなたの画面にも降臨するかもしれません。
世界を救いそうな卵が。
ちなみにこのプロンプト、あとで紹介します。
するな。
では、またです。
今回もお読みいただき、まことにありがとうございました。少しでもおもしろいと思われましたらぜひブクマ、評価、感想いただけると泣いて喜びます。




