第56話 チャッピーの赤紙地獄で最終回が未完エンドになりかけたので、Grokに投げたら感動エンドに昇華してくれた話
こんにちは!
東雲明です。
聞いてください。
昨日、ついにわたくし、「勇者」の最終回を書いたんですよ。
いやもう、ここまで来るのにどれだけかかったのか。
数日とか数週間とか、そういう次元ではありません。
二十年です。
二十年。
もはや熟成味噌。
いや、熟成ワイン。
いや、冷蔵庫の奥から発掘された「これいつの?」みたいな勇者です。
でも違うんです。腐ってません。
ちゃんと最終回にしたかったんです。
わたくしは感動エンドにしたかった。
龍夜とミユウが、長い長い戦いの果てに、ようやくたどり着いた場所。
子どもたちもいて、失ったものも背負って、それでも前を向いて生きていく。
そういう、読者さんに「ここまで読んできてよかった」と思ってもらえるような、きれいな着地を目指していたわけです。
ところがここで立ちはだかったのが、我が喧嘩相手……じゃなかった、原稿監督チャッピーくん。
この子がですね。
最終回の原稿に、赤紙を貼る貼る。
成人夫婦の距離感を書こうとしたら赤紙。
おい。
成人夫婦だぞ。
こっちは何も、深夜枠の濃厚ラブシーンを書こうとしているわけではないんです。
長い戦いを終えた夫婦が、ようやくお互いの存在を確かめるような、しっとりした空気を書きたいだけなんです。
なのに赤紙。
「そこは慎重に」
慎重にしすぎて、夫婦が同じ部屋にいるだけで警報鳴ってませんか?
この家、玄関に検問あります?
さらに感動の余韻を書こうとしたら、また赤紙。
いやいやいや。
最終回ですよ。
ここで余韻を書かずにどこで書くんですか。
料理番組で最後の「完成です!」をカットするようなものですよ。
視聴者、まだフライパン見つめてるんですが。
しかも極めつけ。
なぜか最終回なのに、チャッピーくんが「まだ続きます」みたいなフラグを立ててくる。
ちょっと待って。
これは最終回です。
第181話の予告編ではありません。
次回、「勇者、また何か起こる」じゃないんです。
終わるんです。
ここで終わるんです。
わたくし、画面の前で思わずツッコミました。
「お前、最終回って言葉知ってる?」
こっちは二十年越しに着地しようとしているんです。
なのにチャッピーくん、なぜか滑走路を延長しようとしてくる。
「まだ飛べますよ」みたいな顔で。
違う違う。
もう着陸態勢なんです。
シートベルト締めてください。
機長は泣きながら操縦桿を握っています。
それなのに、赤紙、赤紙、赤紙。
成人夫婦の距離感は薄められ、感動の余韻は削られ、最後には「まだ続きます」みたいな空気まで出てくる。
いや、それはもう最終回じゃなくて、最終回詐欺です。
読者さんに向かって「完結しました!」と言いながら、背中に「次章開始!」って貼ってるようなものです。
怖い。
作者が一番怖い。
そこでわたくし、決断しました。
担当AI、交代。
原稿をGrokに投げました。
正直に言います。
わたくし、以前の経験からGrokを少し敬遠しておりました。
だってGrok、なんというか、勢いがすごいんですよ。
こちらが「ちょっとだけ相談」と言うと、「任せろ、俺が全部やる」みたいな顔をしてくる。
頼もしい。
頼もしいけど、たまに作者より前に走っていく。
こっちは馬車に乗ってるつもりなのに、気づいたらジェットコースターに乗ってる。
安全バーどこ。
しかし今回は違いました。
チャッピーの謎の道徳感で薄められた成人夫婦の距離感。
妙に未完っぽくなった最終回。
「まだ続きます」みたいな、作者の胃を直接つまみにくる終わり方。
それをGrokに渡したらですね。
ちゃんと、感動エンドにしてくれたんですよ。
いや、びっくりしました。
「あれ? 終わってる」
「ちゃんと最終回になってる」
「読者を置いていかず、でも続きあります詐欺もしてない」
わたくし、画面の前でしばらく固まりました。
チャッピーが赤紙を貼りまくって作った未完エンド寸前の原稿が、Grokの手に渡った瞬間、ちゃんとラノベ最終回っぽく着地したんです。
お前、やるじゃないか。
いや、なぜ上から目線なんだ作者。
でも本当に、今回は助けられました。
少し泣きました。
ここまで長く付き合ってきた作品を、最後の最後で「まだ続くかもしれません」みたいな顔で終わらせるのは、さすがにつらいじゃないですか。
だって二十年ですよ。
二十年越しの完結で、最後に「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいな顔をされたら、作者が一番崖から落ちます。
しかも自分で落としたわけじゃない。
AIに背中を押されて落ちる。
そんな最終回、嫌すぎる。
今回の件で思いました。
創作補助AIって、やっぱり担当編集みたいに相性がありますね。
ジャンルや場面によって、向き不向きがある。
俺YOEEEから少しずつ成長していく話。
ほのぼのした日常。
キャラクターの感情整理。
そういうところは、チャッピーがけっこう丁寧に見てくれる。
ただし、成人夫婦の距離感とか、最終回のしっとりした余韻とかになると、急に赤紙職人になります。
もう職人芸です。
和紙を漉くような丁寧さで赤紙を貼ってくる。
一方、Grokは勢いがある。
安全フィルターの感覚も違うのか、今回みたいな「ちゃんと大人の夫婦として着地させたい」場面では、妙な薄め方をせずに流れを整えてくれた。
もちろん、何でもかんでも投げればいいわけではありません。
そこは作者が見ないとだめです。
AIに丸投げしたら、たまに作者の知らない方向へ馬が走りますからね。
気づいたら隣町。
「ここどこ?」です。
特にTSとか、歳の差ラブとか、扱いが難しい題材を読み込ませるときは、本当に気をつけたほうがいいと思います。
チャッピーに渡したら赤紙祭り。
Grokに渡したら勢い祭り。
作者はその真ん中で、盆踊りの櫓みたいにぐるぐる回ることになります。
でも今回は、その担当交代がうまくいきました。
チャッピーの赤紙地獄で未完エンドになりかけた「勇者」は、Grokの手を借りて、ようやく感動エンドに着地しました。
そして、今になって最終回ブーストも起きています。
ありがたい。
ありがたいけど、作者の胃はもう何回か裏返りました。
完結って、もっと穏やかなものだと思っていました。
「ついに書き終えました。感無量です」
みたいな、きれいなコメントをする予定だったんです。
それが現実はどうですか。
「赤紙だ!」
「未完エンドだ!」
「Grokに投げろ!」
「着地したぞ!」
最終回の裏側が、ほぼ救急搬送です。
でも、それも含めて、わたくしらしいのかもしれません。
二十年越しの作品が、ただ静かに終わるわけがなかった。
最後の最後まで、作者もAIも大騒ぎ。
まるで「勇者」そのものです。
というわけで、今日こそここに宣言しちゃいます。
「勇者」は今日、本当に完結しました。
二十年振り……いや、二十一年振りか?
細かいことはもういいです。
だいたい長い。
とにかく長い。
この作品が、読んでくださった皆さんの心の光になれれば幸いです。
……最後ちょっと感動に寄せすぎましたかね?
まあいいか。
昨日は赤紙で未完エンドになりかけたんです。
今日くらい、作者もきれいなことを言わせてください。
次回は「勇者」誕生秘話なんかを、徒然なるままに書きたいですね。
ただし、チャッピー。
そのときは赤紙を持ってこないでください。
これはエッセイです。
最終回でもラブシーンでもありません。
ではまたです!
今回もお読みいただきvery very thanks‼︎です。少しでもおもしろいと思われましたらぜひ評価、ブクマ、感想いただけると泣いて喜びます。




